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東電「汚染水対策せず」の開き直り 台風27号を口実に次々掟破り
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2013/10/26 日刊ゲンダイ
ついに東京電力が開き直り始めた。大雨をもたらす台風27号への「緊急対応」を口実にして、福島第1原発における“禁じ手”を次々に解禁しているのだ。
まずは欠陥「地下貯水槽」への雨水移送だ。汚染水をためる「地下貯水槽」は敷地内に7つあるが、今年4月、うち3つから高濃度の汚染水漏れが起き、東電の広瀬直己社長は「今後使わない」と約束している。ところが台風26号が直撃した先週16日、「緊急対応」を理由に貯水槽の1つを雨水の移送先に使った。台風27号では、ほかの2つも使っている。
さらに地上の貯蔵タンクを囲っている堰にたまった雨水を、敷地内に直接排水する暫定措置も決めた。本来、堰にたまった水はいったんタンクに移し、濃度測定後に排出しなければいけない。ところが、20日の大雨で11カ所の堰で雨水があふれると、東電はタンクに移さず、弁を開放してしまった。台風27号では最初からサジを投げてしまった。
要するに、「もう努力はしません」という対応なのだ。東電に今回の台風について、どんな備えをしているか聞くと、「弊社ホームページをご覧ください」(総務部)と回答するだけ。
元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏はこう言う。
「後手後手ではあったけれど、これまでの東電は何かトラブルが発生するたびに必死に対応する姿勢を示してきました。ところが、台風26号から、完全に諦めたかに見えます。いつか大きな台風が来るのは分かっていたのだから、雨水をタンカーで移送するとか、いくらでも対策は打てたはず。それをしないのは、あれもダメ、これもダメと既成事実をつくり、国民を諦めさせようとしているのかもしれません」
東電がふざけた対応を取り始めているのは、安倍政権が後ろ盾になっているからだ。小泉純一郎が“脱原発”を叫んでも、安倍首相は「無責任だ」と一蹴。政権には“原子力ムラの守護神”と呼ばれる甘利経財相もいる。
「原発推進の安倍政権は、東電にとって間違いなく追い風です。自分たちは潰されないという自信を深めているのでしょう。さもなければ、対策を投げ出すなんて真似はできません」(畑明郎氏)
政府は汚染水対策にも税金を投入しようとしている。東電はそれが決まるまでノラリクラリやろうという腹なのかもしれない。
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