http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/267.html
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福島第一原発の地盤が311後の地震でグチャグチャになっていることの意味
10月15日に福島県沖で地震が起きた。その地震で震度を記録したのは福島県郡山市湖南町だけで、かなり内陸の猪苗代湖のすぐそばだ。ちなみに湖南というのは猪苗代湖の南と言う意味と言う。
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20131015145857.html
発生時刻 2013年10月15日 14時58分頃
震源地 福島県沖
最大震度 震度1
位置 緯度 北緯 36.7度
経度 東経 142.1度
震源 マグニチュード M4.4
深さ 約10km
ほぼ同じような条件の地震がたまたま見つかった。
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20091204084100.html
発生時刻 2009年12月4日 8時41分頃
震源地 福島県沖
最大震度 震度1
位置 緯度 北緯 37.2度
経度 東経 142.2度
震源 マグニチュード M4.4
深さ 約10km
興味深いことに、2009年の方の地震でも福島県の海岸部は震度を記録していない。しかし、現実には福島第一原発などが立地している海岸部にも当然のことながら地震計が設置されていて震度が記録される。http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20080821085600.htmlの地震
発生時刻 2008年8月21日 8時56分頃
震源地 福島県沖
最大震度 震度1
位置 緯度 北緯 37.7度
経度 東経 141.9度
震源 マグニチュード M4.0
深さ 約30km
では多少条件が異なるが、福島第一原発のすぐ近くである楢葉町で震度1を記録している。
ともかく、10月15日の地震と2009年の地震を比べると、マグニチュードと東経、つまり、陸地からの距離がほぼ同じなのに、震度を記録した地点の数自体が全く異なる。15日の地震が1か所だけなのに、2009年の地震では18か所にもなっている。北緯が異なるので、陸域への影響が異なるのは当然だが、ここまで違っているのはやはり311の地震後2年以上にわたって相当な数起こっていた福島第一原発近郊での大小の地震の影響だろう。
マグニチュード別の活断層の大きさは次のようだという。
「おおまかに言うと、M8級の地震だと断層の大きさは百キロ×五十キロぐらい。それが約五メートルズレるの。M7級だったら三十キロ×十五キロぐらいの断層が約一・五メートルズレるわけ。M6級なら十キロ×五キロが五十センチズレるのね」
「わかった! M5の断層は三キロ×一・五キロで、十五センチほどズレるんですね。M4なら一キロ×五百メートルが五センチ、M3は三百メートル×百五十メートルが一・五センチぐらい! マグニチュードが大きいのは、広い面積が大きくずれたということか。揺れの範囲と激しさを示すんだ」 (http://www.tokyo-np.co.jp/feature/tohokujisin/archive/nissi/list/CK2012060202000159.html)
福島県浜通りを震源とする地震は震度を記録するものだけでも311後800回程度は起こってきている。しかも、311後の地震は正断層型、つまり、互いに引き離す力によって起こっているので、福島第一原発の地下は相当程度にスカスカになっているはず。上の引用によればM2でも断層の長さは100メートル程度にはなる。しかも、多くは震源深さが10キロ程度はあるので、相当深いところまで溝と言うか地盤の亀裂が連続していることになる。M5以上の地震は震災後15回起こっていて、その内2011年5月までに13回が起こり、今年の7月以降2回起こっている。
多分これが、最近になって福島第一原発の近くの海で放射能濃度が上がった理由だろう。「東電によると、1、2号機取水口間で採取した海水のセシウム137の濃度は、6月下旬から7月上旬ごろにかけては1リットル当たり10ベクレル前後だったが、10月に入ると同100ベクレル前後になった。また1〜4号機の取水口北側でも、セシウム137の海水濃度が上昇傾向にあった」(http://jp.wsj.com/article/JJ10971529810429934605218389372103391214279.html)という。「各建屋から西に80〜200メートル離れた敷地(標高35メートル)に、深さ32メートルの井戸を14本掘り、地下水をくみ上げ、地下水位を下げる」(http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120423-OYT1T01214.htm)ぐらいでは原発周辺の地下水を減らすことが出来ないほど原発周辺のかなり広い地域の地盤がスポンジのように水を含む状態になっているのだ。
ではなぜ10月15日の地震で猪苗代湖のすぐそばだけで震度を記録したのだろうか。猪苗代湖はすぐ横にある磐梯山の火砕流がその成立に関係しているという。つまり、磐梯山の岩盤が地下にあり、硬い地盤が地下に続いていて、それが地震の揺れを伝えているからだろう。ただ、どの程度磐梯山の岩盤と福島沖の10月15日の地震が起こった地域の岩盤が関連性があるのかはよく分からない。ともかく、浜通りの地盤が10月15日の地震震源域の地盤とつながっている程度よりも、猪苗代湖の周辺の地盤の方がより強く10月15日の地震震源域の地盤とつながっているということだと思う。
猪苗代湖よりも圧倒的に震源に近い海岸部で震度が記録されていないが、このことは地下水の流れとどんな関係があるのだろうか。福島第一原発で問題化している地下水は地下十メートル程度のところを流れている。三陸沿岸はほぼどこも地下20メートルから30メートル程度のところに厚さ数メートルの粘土層があり、その上を地下水が流れているという。ただ、地下水はこの粘土層の下にも存在している。粘土層の上の地層を第四紀層と言い、下側地層は第三紀層と言うそうだ。一般的に地下水利用は第三紀層からもされているという。また、福島県内に限れば、第四紀層の地下水は阿武隈高地から太平洋へ流出している。第三紀層の地下水がどう動いているかはよく分からない。自分としてはかなり沖合で太平洋へ湧き出しているのではと推測するが確証はない。
