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【 見えてきた危険な未来、急落する現場の士気 – 福島第一原発 】《第1回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14501
2013年10月22日 星の金貨プロジェクト
第一線で働く作業員たちの、体と心をむしばむ健康問題
危機の最中、現場の作業員の報酬まで引き下げた東京電力
これから先を思うと暗澹たる思い – 内部関係者の証言
頼られることばかりが多く、報われることは少ない福島第一原発の現場労働
ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 10月15日
放射線防護服に身を固め、フルフェイスのマスクと固いヘルメットとを着用した安倍首相は、居並ぶ作業たちを前に、断固とした口調でこう語りました。
「日本の将来はあなた方の双肩にかかっています。」
「あなたたちが頼りです。」
安倍首相の直近の福島第一原発の訪問において、この激励を聞くことができたのは緊急司令室内の少人数の要員だけでした。
しかしこの激励は、3基の原子炉がメルトダウンして3年近くが経った世界で最も危険な産業事故現場、福島第一原発内の第一線の現場で働く約6,000人のスタッフ、技術者、エンジニア、ドライバー、そして建設作業員全員に向けられたものでした。
あらゆる難題が積み重なり、次から次へと新たな問題や放射性物質の漏出事故が持ち上がる福島第一原発の現場では、彼ら実際の作業にたずさわる人々が深刻な士気の低下、健康上の問題、そして将来への不安に苦しんでいます。
内部関係者に対するガーディアンの取材が、これらの問題の存在を明らかにしました。
福島第一原発の事故収束・廃炉作業はまだ始まったばかりですが、最低でも40年はかかると見られているその作業の取り掛かり段階で、早くも危険な作業に従事する資格を持つ要員不足の問題に直面しています。
汚染水の浄化装置の作業を行っていた作業員男性6名が、高濃度汚染水を浴びてしまう事故が発生、約900名の東京電力職員と約5,000人の関連会社・下請け会社の従業員が直面させられている問題が浮き彫りになりました。
今回の事故では全員が防護服と防水服を着用していたため、東京電力によればただちに健康被害に見舞われる事態にはなりませんでした。
しかし一方では、2011年3月の原子炉のメルトダウン以来続いている事故収束・廃炉作業が、いよいよ最も危険な段階に入りつつあることを示す事件となったのです。
一連の汚染水漏れ事故に触れ、原子力規制委員会の田中俊一委員長はこうコメントしました。
「不注意によるミスは、往々にして士気の低下と関係がある場合があります。」
「ポジティブな環境で前向きな気持ちで働いている時、人間というものは不注意によるミス、明らかな間違いは行わないものです。福島第一原発で最近人為的ミスが多発する背景には、こうした環境の欠如があるものと、私は考えています。」
ここに来て福島第一原発では放射能汚染水の漏出、そして放射性物質の漏出が立て続いて発生し、これに伴って作業現場の放射線量も増大し、作業に取り組む労働者の精神状態、そして東京電力一社が事故収束・廃炉作業にあたっていることへの懸念を引き起こしました。
定期的に作業現場を訪問し、カウンセリングなどを行っている医療チームの知見に基づけば、チェルノブイリ以来最悪の原子力発電所事故を起こした日本に対し、国際社会からは事故収束・廃炉作業の確実な進展を明らかにするようプレッシャーがかかり続けているにもかかわらず、繰り返し悪いニュースばかりが報じられる現状が、作業にあたる人々の精神を蝕んでいます。
福島第一原発の作業員のカウンセリングを行っている精神医療チームを率いる、防衛大学医学部講師の重村淳氏がこう語りました。
「この6カ月、福島第一原発では状況はほとんど進展がありませんでした。」
「東京電力は事態を打開するために最善を尽くしてきましたが、状況は相変わらず厳しいままなのです。」
重村氏は福島第一原発の作業員の70%が、メルトダウンの発生により家族を避難させなければならない状況に陥っていることを一番に懸念しています。
作業員自身もまた失ったものを回復するには至っておらず、家族から離れて、臨時の簡易宿泊施設での不自由な暮らしを強いられているのです。
