http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/393.html
Tweet |
高レベル核廃棄物の短命化は意味があるか?
高レベル核廃棄物の短命化について、次のような動きがあるそうだ。
「文部科学省は専門家の会合で、環境への影響を数万年から100分の1程度の数百年に縮める新たな技術の開発に本格的に乗り出す方針を示し、大筋で了承されました。具体的には、使用済み核燃料から寿命の長い放射性物質を取り出し『加速器』という装置で発生させた『中性子』を当てて、寿命の短い物質に変える計画で、実現すれば埋める場所も100分の1程度に小さくできるということです。」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131023/k10015488801000.html)
このことが書かれていた阿修羅掲示板の記事のコメントに加速器駆動未臨界炉のことが取り上げられて、自分も加速器駆動未臨界炉と言うものがあると分かった。
ウィキの「加速器駆動未臨界炉」のページ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8%E9%A7%86%E5%8B%95%E6%9C%AA%E8%87%A8%E7%95%8C%E7%82%89)から説明の一部を次に引用する。
「超長半減期廃棄物や中性子吸収が大きすぎて燃料としては放棄されてきたウラン・プルトニウム近縁の核分裂物質に対し人工的に中性子を吹き込み核分裂させることで、熱の回収や半減期30年程度と短い核分裂生成物への変換ができる。」
自分は、核廃棄物の究極的な問題は永久に消えることのない重金属毒性だと考えてきたので、核分裂によって原子量が半減し、重金属毒性が消えるならとても素晴らしいことだと思う。
ただ、半減期が数万年などと言う長いものはそれだけ放射線が出てくる頻度が低く、放射能毒性は低い。半減期が短ければそれだけ短期間に集中的に放射線が出されるわけで、放射毒性は高い。
つまり、短命化技術とは長期にわたる弱い毒性をもったものを、短期間で終わる強い毒性を持ったものに変える技術なのだ。
実際の技術では、半減期の長いものだけを抽出する過程があり、この時にかなりの放射能漏れが起こることが問題になる。更に、半減期の短いものが大量に出ることになり、これはこれで安全な管理が難しい。
技術の進歩によりいろいろなことが可能になるのだろう。だから研究自体を否定するつもりはない。しかし、放射性物質の短命化技術は結局のところ、長期にわたる管理コストを節約することを達成するために、更なる環境汚染を招き入れ、その上に福島第一原発事故のような過酷事故の可能性も生じさせるものなのではないだろうか。だから、相当程度に科学技術が発達するまでは、たとえコストがかかろうと、乾式キャスクでの保管を続けるべきではないだろうか。
多分、地球環境はかなりの広範囲に低線量被曝が起こるほど既に汚染されている。半減期30年程度の放射性物質でも、環境中に漏れれば百年は影響が残る。そして、百年程度あれば人類全体が低線量被曝により滅んでしまうこともあり得るのではないだろうか。だから、まず、これ以上環境汚染がひどくならないことを第一とするべきであるのではないだろうか。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。