福島第一原発近隣で起こった多数の震度を記録した地震のほとんどは震源深さが10キロ程度だったようだ。第一の問題はこういった地震が第四紀層と第三紀層を隔てる粘土層に亀裂を発生させていないかだ。更に、そもそも、仮に亀裂が原発敷地内、特に原子炉建屋の地下にあるとして、建屋からの汚染水が第三紀層にまで到達することがあるのかと言う問題もある。そして、今後収束までに数十年は確実にかかるとされているが、その間に新たな亀裂が発生しないかと言うこともある。
また、仮に、原発敷地内に第三紀層とつながる亀裂が存在していれば、第三紀層から地下水が上昇してきて、せっかくの凍土壁が完成しても地下水流入の問題は改善しない可能性もある。
多分、一番根本的な解決につながるのは、原子炉建屋の地下をもう一度コンクリートなどで固めてしまうことだ。ただ、これも大工事で地下水が流入している状況で、かつ地下部分の放射能汚染もかなりある中で実施するのは不可能に近い。
なお、東電が事故直後に遮水壁工事を嫌がったことが今の汚染水問題の原因だと言われているが、事故直後はかなり大きな地震が頻発していて、原子炉建屋周辺の放射能も強かったので、取り組むのはかなり困難だったと思う。
第三紀層の地下水は福島県の範囲を超えて東北一帯から関東地方にまで広がっている様子なので、第三紀層にまで放射能汚染が拡大していないかをモニターすることが必要だと思う。ただ、下手に汚染水問題に手を付けずに、燃料棒取り出しに全精力を集中したほうが結局は早道ではないという気がする。
水で冷やすのではなくて空冷方式をとるべきだという話しもある。これがどの程度うまく行くかよく分からない。結局原子炉がどの程度壊れていて、メルトダウンした核燃料がどういう状況にあるかが分からないので判断のしようがないと思う。原子炉建屋の各部分に付けられていた監視カメラの映像を公開して、原子炉がどのような被害を受けたかを検討することをやらないとすべては闇夜の鉄砲のように効果がはっきりしないと思う。
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以下は参考記事など:
http://jp.wsj.com/article/JJ10971529810429934605218389372103391214279.html
2013年 10月 15日 22:30 JST 更新
汚染水対策「効果見えず」=海水の放射能濃度上昇―規制委
東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海に流出している問題で、原子力規制委員会の汚染水対策作業部会は15日、海水への影響を議論した。東電が示した一部の海水の放射性物質濃度データが上昇傾向にあることから、座長役の更田豊志委員は、東電が汚染地下水の流出を抑制するため護岸付近で行っているくみ上げや止水剤注入について「効果は海水側で見えないというのが結論」と述べた。
東電によると、1、2号機取水口間で採取した海水のセシウム137の濃度は、6月下旬から7月上旬ごろにかけては1リットル当たり10ベクレル前後だったが、10月に入ると同100ベクレル前後になった。また1〜4号機の取水口北側でも、セシウム137の海水濃度が上昇傾向にあった。
東電は1、2号機の護岸付近で地中を固める薬液を注入。さらに護岸より陸側で汚染された地下水をくみ上げ、約3000トンを2号機タービン建屋に移送している。
[時事通信社]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120423-OYT1T01214.htm
福島第一原発の山側に井戸、地下水流入を防止
東京電力は23日、福島第一原子力発電所の原子炉建屋やタービン建屋地下に地下水が流入するのを防ぐため、山側に井戸を掘って地下水をくみ上げる、と発表した。
各建屋から西に80〜200メートル離れた敷地(標高35メートル)に、深さ32メートルの井戸を14本掘り、地下水をくみ上げ、地下水位を下げる。それによって、建屋地下に流入する量が減るという。くみ上げる量は、水位を見ながら調整する。今夏から工事を始め、秋から運用の予定。
同原発では昨年の事故後、1日200〜400トンの地下水が建屋の地下に流入。放射性物質を含んだ高濃度汚染水と混ざり合っている。東電は昨年6月から、汚染水を浄化して原子炉の冷却用に再利用している。しかし、汚染水の量はなかなか減らず、現在も9万8000トンがたまっている。
(2012年4月23日20時28分 読売新聞)
福島県浜通りを震源とする地震情報(http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/entries_by_earthquake_center?earthquake_center_code=251&order=&desc=0&max_level=&p=1)を調べてみると、この地域で311後M5以上の地震は15回起こっていて、その内2011年5月までに13回が起こり、今年の7月以降2回起こっていることが分かる。以下はその地震のリスト:
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20130920022511.html
発生時刻 2013年9月20日 2時25分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5強
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.9
深さ 約20km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20130723120214.html
発生時刻 2013年7月23日 12時2分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度4
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.2
