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被曝と健康15 (見解書−6) 東葛6市の見解書の総括
http://takedanet.com/2013/10/post_6bb7.html
平成25年10月20日 武田邦彦(中部大学)
これまで6回にわたって東葛6市の人の被曝と健康に関する見解書を整理してきた。その結果、
1)東北大学の中村先生は、国の放射線審議会会長という要職を勤められた人ですが、申し訳ないけれど「ウソをつく性質がある」ということ、
2)中村先生が「ハッキリしたウソ」をついたのは、国がバックにあるからウソをついても地位などを損なわない、自分は放射線の専門家と共に「お殿様」だから、東葛の人の幸福や運命を考えることができる、
3)藤井先生はがんセンター部長という要職にありながら、失礼ながら基礎学力に不足していて、被曝と健康の事に関して表面的なことしかご存じない、
4)藤井先生は「査定を受ける身」なので、ご本人は本当のことを言いたかったけれど、それでは職や地位に影響があるので、覚悟がつかなかった、
といえるでしょう。
でも、多くの人がこのような整理の結果に違和感を持つと思います。なにしろ「偉い人」の見解が「ウソ」と「学力不足」によるという結論はあまりにも奇妙だからです。
でも、これは日本の指導層に多い現象です。自分がある分野の専門家なのに、日常的にちやほやされていることもあって、自分は殿様だと思ってしまうこと、イタリアの地震学者が地震予知に失敗して有罪判決を受けましたが、学問の自由は「内的・精神的な自由」であり、東葛6市の人の健康に直接及ぶ発言は法令に違反したり、事実と違うことを言ったら有罪になる、というような「近代の倫理」を知らないことによると考えられます。
日本の教育は教育勅語の変更、日教組の存在、東大の入試などの関係で、「他人を蹴落とす」、「自分だけの成績が良ければ褒められ、出世する」などがあり、「自分が社会の中で何を期待されているか」、「国立大学でなぜ税金で補助されて勉強したか」、「国立の大学や研究機関は、税金でまかなわれていて、常に国民に忠誠を誓わなければならない」などの基本的な社会道徳に著しく反しているからです。
これは専門家だけではなく、政治家、官僚、マスコミ、知識層、一般市民などに共通しているので、なかなかこの手の「ウソ」や「学力不足」を直すことは難しいでしょう。しかも、名張毒物事件の判決などをみても、もはや裁判官も「自分だけ」の世界に閉じこもっているようにみえます。
つまり、法治国家にいて、これだけ科学が発達しているのに、残念ながら現在の日本は「魂のない人間の集団」と化していることが、この東葛6市の見解書で判ります。また同時に、良くテレビなどで「被曝は大丈夫」とか、「危険を煽るな」、「風評」などという人が本当にその場限りであることもわかりました。
でも、残念ですね。おそらくお二人とも家では良いお父さんであり、後輩や、知人にも尊敬されていると思います。それなのになぜ「事実を言う勇気」を持たなかったのでしょうか? 「法令に違反し、ガンの危険は高くなるけれど、郷里に住んでいた方が良いと私は思います」と言えなかったのでしょうか?
ただ、「自然放射線以下だから大丈夫」という非科学的で、非論理的なことが、中村先生や藤井部長以外の「常識ある知識人、人の良さそうな芸能人」などがくり返し口に出しているところを見ると、なにか強い力が日本社会に働いて、少し気の弱い人はそれに抵抗できないのかも知れません。
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