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福島第一原発3号炉の爆発は核爆発、その推論の一つの試み
3号炉爆発について、水素爆発だとか水蒸気爆発だとか、または核爆発だというように、いろいろな意見が出されている。そして、核爆発ではないかと言う意見に対して、どういった経緯で臨界に至ったのかの説明ができないので、核爆発と言う可能性は認めることが出来ないと言われている様子だ。
しかし、1号炉の爆発と3号炉のそれとは明らかに幾つかの点で異なる。1号炉では爆風が横方向に広がっているのに対し3号炉では鉛直上方に吹き上げている。1号炉の煙は白かったが3号炉のそれは黒かった。1号炉の最上階の鉄骨はきれいにそのまま残っていたが、3号炉のそれは飴のように曲がってた。1号機の爆発では見られなかった閃光が3号機の爆発では観察できる。
これらの事実をきれいに説明するのが核爆発説だ。少なくとも水蒸気爆発で鉄骨が飴のように曲がってしまうことは有り得ない。また、水素爆発なら煙が黒くなることは有り得ない。
10月7日に規制委員会で福島第一原発事故についての検討会が開かれ、3号機の爆発についても「3号機使用済燃料貯蔵プール内の臨界の可能性について」(http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/jiko_bunseki/data/0004_04.pdf)と言う文書が公開されている。この内容ははっきり言ってよく分からない。幾つかの理論が使われている様子だが、こういった理論的分析の結果は、明確に分かっている上の事実、つまり、映像記録として残っている3号機独特の爆発の様子をそもそも説明できていない。更に、この分析で決定的におかしな点は、プール内部の写真がもっと多く撮影できるはずであるのに、プールのごく一部の映像しか使われていないことだ。コンクリート瓦礫の落下により核燃料体を格納してあったラックの変形の可能性を検討しているが、可能性も何も、カメラでラックがどうなっているかを撮影してそれを検討すれば100%確実な事実が分かる。
今回の原発事故で何が起こったかはもっとずっと簡単に分かる。それは原子炉建屋の各部に据え付けてあった監視カメラ映像をチェックすることだ。プールの上部にも監視カメラは設置されていたはずで、東電が付けたカメラとIAEAが付けたカメラがあった。多分、原子炉建屋全体では10を超えたカメラが設置されていたはずで、これらのカメラはリアルタイム監視の必要から常時映像を外部へオンラインで送っていた。多分東電のカメラは東電本社へも映像を送っていたはずだし、少なくとも中央制御室や他の建物にデータサーバーがあってそこに映像記録として蓄えられていなければならない。IAEAのカメラは確実に原発敷地外へデータを送っていたはずであり、多分IAEAの本部(オーストリアのウィーン)と連絡室があるアメリカのニューヨークへはデータがリアルタイムで送られていたのは確実だ。こういった監視カメラはバックアップ電源も付いていて、事故後半日どころか数日間は十分に動いていたはず。
実際、2011年の夏の国会でも監視カメラのことが取り上げられていて、当時の担当大臣がIAEAに映像を提供できるかどうか聞いてみると答弁しているが、その後はまったく進展してない。仮に何らかの事情で映像が残っていないのであれば、はっきりとそう説明すればいいことだが、ただ単に監視カメラ映像のことが話題に上っていないだけだ。
4号機の爆発映像も確実にあるはずなのに一切公開されていない。事故直後の放射能の放出状況も隠ぺいされている。こういったことを総合的に考えると、例え3号機で核爆発が起こっていたとしても隠ぺいされているのだと思う。
ところで、3号機の核爆発について、かなり突飛な考えかも知れないが、次のような推理は可能ではないだろうか。まず、3号機の爆発映像(http://www.youtube.com/watch?v=OiZmLqWnjgc)をもう一度見ていただきたい。その上で、次の可能性を考えていただきたいと思う。(実際の推論は11から)
1.3号機の爆発は3月14日午前11時1分に起こったとされている。そして、その同じ14日の午後9時ごろ福島第一原発の正門で中性子線を検出したという。
2.1号機から3号機まで、かなり早い段階でメルトダウンしていた可能性がある。海外の報道には3月11日の事故当日の夜には三つの原子炉ともメルトダウンを起こしていたとするものもある。
3.3号炉の原子炉は運転中だった。だから、原子炉圧力容器や格納容器の蓋はちゃんとしまっていたはずだ。
4.3号炉はMOX燃料を一部装てんしていた。2010年8月に「燃料集合体全548体中148体を交換し、うち32体はMOX燃料」であったという。つまり、事故時にはMOX燃料は半年ほど燃えた状態だったということ。
