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被曝と健康14 (見解書−5) 自然放射線は「安全」か?  武田邦彦 
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/320.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 21 日 00:32:00: igsppGRN/E9PQ
 

被曝と健康14 (見解書−5) 自然放射線は「安全」か?
http://takedanet.com/2013/10/post_7779.html
平成25年10月20日 武田邦彦(中部大学)



藤井がんセンター部長の論理では「自然放射線と同等かそれ以下なら安全」という前提に基づいています。この前提は原発事故後、専門家も一般の人も、また自治体などもかなり強く言ったことですが、科学的には根拠がありません。被曝と健康に関する科学的な知見は、


1)100ミリシーベルトの被曝をすると「確定的に疾病」になる(その人が被曝したら、その人が発病する)、
2)100ミリシーベルト以下の場合、「確率的に疾病」になる(誰が病気になるかは判らないが、ある割合で病気になる人がでる)、
3)100ミリシーベルト以下は被曝量に比例して疾病が出る、
4)1年1ミリで10万人に5人が致命的ガン、1.3人が重篤な遺伝的障害になる。


ということだけです。このような知見の中で「自然放射線は人間に対して影響がない」という結果はありません。ばい菌の場合の「無菌室」とか重力の場合の「無重力状態」などと同じように「無被曝環境」というのを作ることが難しい事です。


かといって「自然のものは安全」という事もありません。それは生物の歴史が太陽からの「電磁波(放射線や紫外線)」との戦いだったという事からも判ります。地球上に生物が誕生した頃、まだオゾン層ができていなかったので、太陽(原子炉)からの放射線が直接、地表に降り注ぎ、生物はガンになって死にました。


紫外線は皮膚のメラニンである程度は防ぐことができますから、地表で紫外線の強い南洋では黒人が、北の国には白人というぐらい大きな変化があります。紫外線程度のものからガン(主として皮膚ガン)を防止するだけで、黒人と白人ぐらいの差をつけているのですから、「自然のものは安全」などととても言うことはできないのです。


放射線は世界中であまり変わりませんし、地域ごとのデータも不足しているのですが、紫外線やその他の自然条件と人間の防御を考えると、自然放射線の強い地方はそれに応じて、そこに住む人のガンに対する防御がされているはずです。


人工的な放射線と自然放射線は基本的には同じですから、1年1ミリで8000人がガンか遺伝子異常で死ぬとすると、自然放射線はその1.5倍ですから、12000人は自然放射線でガンか遺伝疾患になっているということになります。夏の海水浴で白い肌の女性はかなり皮膚ガンが発生しますが、「自然だから病気にならない」などいうことはありません。


「自然放射線だから大丈夫、自然放射線は1.5ミリだから、1.0ミリなら大丈夫」というようなことは、第一に自然放射線が安全だということではなく、第二に「並列に比較するのではなく、足し算するので、1.5ミリで安全でも、2.5ミリ(1.5+1.0)で安全というようなことは、科学的ではありませんが、なぜ、それを承知でがんセンター部長が発言されているかを考える必要があります。


この図は、世界の平均的な自然放射線と医療放射線の関係を示したもので、世界平均では自然放射線が高いので医療での被曝が少なくなっており、それに対して日本は自然放射線が少ないので、医療での被曝が多い傾向にあります。


いずれにしても基本的には、自然放射線、医療、原発からの放射線など、内部被曝ではある程度の影響の差がありますが、ほぼ同じと考えても良いでしょう。そして世界では1年3ミリですから日本の人口では約2万4000人がガンか遺伝疾患になり、日本では医療被曝が多いので、1年4ミリになって約2万8000人の発がんか遺伝疾患とされています。


このことは、医学界の重要な論文集(ランセット)にも載っているもので、被曝理由に関わらず、被曝を減らすことが大切であるということは世界共通の認識なのです。


この見解書(東葛6市)でがんセンター部長が「自然放射線より少ないので大丈夫」という論調であるのは実に不思議なことです。というのは、少し専門的になりますが、エネルギーを持つものは、電気、熱、酸、放射線などあらゆるものが、「示強性変数」と「示量性変数」に分けられ、電位、温度、pH, 波長などが示強性変数であり、電流、重量、容量、シーベルトなどが示量性変数です。


示強性変数は足し算をするのではなく、相互に比較するものですが、示量性変数は足し算をする必要があります。理科系の人でこのような学問の基礎を知らないと言うことになるとよほどサボってきたということを示しています。


その点では、藤井部長はもしかすると倫理観が不足しているのではなく、学力不足である可能性が高いとおもいます。つまり、具体的なこと(規制値など)は詳しくても、人体と放射線の影響、生物の進化、10億年前の生物の防御、示強性変数などの判断のもとになる知識を持っておられないと考えられます。


