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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131024-00000002-mai-bus_all
毎日新聞 10月24日(木)2時32分配信
政府・自民党は23日、中長期の原子力政策として、既存の原発の敷地内で旧炉を新しい炉に更新する「リプレース(建て替え)」を打ち出す検討を始めた。年内にまとめる政府のエネルギー基本計画に明記する方向で調整する。安倍政権は規制基準をクリアした原発の再稼働を進める構えで、将来も一定の原発比率を保つ方針を明確にする狙い。しかし東京電力福島第1原発事故の収束が難航するなか、原発依存の継続と受け取れる表現には強い反発が見込まれ、調整の難航は必至だ。
基本計画では、原発を含めたエネルギー構成の「ベストミックス」に言及し、原発を重要・基幹電源と改めて位置づける案も浮上している。一方、既存の国内原発の敷地内で炉を増やす「増設」の表現も検討するが、実現の可能性が乏しいため慎重論は強い。全く別の立地で行う「新規建設」は、「事故以降、住民の理解が得られる見通しがない」(自民党幹部)として記述を避ける方向だ。
安倍晋三首相は今後の原子力比率を引き下げるとしつつ、原発再稼働は「世界で最も厳しい安全基準で判断する」としている。
だが国内で多くの原発が停止する中、原発の寿命を40年とした場合、更新や新増設をしなければ、停止中の原発を含めて2049年には原発がゼロになる計算だ。このため政府・自民党内には、原発の新規立地よりも従来の原発立地を活用する方針を基本計画で示し、「安全性・発電容量で勝る炉に建て替える」と訴えれば世論の批判をかわせる、との見方が出ている。それでも国民の原発不信を考慮し、将来の原発比率は明示しない。
政府・自民党や財界では安倍政権の成長戦略も踏まえ、「日本経済の維持には一定の原発が必要だ」との意見が強い。同党の原発推進派でつくる電力安定供給推進議連(会長・細田博之幹事長代行)は、エネルギー基本計画への提言を12月初旬に提出する方針。議連幹部は「リプレースや新増設は考えないといけない」と述べ、計画策定を担う経済産業省・資源エネルギー庁を後押しした。
ただ原発の維持にあたっては放射性廃棄物の最終処分場がないなどの課題も解消されていない。このため安倍首相は今後の原発再稼働の見通しや、世論の動向も見ながら方向性を最終判断する考えだ。【小山由宇】
◇エネルギー基本計画
エネルギー政策基本法に基づき、エネルギー政策の基本方針や方向性を示すもので、3年ごとに見直す。発電電力量に占める原子力の割合を、2030年に53%まで高める方針だった。福島原発事故後、民主党政権は「原発ゼロ」を掲げたが、現政権は「(民主党政権の方針を)ゼロベースで見直す」と表明。今年3月から、経済産業省の審議会が、次期計画の検討を進めている。
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