作業員自身が今回の3重災害 – 地震・津波・原発事故の被害者なのです。
「作業員たちは津波の被害と原子力発電所の爆発事故により、精神的外傷を負っています。しかも自分たちが被災者としてどれだけの被ばくをしてしまったのか、全く分かっていないのです。」
重村氏がこう指摘しました。
「そのことが深刻な結果として現れています。彼らは絶望感、意欲の喪失、そしてアルコール依存症などの慢性症状に苦しんでいます。」
精神的に追い詰められている彼らの状況は、雇用主である東京電力が次々に持ちあがる問題の対応に追われ、将来が危うくなっていることにより、さらに悪いものになっています。
東京電力は福島第一原発において悪化が続く汚染水問題を解決するよう、国内外で高まる世論の圧力を受けています。
こうした事態を受け、日本政府は約500億円を拠出し、直接事故の収拾に乗り出さざるを得なくなりました。
能力のあるなしに関わらず東京電力は、先に安倍首相が国際社会に公約したように、オリンピックが開催される2020年までに何としても汚染水の漏出を止めなければなりません。
しかし福島第一原発における作業員の不足は、それに対する最大の障害になっています。
東京電力はその事故収束作業の内容に対する批判の矛先をかわし、膨れ上がる事故収束のための費用を圧縮するため、2011年にすべての従業員に対し20%の減給を求めました。
当時37,000人の従業員がいた東京電力から、2011年4月から今年2013年6月にかけ、1,286人が会社を去りました。
一方では、2012会計年度と2013年には一人の採用も行いませんでした。
東京電力の広報担当である吉田まゆみ氏によれば、東京電力は2014年4月、新たに331人の採用を予定しています。
「優秀な人材が昇進し、非生産的な社員は降格される、こうした人事が素早く実現されるシステムに体制が変更される予定です」
吉田氏がこう語りました。
しかし、経験豊かな有能な社員や作業員が被ばく限度利用に達してしまい、現場を去らなければならない状況については、東京電力は今のところどうすることもできないのです。
〈 第2回につづく 〉
http://www.theguardian.com/environment/2013/oct/15/fukushima-nuclear-power-plant-cleanup
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今日から3回に渡り、ガーディアン(英国)紙に掲載されたジャスティン・マッカリー氏の福島第一原発の作業員に焦点を当てた記事をご紹介します。
同氏はこれまでも何回か福島第一原発の作業員に関する記事を書いてこられましたが、いずれもが読み応えのある、内容の深いものでした。
今回も読んでみて、心の重くなる厳しい現実について描写しています。
避難民、作業員、4号機の使用済み核燃料、汚染水…
福島第一原発の現実はいずれもが心が重くなる話題ばかりです。
しかし、4号機の使用済み核燃料の問題を除けば、真正面からの解決に取り組み、本来行うべき事をすれば、前進・改善は可能なはずなのです。
なのに「福島第一原発の事故収束 – 業界利害を優先し、危険な状況に追い込んでいる」(ニューヨークタイムズ – http://kobajun.chips.jp/?p=11016 )のです。
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【 見えてきた危険な未来、急落する現場の士気 – 福島第一原発 】《第2回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14529
2013年10月23日
着実に増え続ける作業員の累積被ばく線量
東京電力の優先課題はまずは金銭、現場の安全では無い
専門知識を持たない東京電力と大手ゼネコンが重要な役割、結局は苦しむ羽目に
ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 10月15日
東京電力の文書は2011年3月から2013年7月までの間、138人の従業員の累積被ばく線量が100ミリシーベルトに達したことを報告しています。
さらに331名の累積被ばく線量が75mSv以上100mSv以下の値に達し、彼らが福島第一原発内で働ける時間のタイムリミットが近づいていることを表しています。