5.爆発映像を見ると、まず閃光が見え、その次に低い位置に煙が見える。そして、その次に鉛直上方に高く黒煙が上がる。爆発音が3回聞こえる。
6.http://realtime.wsj.com/japan/2011/03/22/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%81%AE3%E5%8F%B7%E6%A9%9F%E3%81%AF%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB/に、3号機の爆発の一週間後である3月21日に3号機から立ち上る灰色(黒色とも見える)の煙の写真がある。電線の被覆のビニールが燃えた結果の煙という話しもある様子だが、かなり多量の煙であり、しかも事故後水で冷却がされてきたのだから、ビニール等の可燃物が燃えたというのは考えにくい。
7.仮に3号機の原子炉の燃料のメルトダウンが11日深夜に始まったとして爆発があった14日昼までには丸々二日間はあったことになる。そうであれば、核燃料のかなりの部分が溶けてメルトダウンしそれらが圧力容器の底を溶かして格納容器の底にたまっていたはずだ。
8.もし、ある程度の量の核燃料が液体の形でまとまればそこで一気に臨界に達し、連続核反応が始まる。
9.もともと、MOX燃料は通常のウラン燃料に比べて非常に発熱量が大きい。だから、きちんと制御棒が効いていてもある程度燃やした後のMOX燃料は燃料棒内部に発生した核分裂生成物の崩壊によって大量の熱を出している。
10.MOX燃料に使われているプルトニウムは通常の燃料のウランに比べて一回の分裂で出す中性子線が2割程度多い。
11.3月14日の午前11時1分の直前、格納容器の底に溶けて溜まった核燃料にはウランやプルトニウムが混ざっていて、地震の影響でそれらが揺さぶられ、一部が波立ち、結果的にそれが溶けた核燃料を一つのまとまりにさせ、臨界量を超えさせた。多分、臨界を超えたこの時に閃光が発生したはず。
12.臨界と同時に連続核分裂が始まる。一気に大量の熱が発生し、その熱で核燃料自体が蒸発し爆発に至る。これがウランやプルトニウムが燃えた黒い煙の正体ではないだろうか。
13.まず、格納容器内の圧力が急激に高まり、結果として格納容器内にある圧力容器が潰されて破壊される。これが一回目の爆発音。
14.圧力容器が爆発したのとほぼ同時に格納容器も破裂する。これが二回目の爆発音。
15.格納容器の底にたまった核燃料が臨界に達し、それが連続核分裂を起こした結果、大量の中性子線が周囲に出される。
16.その中性子線を原子炉のすぐ横にあるプール内の核燃料の一部、多分、原子炉側にあったものがあびて、それらが一気に分裂する。その結果、プールの一部で爆発が生じる。これが三回目の爆発音。
17.格納容器の底にたまった溶けた核燃料が起こした連続核分裂は最低限の臨界量で発生しているはず。だから、3号機の原子炉建屋全体を破壊するほどの爆発ではなかった。
18.プールでの核分裂は中性子線を側面から一気に浴びたためある程度大きな爆発になった。プールは上部が開いているため、上方へ爆発エネルギーが向かい、爆炎を鉛直上方へ吹き上げた。この時の熱量と直前の格納容器での爆発での熱量が合わさって原子炉建屋の上部の鉄骨を飴のように曲げた。
19.中性子の遮蔽は、普通、水で行っている。金属などではほとんど止めることが出来ないし、コンクリートも中に含まれる水分が減ればあまり遮蔽効果はない。14日の爆発の11時間ほど前に海水の注入を止めていた。だから、原子炉内にもプールにも水はほぼなかったはずで、原子炉内で発生した中性子がプール内の核燃料体にまで届いた可能性は高い。
20.3月21日の黒煙は格納容器の底に溶けてたまった核燃料が極小規模の連続核反応を起こしたり、もともと運転中に発生していた核分裂生成物の崩壊熱で高温になり、その結果ウランやプルトニウムが蒸発して黒煙となった。
以上、かなり異常な推論と思われるかもしれません。ただ、単なる水素爆発であれば、上に述べた閃光とか黒煙、上方への爆発、飴のように曲がった鉄骨などを説明できないと思います。規制委員会は、まず確定している事実をもとに、何が起こったかを推理していただきたいと思います。そして、事実を確定するためには監視カメラ映像を検証することが欠かせないのではないでしょうか。
参考リンク
福島3号機はプルサーマル;MOX燃料=プルトニウム
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10829758274.html
プルトニウム燃料の特徴 (04-09-01-09)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-09-01-09
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