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山本太郎参議院議員はかなりブレーンが付いていて、政党に入っていない議員としてはとても優れた仕事をされていると思う。
例えば、
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/syuh/s185021.htm
にある「放射線被曝防護に関する質問主意書」などは、質問内容はもちろんのこと、文章自体がとてもこなれていると感じる。
そして、こういったことは彼の経歴を振り返るととても不思議なことだ。
もし、彼が単なる一匹狼で、彼の主張にひかれていろいろな人が集まったのなら、優れた質問主意書を出すことは可能であっても、今回のようなことは周りがやらせなかっただろうと思える。なぜなら、天皇が実質的に政治的な動きができないことは事実であり、天皇に何を訴えてもそれが何らかの具体的な天皇の行為となって表れることはないとはっきり決まっているからだ。
では、なぜ山本太郎氏は今回のような行為に出たのだろうか。
原発を巡る状況を見ていると、どうもとても厳しい事態が近い将来表面化すると推測されると思う。福島第一原発事故は西風が吹いていた関係で漏れた放射性物質のほとんどが太平洋上へ拡散したとされる。そして、それは事実だろう。しかし、だからと言って、チェルノブイリ事故に比べてずっと事故の程度が軽いものとも思えない。
その理由は次のようなものだ。
1.事故直後の放射能漏れの程度が隠ぺいされている。事故直後も近隣のモニタリングポストが稼働していたのは事実だ。しかし、そのデータが回収され、検討の対象にされたのは事故後かなりたってからだった。だから、あまり大した放射能漏れがなかったという観測記録は偽物だと思う。
2.事故直後の被曝の程度がやはり隠蔽されている。福島県の行動調査が始まったのは3か月以上経過してからだし、甲状腺の被曝程度を測ることも事故直後の数か月は意図的に行われていなかった様子だ。
3.福島県の健康調査で血液検査の結果があまり開示されていない様子であること。血液検査の方が初期の被曝影響をはっきりと示すようであり、染色体検査はかなりひどい被曝状況で、かつ、ある程度時間が経過しないとはっきり影響が表れないようであること。
つまり、どうも被曝影響はそれなりにかなり深刻な状況であり、単にそれがまだあまり表面化していず、今後数年でそれが表面化する様子なのだ。
そして、当然、そういった影響が表面化したとき、東電や政府に対して相当に強い反感が抱かれ、責任追及の動きが出てくるだろう。
その時、そういった人たちの気持ちを代表して運動の先頭に立つためには、国会議員であることがある意味邪魔になる可能性がある。
政党に入らないまま個人として国会議員を続けてもやれることは非常に限られている。それどころか、ほとんど目立たないまま忘れ去れてしまう可能性さえある。そして、もし、反原発新党の結成に参加しても、多分そこには先輩議員がいてそれなりに反原発を語るだろうから山本太郎氏として注目を集めることは難しい。
だから、今回のことは、わざわざ議員辞職をねらってやったことである可能性がある。ここで議員辞職をさせられれば、身を捨てて福島の人たちのことを訴えたと評価されるだろうからだ。
しかし、そういったことであれば、もっと後でもいいはずだ。まだ被曝影響が大規模に表面化はしていない。
では、なぜ今回、この時期に議員辞職になるような危険を冒したのか。
可能性としては
1.被曝影響が近い将来、つまり、今後数か月のうちぐらいにかなり大規模に表面化する。
2.新たな原発事故が近いうちに予測されている。
3.近い将来に大きな災害が予測されている。
などがあると思う。
ただ、現状で考えると、これらの可能性がどの程度あるのかは分からない。
多分、1については分かっている人には分かっているのだろう。被曝影響がどのように表面化するかは太平洋戦争末期から継続していろいろなケースで研究されてきているから、福島の事故についても、いつ頃どのような影響が表面化するかは一部の研究者や関係者には分かっていることのはずだ。どちらにしろ、被曝影響が出た場合に、それにきちんと対処することが必要で、現状のままでは対応ができないと思う。
2については、故意に事故を起こすことが出来るはずで、それが計画されている可能性はあると思う。ただ、これに対応して事故防止の動きをするのは当然であり、いろいろなレベルで事故防止の措置を取っていくしかないのだろう。
3についても同じことだ。特に原発事故を引き起こすような地震災害に対して手を打つ必要があり、もっとも危惧されるのが浜岡原発であり、その次が若狭湾の原発群、そして、九州や四国の原発だろう。M6程度の地震が原発直下で起これば、福島第一原発事故と同程度の事故は十分に起こり得るのではないだろうか。
山本太郎議員について、自分としてはこのまま議員として活動を続けていただきたい。質問主意書だけを見ていても、政治家としての存在意義は十分にあるように思う。
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