伝えられるところでは、これら累積被ばく線量が限界に近づいている人々は、他の原子力発電所に異動されるか、あるいはいったん離職し、しばらくたってからから再び福島第一原発の現場に戻るよう依頼される場合があります。
しかし、妻や子供、家族が暮らす場所の近くに職を得た人々、あるいは消耗しきってしまった人々、これ以上のストレスに耐えきれなくなった人々が現場を去っていきました。
「彼らは今後10年以内に無くなってしまうかもしれない会社で働き続けることに不安を感じ、これ以上福島第一原発の現場に留まる意義について答えを見つけられなかった人々なのです。」
福島第一原発の作業員を対象に精神医療を行うチームを率いる、重村淳防衛大学医学部講師がこう語りました。
福島第一原発の現場にとどまった労働者達は、ここの所立て続けに起きている放射能漏れや汚染水漏れ、あるいは汚染水をもろに浴びてしまうような事故が続くことにより、被ばくする機会が一層多くなり、被ばく線量が増え続ける危険を冒している、そう認識しています。
今年始め東京電力は(東京電力職員、下請け企業職員を合わせて)1,973人の福島第一原発の作業担当者が、100ミリシーベルトを上回る甲状腺被ばくをしてしまったと公表しました。
「これらの労働者はその生涯において、発がんリスクが少し上昇する可能性があります。」
ロンドン大学インペリアル・カレッジの分子病理学を専門とするゲリー・トーマス教授がこう語りました。
「100ミリシーベルトは、大規模な疫学的調査を行う際、ガン発生率に大きな変化が起きる目安として使われる被ばく線量です。調査対象の数が小さいとその変化は微細なものなってしまうため、調査対象を大きくしなければならないのです。」
トーマス教授はさらにこう続けました。
「しかしわたしはむしろ、現地で働く人々については、喫煙量の増加、放射線被ばくに対する恐怖から極度のストレスにさらされていることの方をはるかに心配しています。その事の方が彼らの健康にとっては、より大きな脅威になり得るからです。」
トーマス教授やその他の専門家は、甲状腺の被ばく線量の増加が直ちにガンの発症率の増加につながると早急に結論を出すことに対して異論を唱えていますが、国際社会から注目を浴び続けているにもかかわらず、その過酷なスケジュールが福島第一原発の現場で働く人々の健康に悪影響を与えていることは否定できません。
「私は、特にうつ病とアルコール中毒についてとりわけ心配しています。」
こう語るのは愛媛大学大学院医学系研究科の公衆衛生学・健康医学を専門とする谷川武教授です。
「私は身体的苦痛、そして心的外傷後ストレス障害の典型的な症状を数多く確認しました。」
臨時雇用の下請け作業員の多くが、福島第一原発周囲の避難区域の南に位置する温泉地帯、湯元などの料金の安い宿泊施設で暮らしています。
これらの旅館やホテルの経営者からは、飲んで暴れる作業員についての苦情が寄せられていましたが、そんな中、昨年一年間で作業員の数は減少して行きました。
最近では福島第一原発の作業員は、小名浜港近くのバーや風俗営業の飲食店に数多く集まるようになりました。
匿名を条件に取材に応じてくれた42歳の下請け作業員は、今、福島第一原発の作業員の間でアルコール中毒が蔓延しつつあると語りました。
「前の晩に大量のアルコールを飲んで、翌日震えながら現場にやってくる作業員を、私はたくさん知っています。夏の間は、二日酔いで現場にやって来て、熱射病で倒れた作業員を何人も目撃しました。」
「作業員の間のコミュニケーションはよくありません。いつも職場のボスの事ばかり気にしています。新入りは同僚たちからさげすみの目で見られ、現場に来ても何をどうしていいのか、まるで分らない新人もいるのです。」
もう一人の労働者、彼も匿名を条件にこう証言しました。
「二日酔いで現場に来たと思ったその数分後には、熱射病で倒れてしまった作業員がいたよ。」
現在は引退している、かつて福島第一原発の原子炉建設にも参加したゼネラル・エレクトリックの技術者の中行輝さんが、長期的に見て東京電力とその関係会社は、充分な知識を持った技術者を廃炉が完了するまで確保できるかどうか、難しい局面に立たされていると語りました。
「今ですら十分に訓練された人材が、福島第一原発では不足しています。」
中さんがこう語りました。
「東京電力にとって、最優先課題は金銭です。原子力に関する確かな技術、そして安全は二の次三の次なのです。だからこそ事故が発生したのではありませんか?
