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原発事故後3週間以内のWBC測定値が存在、35%が汚染(おしどりマコ)
http://no-border.asia/archives/15531
2013年10月19日 DAILY NOBORDER
2011年の原発事故後に、帰国した外国人の内部被ばくの測定データと詳細な行動記録が存在する。それを日本に提供する、という申し出がありながら、まだ実現していないという。筆者の取材メモからまとめる。
2013年1月27日に第2回国際シンポジウム「東京電力福島第一原子力発電所事故における初期内部被曝線量の再構築」が放射線総合医学研究所によって開催された。
これは平成24年度の原子力災害調査事業の一環で、資源エネルギー庁から1,200百万円、12億の予算が出ている。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/20121214_dai3-2-1-1.pdf
ちなみに事業の仕様書は下記。
http://www.enecho.meti.go.jp/info/tender/tenddata/1204/120416a/2.pdf
つまり、国の事業として放医研が行った事業なのである。
福島第一原発事故の際、ヨウ素131など、半減期が短い核種による被ばくは、過去にさかのぼっての測定が不可能なため、推定でしか評価できない。
しかし、その推定するための情報、測定値も十分なものでは無い。
よって、国が持つ測定値だけではなく、広く大学研究者や研究機関、様々な学会などに情報提供を呼びかけ、知見を集めていたのがこの「事故初期のヨウ素等短半減期核種による内部被ばくの線量評価調査」なのである。
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この第2回国際シンポジウムの最終ディスカッションで、非常に重要な情報が提供された。
筆者の取材メモから抜粋する。
(このシンポジウムは非常に取材が厳しく、指定された時間以外、撮影、録音は禁止である。第1回のシンポジウムでは、机にパソコンを置くことも禁じられた。)
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フランスの研究者
「フランスでは220人の日本から戻ってきた人を調査、測定。
280人、2011年日本から帰国した人の測定、35%の人が汚染。
(この人数の違いは不明、通訳の発言をそのままメモした)
ゲルマニウム検出器で測定。
ホールボディカウンティング、ゲルマニウム検出器2機で行う。
甲状腺の測定は1つのゲルマニウム検出器で、正面と頸部。
ほとんどの測定は事故の3週間以内。
汚染が確認された人たちは、大部分がヨウ素131。
セシウム134、セシウム137も20人検出。
テルル132、ヨウ素132も12人ほど検出。
線量評価を汚染が確認された人たちに行った。
線量評価は核種の元素としてヨウ素132を除いて行った。
日本から帰国したときヨウ素132に関してはテルル132と同じように減衰し、入っていないと考えたから。
東京にどれくらいいたか、時系列で事故のときから東京にいて、飛行機に乗るまでどういった行動をしたのか、聞き取り調査をした。
少数の測定値だが興味深いデータ。
ほかの短寿命の核種の寄与度も非常に需要。
線量再構築、推計に重要。」
スペインの研究者
「こちらでも再構築におけるものの情報は提供できる。
例えば他国でも帰国した者に同じようなアプローチをとっているところのデータなど。
それを精査して日本に提供できる。
これまで放射性物質の検出もすでにあった。」
これに対して、放医研の栗原氏はいい提案だ、ぜひ情報を提供して頂きたい、と応えている。
このディスカッションのまとめでも、日本側は
「今後、海外からのデータ、知見も加えて、短半減期核種の内部被ばくの再構築を進めていきたい」と閉めている。
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日本では事故直後に住民のホールボディカウンターによる内部被ばくの測定はほとんど行われていない。福島県民の測定が始まったのは5か月後からである。
数時間や数日で減衰する短半減期核種で被ばくしても、数か月後の測定では検出できない。
福島県飯舘村の住民団体『負げねど!飯舘』が、「飯舘村の子供達を原発事故の少なくとも3カ月以内にホールボディカウンターを受けさせてほしい」と2011年4月5月と精力的に活動し、あちこちに嘆願し、要望していたが、結局どの機関もどの省庁もホールボディカウンターでの測定を受け付けなかった。
「短半減期核種による子供達の被ばくが切り捨てられた」と2011年6月に『負げねど!飯舘』のメンバーが非常に落胆していたのを筆者は覚えている。
そして、半年ほどたってから住民へのホールボディカウンターの測定が始まり、「短半減期の核種が減衰して検出されなくなってから、ヨウ素131による被ばくが検出されなくなってから、測定を始めて、セシウムだけの評価で判断するなんて酷いじゃないか!」と、非常に悔しがっていたのも筆者は覚えている。
このように、原発事故直後の住民の短半減期核種の被ばくの測定が行われず、推定評価を出すにしても情報が乏しい現在、海外からの情報提供の申し出は非常に重要である。
しかし、現在、海外からの原発事故後の帰国者の測定データは日本に提供されていない。
エネルギー庁、つまり国の事業でのシンポジウムにおいて、海外からのこの情報提供の申し出を、どう扱っているのだろうか。
少なくとも、フランスの情報、200人以上のホールボディカウンターのデータ、
35%が汚染され、その大部分がヨウ素131での汚染、ほとんどが事故後3週間以内の測定値で、セシウム134、セシウム137も20人から検出、テルル132、ヨウ素132も12人ほど検出、という情報は非常に興味がある。
なぜなら、それは、福島ではなく、東京近郊にいた方々の測定値だからである。
飛行機に乗るまでの行動記録もあるというその情報を、我々日本人が知ることができる日はくるのであろうか。
【DNBオリジナル】
第1回国際シンポジウムは放医研で行われた。その際の写真であるが、非常に疲れていた筆者を掲載したいという撮影者おしどりケンの強い要望で載せる。
http://no-border.asia/wp-content/uploads/2013/10/4c39cfd07925f689911e3bb731030681-620x368.jpg
(撮影:おしどりケン)
【DNBオリジナル】
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