大変失礼な言い方ですが、専門家の中には細かい専門的知識はお持ちでも、その底に流れる基本的な学問を知らない場合が多いのです。それでも職場では狭い専門知識ですみますし、みんなが「専門家」というものですから、自分もごまかされているところがあります。


人体と放射線の「専門家」が必要なのは、具体的な規制値ではなく、基礎学問であることは言うまでもありません。ただ、新聞記者などが狭い知識だけを求めることに問題もあり、本人も錯覚しているのでしょう.私の分野のエネルギーや資源でもそのような専門家であふれています。


 

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コメント
 
01. 2013年10月21日 06:47:21 : 15MCMbSNJo
 既に出ている311放射能による犠牲者 厚生労働省人口動態を見る
平均寿命は伸びていても自然減(死亡と出生の差)が大きくなっている。統計対象は2009年度の調査では98歳以上の男性と103歳以上の女性に関するデータは取り除いている。
5月までのデータで
死者数が昨年同期が48122名、今期が143993名とざっと10万増えている。にも関わらず平均寿命が延びている。即ち平均寿命まわりの高齢者の死亡が著しく増えている。目を転じて各都道府県の死亡数をざっとみると東北関東の高汚染地帯が増えている。影響は既に出始めているのである。

02. 2013年10月21日 08:12:53 : 15MCMbSNJo
01 間違えてました。撤回します。

03. 2013年10月21日 08:29:33 : IsGoj6QKbs
>エネルギーを持つものは、電気、熱、酸、放射線などあらゆるものが、「示強性変数」と
>「示量性変数」に分けられ、電位、温度、pH, 波長などが示強性変数であり、
>電流、重量、容量、シーベルトなどが示量性変数です

ツイッターの武田教授発言BOTで上の部分が出てたけれど
これは、武田教授の早とちりなんではないのかな
シーベルト、グレイは「示強性変数」で、ベクレルが「示量性変数」だと思う
他にもレムもどちらかに入るんだろうけど

http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/07.html
シーベルト(Sv)とベクレル(Bq)
放射線による人体への影響度合いを表す単位を「シーベルト(Sv)」、
放射性物質が放射線を出す能力を表す単位を「ベクレル(Bq)」といいます。
ツイッターでまた誰かさんから嫌らしく突っ込みが入るかもなw


04. 2013年10月21日 09:29:32 : Ed81akWusc
>>03さん

シーベルトは、足し算できる単位だから示量変数でいいんじゃないでしょうか。
1円玉50円玉100円玉などのそれぞれの価値が示強変数
価値総量520円、100円玉もう一枚加えると620円というのは、示量性だからシーベルトは示量変数ということでいいのでは?


05. 2013年10月21日 12:18:26 : MUqkZBfVx9
-----紫外線やその他の自然条件と人間の防御を考えると、自然放射線の強い地方はそれに応じて、そこに住む人のガンに対する防御がされているはずです。

失礼ながら、雑な論理と言わざるを得ない。紫外線と自然放射線ではエネルギーの程度が大違い。
だから、単純に人間には自然放射線への適応があるとはいえない。質が決定的にちがうものを
同様とはいえない。

致命的ガンの発生率をICRPの基準にそって考えておられるようだが、原子力推進の学者以外では
その10倍に見積もる場合が多い。また内部被曝はICRPの数百倍以上に計算しなくてはならない
とする意見も多い。それと放射線の影響はバンダジェフスキー博士のいう心臓死の可能性、さらに
チェルノブイリエイズともいわれる万病のもととさえなることもこのブログでは忘れられている。


06. 2013年10月21日 13:37:28 : GI3wi9QQlk
ICRPよりきつい基準を出していることで有名な、欧州放射線リスク検討委員会(ECRR)は、外部被ばくに限リスク係数を2倍にとっている。10倍や数百倍とはしていない。
その、ICRPのLNTモデルの具体的数字は、1Svあたり5.5%
1mSvあたり5.5/1000 %、つまり10万人あたり5.5人のリスクを計算している。
ECRR基準では1mSvでは1万人あたり1人のリスクを取っている。
西洋では、1/1000が低リスクと考え、日本人は1/10000を万が一といって低リスクととらえている。数字を書くときのコンマの位取りが3桁と4桁になっている点の違いである。
自然放射線がちょうどそれくらいのリスクであるため、倍くらいになっても、目くじらを立てる必要は無いとなるのである。
なにせ、高線量の危険性は分かっているが、低線量の危険性は調べるのが困難で、未だに結論がでていないから。


07. 2013年10月21日 15:43:17 : hrxU8bIEAM
>低線量の危険性は調べるのが困難で、未だに結論がでていないから。

分かってないから安全だとはいえないわけで
使用済み核燃料の地下処理技術が確立してると言い切るのと同じで
低レベル被ばく問題を無いものと言い切ってしまうのは、
ほぼプロ原発と考えて間違いない
特に医療関係者がこれを述べ始めると、ほぼヤブ医者であって
長期にかかりつけになんてことになると、たとえガンでなくても
検査でガンにさせられることを想定して覚悟しないといけない