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110525053600.html
発生時刻 2011年5月25日 5時36分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5弱
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.9度
震源 マグニチュード M5.1
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110506020400.html
発生時刻 2011年5月6日 2時4分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5弱
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.9度
震源 マグニチュード M5.3
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110414120900.html
発生時刻 2011年4月14日 12時9分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度4
位置 緯度 北緯 37.0度
経度 東経 140.8度
震源 マグニチュード M5.5
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110413100800.html
発生時刻 2011年4月13日 10時8分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5弱
位置 緯度 北緯 36.9度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.8
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110412140700.html
発生時刻 2011年4月12日 14時7分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度6弱
位置 緯度 北緯 37.0度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M6.3
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110412005700.html
発生時刻 2011年4月12日 0時57分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度4
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.0
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110411180500.html
発生時刻 2011年4月11日 18時5分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度4
位置 緯度 北緯 37.0度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.2
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110411175800.html
発生時刻 2011年4月11日 17時58分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度4
位置 緯度 北緯 37.0度
経度 東経 140.6度
震源 マグニチュード M5.0
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110411172600.html
発生時刻 2011年4月11日 17時26分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5弱
位置 緯度 北緯 37.0度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M5.6
深さ ごく浅い
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110411171700.html
発生時刻 2011年4月11日 17時17分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5弱
位置 緯度 北緯 36.9度
経度 東経 140.8度
震源 マグニチュード M6.0
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110411171600.html
発生時刻 2011年4月11日 17時16分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度6弱
位置 緯度 北緯 36.9度
経度 東経 140.7度
震源 マグニチュード M7.1
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110323073600.html
発生時刻 2011年3月23日 7時36分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5強
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.8度
震源 マグニチュード M5.8
深さ 約10km
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20110323071200.html
発生時刻 2011年3月23日 7時12分頃
震源地 福島県浜通り
最大震度 震度5強
位置 緯度 北緯 37.1度
経度 東経 140.8度
震源 マグニチュード M6.0
深さ ごく浅い
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