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「人員問題は近々、行き詰まるだろう。最後は雇い兵のような外国人を雇うつもりだろうか」元福島原発作業員
本日の東京新聞が福島原発の作業員不足が深刻であると伝えています。
4号機の燃料取り出しがこれからはじまるという情勢の中、本当に収束できるのか。
外国人を多数動員なんていうことが近い将来訪れるような気がしてなりません。
【東京新聞特報10/24】
福島原発事故の収束や賠償などの金銭的重圧にあえぐ東京電力。政府は同社を破綻処理せずに税金で救済しようとしているが、問題は財務面だけではない。人手も不足しつつある。経験豊かな作業員が現場を離れ、素人同然の作業員が増えてトラブルを生む。東電本体の離職者も増えている。まだ事故から2年半。向こう数十年にわたる収束、廃炉作業に黄信号がともっている。
◎離れる地元企業 線量高く
「もう地元の協力企業はほとんどフクイチ(東電福島第一原発)には入っていない」。事故直後まで、福島第一原発に入っていた福島県いわき市の業者はそう言う。 「従業員の(被ばく許容)線量がパンパンになってしまった。東電の仕事をしている地元会社は大半が第二(原発)にいる」。別の協力企業の社長もそう話した。
この約1カ月間だけでも、福島第一の現場ではトラブルが多発した。 多核種除去設備(ALPS)のタンク内にゴム製シートを忘れて配管が詰まった/タンクが傾いていることを知らずに注水し、汚染水漏れを起こした/電源盤の操作を誤り、原子炉冷却のポンプが一時止まった─。初歩的なミスばかりだ。ベテラン作業員の不足が影響しているといえる。
今年初めまで、福島第一で働いていた作業員は内情をこう漏らす。 「下請け(協力企業)には、大別すれば土木とプラントがある。土木は整地して汚染水タンクなどを置く仕事。プラントは配管など、原子炉にも絡む。土木の作業員は相変わらず、重層の『中抜き』で危険手当などが届かない。だから除染作業などに流れている」 除染作業は国の直轄分もあるためか、危険手当が払われるケースが増えたという。原発での作業に比べ、安全な印象もある。ただ、放射線管理は原発の方が厳しく、除染ではマスク抜きの現場もあり、内部被ばくの危険に大差はないという。
では、プラント関連はどうなのか。 「各地の原発が止まって定期検査もないので、東電は全国の原発職人が福島に来ると読んでいた節がある。だが、実際はそうなっていない。溶接などで腕に覚えのある職人は原発以外にも仕事がある。地元でも避難住民の流入でマンションなどが建設ラッシュ。結局、腕の悪い人が残り、仕事の効率が悪くなって人手不足の状態に陥る」
協力企業の社長は、ミスの多発の一因は東電や一次下請けの担当者が現場にいないことにもあると語る。「高圧電線の入った管を切りかけたケースもある」。だが、この作業員は「現場にいて指示すると、違法な偽装請負だ。それを東電側が裂けている面もある」と複雑な事情を説明する。
いわき市の業者は「日当で5万円もらっても、フクイチには行かない。線量が高すぎる。地元業者の間では、あんな所で働く人間の神経を疑うと話している」と言う。 作業員もその話にうなずき、こう漏らした。
「人員問題は近々、行き詰まるだろう。最後は雇い兵のような外国人を雇うつもりだろうか」
◆若手が次々退職
作業員はたしかに減少している。東電が発表した翌月の計画人数(平日1日当たりの作業員数見込み)を調べると、今年2月は下請け作業員だけで1日約4200人だったが、10月は東電社員を入れても約2400人に減った(表参照)。 東電社員も減っている。依願退職者は、福島原発事故の発生後に急増した。東電広報部によると、事故前の2010年度は134人だったが、11年度は465人、12年度は712人、本年度は4〜6月の3カ月だけで109人に上る。年齢別では40歳以下が約7割を占める。
ある東電関係者は「以前なら10のエネルギーを使えば、10の給与がもらえた。それがいまや給与は3分の2ぐらいに減った。事故後、3年目となるとさすがに気力が続かない」と打ち明ける。 東電社員は管理職で約3割、一般職は約2割の給与削減をされている。頭では「被害者に償うために頑張ろう」と理解していても、転職先が見つけやすい若手から辞めていく。会社も引き留めようとはしないという。
この関係者は東電の破綻処理を求める。「もっと給与は減るかもしれないが、少しは希望が見えてくる。まったく先が見えない現在よりはいい。やる気を取り戻すためには、一度リセットするしかないのではないか」
今後、東電社員や作業員の人手不足にどう取り組めばよいのか。長年福島原発に携わり、協力会社の会長でもある名嘉幸照さんは「一定の技術力を持つマンパワーはいずれ枯渇することは分かっていた。対策をとらなければ」と指摘する。 名嘉さんは事故後、電力会社や原発プラントメーカーを退職した技術者に声をかけ、事故収束に協力するOB組織を立ち上げ、東電に支援を申し入れた。ただ、東電から歓迎する声はなかった。
「電気事業連合会が音頭を取り、全国の電力会社から技術者を集めるべきだ。そうしないと、現場の指揮を執る人材がいなくなってしまう」 20年開催の東京五輪も懸念材料だ。福島県三春町在住の僧侶で、作家の玄侑宗久さんは「ただでさえ福島は人手不足。インフラの整備など五輪の準備が始まると、さらに状況は厳しくなるのでは」と危ぶむ。
五輪には、準備段階を含めて大量の電気が必要となる。その需要と県内全ての原発の廃炉を望んでいる福島県民の意思との矛盾にも気をもむ。 「安倍首相は、『メダルの倍増』と息巻いているが、無事に五輪を開き、福島の原発の廃炉を速やかに決めることの方がはるかに大切。実現できれば、世界から称賛されるだろう」(玄侑さん)
原発労働者の被ばく実態調査に長く取り組んできた長崎県立大非常勤講師の藤田祐幸さんも「五輪の開催は事故収束現場の人手不足に直結するだろう。五輪に投じる国費は6000億円超といわれている。本来はその資金を仮設の住民を別の地域に移住させたり、事故収束のために投じるべきではないのか」と憂える。
藤田さんは「事故収束は数十年〜100年単位のプロジェクトになる。原子力の知識を持った人材の育成も不可欠だ。ただ、被ばく労働の危険な職場に若い人はなかなか来ない」と現状を認識したうえで、こう提起する。 「原発労働では、多重下請けで責任が曖昧にされ、作業員の賃金は中間搾取されている。まずは国が率先して、福島事故前から続くこうした原発労働の悪弊を根本的に一掃する必要がある」
[原発作業員の被ばく線量]
労働安全衛生法の規則は、原発作業員の被ばく線量の上限を年間50ミリシーベルト、かつ5年間で100ミリシーベルトと規定し、緊急時は100ミリシーベルトまで認めるとしている。福島第一原発事故の発生直後は、すぐに限度に達してしまうため一時的に250ミリシーベルトに引き上げた。線量が上限に達すると、一定期間、被ばくの恐れがある作業に就けなくなる。
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