この点に関してガンセンターの重鎮でさえ怪しいと逆に武田先生は見切っているわけだ


08. 2013年10月21日 19:05:13 : GI3wi9QQlk
欧州放射線リスク検討委員会(ECRR)は1mSvあたり1/10000のリスクといっているわけで、リスクを多く考える場合はそれに基づいて考えれば良い。
分からんから危険というのは、素人考えである。ICRPにしろ、ECRRにしろ2倍くらいの誤差はどうってことない。分からんからこの程度の誤差はあるだろうということ。1/10000程度のリスクがあるといっているのであって、安全かどうかは考え方次第。
リスクがゼロで無いといやだという人は、特別な場所に特別な仕切りを作って住むしか無くなる。
1/10000のリスクは毎年自然放射線からも起こっているということ。それ自体もホントかどうか分からないということ。1/10000が2/10000になるだけの話。
0.0001が0.0002になるだけの話。
それに1億人を掛けて10000人が死ぬんだといって騒いでも仕方が無い。
1mSvくらいであればすぐに死ぬことは無く、それで死ぬ運命でもおそらく2、30年先のこと。
自分の予想は、20年くらいで、食道楽がたたって血管が詰まって心筋梗塞あたりで死にそうだ。これも放射線のせいにするのかな。造影すれば血管が詰まってるのは一目瞭然の気がしますけど。


09. 2013年10月21日 21:36:55 : RSQ0ppj2YM
>そして世界では1年3ミリですから日本の人口では約2万4000人がガンか遺伝疾患になり、日本では医療被曝が多いので、1年4ミリになって約2万8000人の発がんか遺伝疾患とされています。


ぷっ

放射能シーベルトは示量性変数だから、その影響はどこまでも足し算(比例算)だよってか?

第一、世界がこうだから∴日本ではこうという論法など成り立たないし、また世界のあちこちには恐ろしく自然放射線が強い地域もあるが、現在までの調査では発がん率は他地域と変わらない

高校生の夏休みレポートでもあるまいし、なんだこれ
全体がめちゃくちゃではないか


10. 2013年10月21日 23:27:47 : 6zkwHU15co
人類は数百万年かけて現実の放射線、つまり自然の放射線に対応して進化してきた。

それに先立つ数億年間、人類の先祖を含む動物は数億年をかけて放射線に対応してきた。それには自然放射線が徐々に減る期間待つことも含まれている。

突然人為的に急増した放射能線に対応することはまず不可能。


11. 爺さん 2013年10月22日 00:17:29 : pkMRoq8j2xu8g : tshj0Gv26k
参考資料
・・・・私は直接興味はありませんので、資料を出すだけです。質問にも答えません。
・・・嘘はいい加減にしましょう。
----------------------------------------

@高線量地域の人間は、放射線耐性が低線量地域の人間より進化している、と示唆する研究、イラン。

Very high background radiation areas of Ramsar, Iran: preliminary biological studies,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11769138

A自然背景放射線が発癌率を高めることを示唆した研究、その1、白血病・イギリス。

A record-based case-control study of natural background radiation and the incidence of childhood leukaemia and other cancers in Great Britain during 1980-2006,
http://www.nature.com/leu/journal/v27/n1/full/leu2012151a.html

B自然背景γ線が癌死亡率と相関していると示唆する研究、ドイツ・バヴアリア。

Background Radiation and Cancer Mortality in Bavaria: An Ecological Analysis,
http://www.alfred-koerblein.de/background/dowmloads/AEOH2006.pdf

Cナイジェリア

Assessment of health risk levels associated with terrestrial gamma radiation dose rates in Nigeria,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11488386

D日本 原爆被爆者の甲状腺癌と自然背景放射線。

Theproportion of thyroid cancers in the Japanese atomic bomb survivors associated with natural background radiation,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12375789
----------------------------------------
次は、この類の話がしばしば紹介されるサイト、

EDr Ian Fairlie,
Recent evidence on the risks of very low-level radiation,
http://www.ianfairlie.org/news/recent-evidence-on-the-risks-of-very-low-level-radiation/

FScience Daily,
Natural Exposure to Gamma Rays in Background Radiation Linked to Childhood Leukemia,
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/06/120618150045.htm
-------------------------------------

科学して対策なしに滅び行くお花畑のゆで蛙かな


 



12. 2013年10月22日 00:22:01 : tshj0Gv26k
だいぶリンクを打ち間違えたので、見たい人は論文名で検索してください。

13. 2013年10月22日 09:58:49 : lqOPOFnyLE
05、06、08、11など、とても参考になるコメントです。ありがとうございます。

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