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尿採取用に準備した簡易トイレ
(プロメテウスの罠)医師、前線へ:15 「赤」は除染せず治療
http://www.asahi.com/articles/TKY201311010676.html
2013年11月2日05時00分 朝日新聞
2011年3月15日以降、福島県立医大では被曝(ひばく)患者を大量に受け入れるための準備を進めた。
毎日午前10時。除染棟の一室に県立医大、長崎大、日本原子力研究開発機構(JAEA)、陸上自衛隊らの関係者が集まって会議をした。
「多職種ミーティング」と名付けられたこの会議では、患者の搬送方法などを話し合った。準備することは山ほどある。会議は長くても45分で終えると決めた。
会議の冒頭5分は「きょうの原子炉」と題した講義。JAEAの職員が講師になり、その日の燃料プールの温度、注水状況を頭に入れる。
そのあと、多数の患者が出た際の手順について議論した。
搬送手順は日々変化したが、おおよそこんな感じだった。
傷病者は自衛隊のヘリで運ぶ。ヘリ発着場となるグラウンドで、医師がトリアージをする。トリアージとは、多数の傷病者に対して治療の優先順位を決めることだ。優先度に沿って患者に色札をつける。
緊急治療が必要な患者は「赤」。重症度が低いが治療が必要な患者は「黄」。早急な治療は必要ない患者が「緑」。死者や手の施しようのない患者は「黒」――。
救命を急ぐため、「赤」は除染をせずに治療すると決めた。「黄」は除染をした後に治療する。
グラウンドからの搬送と除染は、15日夜から24時間待機を始めた陸上自衛隊中央特殊武器防護隊の103部隊が担当することになった。原子力テロに備える特殊部隊だ。約10人の隊員が、段ボールで作った手製の人形で搬送練習を繰り返した。
治療は人数が多い場合は体育館、少なければ除染棟で行う。
「緑」は徒歩で体育館に移動し除染の待機。途中、内部被曝の測定に必要な尿採取のため、患者が簡易トイレに行く手順も入れた。
「黒」の遺体は当初、屋内プールに運ぶ予定だった。が、病院の上層部から「高価なプールを汚染させたくない」と苦情が出た。結局、弓道場に安置することになった。
毎週月曜から水曜にかけては放射線測定などの勉強会を行った。木曜日には防護服を着て治療のシミュレーション。その様子をビデオで録画し、反省会もした。
みんな必死だった。
準備は進めながらも、県立医大の医師たちの恐怖心は消えなかった。毎夜、ひとりずつ泣き崩れた。(麻田真衣)
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