東京電力の経営陣何としても会社を存続させる、そればかり主張しています。
彼らの眼中にあるのは株主、債権者の銀行、そして日本政府なのです。福島の被災者の方々のことなど考えていません。」
福島第一原発の南にあるいわき市で会社を経営する中さんは、これまで東京電力に対し技術提供を行ってきました。
中さんは原子力発電所の事故収束・廃炉作業について、必要な専門知識を持っていない東京電力と大手ゼネコンが重要な役割を担ってしまったために、結局は苦しむ羽目になっていると指摘しました。
「従業員の多くが、こうした状況の中で働いた経験を持ってはいません。だからこそ四六時中作業員の被ばく線量が上がり続けているのです。」
中さんがこう指摘しました。
「再び現場に入って一線で働く意思表示をした退職者を再雇用するよう、私は東京電力に提案しました。
しかし経営陣はこの提案を拒否したのです。」
〈 第3回につづく 〉
http://www.theguardian.com/environment/2013/oct/15/fukushima-nuclear-power-plant-cleanup
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ブエノスアイレスでオリンピックのメダリストたちが飛び上がっている写真を見て、複雑な思いに駆られました。
今回ご紹介した記事で取り上げられている、福島第一原発の現場で働く人々。
私たちにとって、本当のヒーローはどっちのかと…
福島第一原発の現場で働く人々について、国際社会、なかんずく国際メディアの評価と国内報道の扱いにこれほど差があるのはなぜなのでしょうか?
やはり『格差』なのでしょうか?
それとも、マスコミが触れてはならない日本の『暗部』がそこにあるからでしょうか?
もう一度、自分が翻訳した[人間を!使い捨てる!東京電力・福島第一原子力発電所]( http://kobajun.chips.jp/?p=11259 )を読み返そうと思っています。
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【 見えてきた危険な未来、急落する現場の士気 – 福島第一原発 】《第3回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14537
2013年10月24日
東京電力が日本政府に求めるのは、金を出すこと、口を出すことでは無い
国際社会への支援要請、東京電力にとっては単なるパフォーマンス
ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 10月15日
労働者不足、そして繰り返される事故という現実に直面し、東京電力にはこの数週間、海外の専門家による支援をもっと積極的に受け入れるよう圧力がかかっています。
10月の初め、安倍晋三首相は京都で開催された国際科学会議の席上、こう語りました。
「日本は、みなさんの専門的知識を必要としています。」
一見、福島第一原発の事故収束・廃炉作業を国際社会にオープンにしたとも取れるこの発言ですが、ロンドンに拠点を置き、環境中の放射性物質の問題などに関するコンサルタントを独自に行っているイアン・フェアリーは、日本はその基本姿勢を変えるつもりは無いと語りました。
「日本の原子力関係部局は、国際社会に対して支援を求めています。『これは深刻な危機です。問題の解決のため、支援をお願いします。』しかし東京電力と日本政府にはそんなつもりは無いはずです。
東京電力は自社の事故収束・廃炉作業の遂行能力に揺るぎない自信を持っており、たとえ解決に向け大きく前進できる技術であっても、それを外部から受け入れるつもりなどありません。
例えそれが日本政府の官僚によるものであっても、この点を譲るつもりはないのです。」
「東京電力は何もかも他人抜きでやる、そういう企業なのです。」と、最近14年間勤めた東京電力を辞めた吉川明宏氏がこう述べました。
「東京電力は政府が介入して来て、あれこれ指示をすることなど受け入れるつもりはありません。欲しいのは政府の資金だけなのです。」
吉川氏は事故直後は世間の批判に対して反発を覚えていた彼の同僚たちも、国内外からものすごい量の東京電力に対する批判が積み上がっていくのを見て、いつしか落胆を覚えるようになり、その結果若い社員たちは会社を去り、定年を控えた社員たちは早期退職の途を選ぶようになったと語りました。
「命がけで働いていた社員たちも、自分たちがまるでいじめられていように感じていました。」
「東京電力は技術的問題を解決することにばかり資金を集中させようとしていますが、現場で実際に作業を担当する人員も同様に大切なはずです。」
