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地盤沈下したタンク基礎=平成23年7月(東京電力提供)
東電福島原発 汚染水貯蔵タンクの不安 地盤低下 いまだ不明瞭(福島民報)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=37791
11月 3rd, 2013 Finance GreenWatch
「管理がずさん過ぎる。誠に遺憾だ」。10月3日午前9時半、県庁2階の応接室で緊急開催された県の原子力関係部長会議で、知事の佐藤雄平(65)は声を荒らげた。約13時間前の2日夜、東京電力福島第一原発で地上タンクから新たな汚染水漏れが発覚した。原因はタンクに水を入れ過ぎたためだった。
地上タンク群を囲む漏えい防止用の「せき」にたまった水を移送する際、作業員は直径9メートルのタンクの天板中央部の小窓をのぞき、水位を確認しながら作業していた。だが、「容量にまだ余裕がある」と思われたタンクは傾いていた。一番低い位置から水が漏れ出した。
貯水量を確認する水位計はタンクの一番高い位置に備え付けられ、機能を果たしていなかった。「東電にはリスク管理を徹底するよう何度も伝えてきた。しっかり対応しているのか疑いたくなる」。8月には300トンの汚染水漏れが判明したばかり。繰り返される漏えいに、佐藤は怒りに声を震わせた。
■ ■ タンクの傾きは9月17日に福島市で開かれた県廃炉安全監視協議会で問題視されていた。
東電はタンク運用前に、水を入れて構造などに問題がないかを調べる「水張り試験」をしている。試験前後に、タンクの傾き割合の変化が自社基準の1%未満であれば使用可能と判断する。この自社基準に対し、複数の委員が疑問を投げかけた。
水文(すいもん)地質学が専門の柴崎直明(52)=福島大共生システム理工学類教授=もその1人だ。柴崎は、通常の建造物の場合、傾き割合の許容範囲は0.3%程度だが、高濃度の放射性物質を貯蔵するタンクは、より安全側に立った厳格な基準(0.1%以内)に設定する必要があると考えていた。
しかし、東電の回答は「水張り試験に加え、パトロールを実施しているので問題ない」だった。
東電は、「汚染水が漏出したタンクは自社基準に適合していた」と説明したが、漏出後の調査でタンクの傾きは最大2.4%に達することが判明した。平成23年4月の建設時から地盤に傾きがあったとみられる。タンクが傾いたまま水張り試験を行い、試験前後の傾きが自社基準内だったため、「問題なし」としていた。
タンク内の水の高低差21.6センチは2年半にわたって改善されないままだった。東電は漏出後になってタンクから水を抜くことを検討し始めるなど、対応は後手に回っている。
■ ■ 柴崎はタンクを設置している地盤の軟弱性も指摘する。実際に福島第一原発で23年7月、タンクの水張り試験中に地盤沈下し、東電はタンク3基を解体・移設した。
東電によると、地盤沈下があった地層は段丘礫層(だんきゅうれきそう)と呼ばれる比較的新しい層で、その上には腐った草などが積み重なっている。腐植土は軟弱地盤の典型例で、ブヨブヨした状態だ。東電はタンクを設置する際、地下1メートルまで掘り下げ、地盤を改良しているが、その下の層が軟らかければ簡単に沈む。
柴崎はこれまで、東電にボーリング調査結果などを提供するよう繰り返し求めてきた。しかし、回答はほんの一部にとどまり、いまだに詳しいデータは示されていない。「タンク設置場所の地盤は不明な点が多過ぎる。基本的な情報を公表し、早めに手を打つべきだ」と警鐘を鳴らす。
どうすれば、タンクからの汚染水漏えいのリスクを低減できるのか―。大半の放射性物質を取り除くことができ、東電と国が「切り札」としている「多核種除去設備(ALPS)」の本格稼働が待ったなしの状況となっている。(文中敬称略)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/images/201311020.jpg
(2013/11/02 11:30カテゴリー:ベクレルの嘆き 放射線との戦い)
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/11/post_8515.html
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