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2013年10月30日午前7時03分
福井県が全国の原発立地自治体に先駆けて「廃炉・新電源対策室」を設置した。県内の商業用原発は高経年化(老朽化)が進み、いずれ廃炉時代に突入する。廃炉作業の安全性を確保し、廃炉ビジネスの可能性を探るべく国内外の知見を集め課題を整理するのが目的。ただ、古い原発を新しいものに置き換えるリプレースや新電源の開発も業務に入っており、原子力政策全般にわたって国に提言する”てこ”にするのがもう一つの狙いとみられる。
■■進む老朽化
県内の商業用原発は13基のうち8基が運転開始から30年を超えている。35年超で数えると6基、このうち40年超は3基ある。改正原子炉等規制法で新たに定められた運転年数は「原則40年」。最長20年の延長も可能だが、「特別点検」を行い原子力規制委員会の審査をクリアしなければならない。
40年を超えているのは日本原電敦賀1号機と関西電力美浜1、2号機。格納容器が小さい敦賀1号機は、東京電力福島第1原発1号機と同型で、冷却システムも全く同じ。2016年までの運転しか予定していないこともあり、再稼働する可能性は極めて低い。
関電は安全審査を規制委に申請している大飯3、4号機と高浜3、4号機の再稼働に全力を挙げており、他のプラントまで手が回らないのが現状。特に運転40年前後の美浜1、2号機や高浜1、2号機の申請は後回しになる公算が大きく、いつ再稼働できるか見通しは全く立っていない。
比較的新しくても敦賀2号機のように直下の破砕帯が活断層と認定されたり、新規制基準を満たすことができなければ廃炉に追い込まれる可能性が出てくる。県は「特定の原発の廃炉を見越してはいない」としているが、電力会社がいつ廃炉を判断しても対応できる体制を整え始めたとも受け取れる。
■■複雑な方程式
県は1977年に原子力安全対策課を新設。専門部署を自治体がつくるのは全国初で、事業者を厳しく監視し国への提言も行ってきた。廃炉関連の対策室をいち早く立ち上げたのも「国や事業者にもの申すには最先端の知見の収集を今やっておかないといけない」(櫻本宏安全環境部長)と考えるからだ。
エネルギーバランスの重要性をたびたび強調する西川知事は「廃炉問題や新しい電源をどうするかという国の議論がなかなか見えない。情報を収集、研究しエネルギー政策に反映されるよういろんな提案をしていく」と説明。廃炉とリプレースや新増設はセットで考えるよう示唆している。
リプレースなどに対する国の方針は再稼働の行方にも影響する。年数が古い美浜原発は再稼働のハードルが高く、地元ではより安全性の高い新型炉の建設を求める声もある。リプレースが認められるのなら、古い原発の再稼働を断念し、後継炉を建設する判断もあり得るということだ。
美浜町を地盤に持つ吉田伊三郎県議は「リプレースするには将来的なエネルギーの位置付けを明確にすることが必要。原子力の比率を一定程度保つなら、新しい場所への建設は難しく、リプレースが現実的な案になってくる」と指摘する。
再稼働にリプレースや新増設の方向性が絡むことも予想され、関電のある幹部は「国が原発を何基動かすのかを含めて複雑な方程式」と語る。電力各社は、年内に取りまとめられるエネルギー基本計画で示される方針を注視しながら対応していく構えだ。
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