「私は、現場の作業員の不足について非常に心配しています。早くこの問題を何とかしないと、福島第一原発は施設の崩壊の前に、作業体制が崩壊することになるでしょう。」
下請け、孫請け会社によって日本全国から雇用され、福島第一原発の現場で危険で、文字通り骨の折れる作業を担当する数千人の非正規従業員にとって、もし致死量の放射線を浴びるようなことになった場合には相応の報酬を受け取ることが出来るだろうという思いは、ものの見事に裏切られることになりました。
宿泊設備に寝泊まりするための『経費』を差し引かれた後に、彼らの手元に残るのは一日あたり2〜3前円というのが相場です。
中には、零細な下請け企業が、そのまま受け取れば日給の半分程度の額になる危険手当をピンハネしていた例もありました。
この指摘に対し、下請け企業は事業を継続させるための運転資金が必要なのだと抗弁しました。
粗末な報酬は多くの作業員に福島第一原発の現場を去り、周辺地区の除染作業員として働く道を選ばせることになりました。
受け取る報酬は同額でも、放射線被ばくの危険性ははるかに低いのです。
「福島第一原発の現場作業を実際に行っているのは、汚れ仕事を担わされている下請け会社をつれた、大手ゼネコンなのです。」
吉川氏がこう指摘しました。
「彼らは談合して東京電力との契約金額を釣り上げる一方で、下請け企業への支払いはできるだけ少なく留めようとします。下請け企業は労働者には安い賃金しか支払えないのです。」
福島第一原発の南にあるかつてのサッカー総合運動施設、Jヴィレッジで暮らす東京電力作業員の生活環境は、最近になってやっと改善されました。
事故発生から約2年の間、Jヴィレッジの敷地に建てられたプレハブ方式の簡易宿舎では、夜間共同トイレに行くまで、数百メートルの距離を歩かなければなりませんでした。
事故を起こした経営陣の後任として社長に就任した広瀬尚美氏が、施設の不備が作業員たちが健康を損なう一因となっているとの専門家の指摘を受け、東京電力は今年になってやっと遅ればせながらも各部屋ごとにトイレを設備したのです。
「東京電力本社の役員たちの頭の中には、福島第一原発の現場の作業員がどういう暮らしを強いられているかということについて、どういう考えもほとんどありません。」
愛媛大学の谷川教授がこう語りました。
「被災者に対する補償をどうするかという事で彼らの頭の中はいっぱいになっており、補償がまだ済んでいない補償者への対応を怠ったとして追及される事態だけは避けようとしているのです。」
しかし、来月には着手予定の4号機の使用済み核燃料プールから1,300個の使用済み核燃料ユニットを取り出すという最も危険な作業を前に、果たして東京電力にはその作業を無事故で進める能力があるのかという、深刻な懸念が高まっています。
そうした中で、現在進行している作業員の危機的状況の問題はほとんど無視されたままです。
毎月一度現場を訪れ、作業員に服薬指導などの健康管理を行うチームを率いる防衛大学医学部の重村氏は、作業員が24時間利用できる産業カウンセリングの態勢が未だに福島第一原発内には整備されていない点を指摘しました。
「この事実に、私は驚かざるを得ません。」
「今、現場で働いている人々は、自身の健康について心配すると同時に、将来ここでの作業が原因で発病した際に、東京電力が補償に応じかどうかについても懸念しています。」
「彼らは自身の健康と命を危険にさらしているのです。しかし、数年の内には使い捨てられてしまうのではないか、その事を絶えず気に病んでいなければならないのです。」
〈 完 〉
http://www.theguardian.com/environment/2013/oct/15/fukushima-nuclear-power-plant-cleanup
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この記事を読んでいると、東京電力の現在の『低姿勢』は、ただひたすら世の批判をかわすための『擬態』に過ぎないのか、と思ってしまいます。
現場で懸命に危機と戦っている『人間たち』に、感謝も何も無い。
その事実が証明しているのではないでしょうか?
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【 福島第一原発の作業員、危険な状況と低過ぎる報酬を告発 】
ポーラ・ハンコックス / アメリカCNNニュース 10月21日
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