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福島第一原発1号機のタービン建屋に隣接するCST(復水貯蔵タンク)の配管工事にあたる作業員=6月、福島県大熊町
作業員「線量パンクでポイ捨て」 福島第一、下がる士気
http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY201310130069.html?ref=com_top6_2nd
2013年10月13日19時15分 朝日新聞
【根岸拓朗、笠井哲也、岡本進、木村俊介】東京電力福島第一原発で9月以降、単純な作業ミスによるトラブルが続いている。放射線量の高い現場で働き、汚染水まで浴びた作業員もいる。ミスの背景に何があるのか。
「浴びちゃったな」「きょうも高かったな」
第一原発の出入り口「入退域管理棟」。その日の仕事を終えた作業員たちが、渡されたレシートのような紙を見てつぶやく。無言で数字を見つめる人もいる。
記された数字は、被曝(ひばく)量。1日で2ミリシーベルト近く被曝する作業員もいるという。一般の年間追加被曝限度の2倍近い。
建屋周辺は今も毎時100ミリシーベルト超の場所がざら。作業ごとに浴びる線量を想定して計画を立てて現場に向かうが、1年間の被曝限度50ミリシーベルトを超えると、その年は現場では働けなくなる。
「被曝線量がパンクすれば、ポイ捨てされるだけ」。10年以上、第一原発などの原発で働いてきた30代の男性は、そう自嘲する。
事故前は原子炉建屋内などの作業でチームの責任者も務めた。事故直後、避難先から志願して戻り、原子炉に水を入れるために建屋にホースを運んだ。被曝量が1時間で10ミリシーベルトを超え、「死ぬかと思った」こともある。
五輪に沸き返る東京の様子や、消費税増税がメディアをにぎわす一方で、第一原発の報道はトラブルばかりで、作業員の声はほとんど報じられない。被災地に著名人が慰問に訪れても、作業員には会わずに帰る。
「今は社会全体で応援してくれる空気が感じられない。モチベーションがどんどんなくなる」とぼやく。
入退域管理棟で働くベテランの男性は、汚染水絡みのトラブルが相次いだ夏ごろから、作業員の肌や下着の汚染が増えたと感じる。
防護服に全面マスクを身につけてはいるが、マスクを外す際に汚れた手袋で首筋に触れる人もいるという。「事故後にゼネコンが集めた作業員は経験も知識も浅く、防護服も上手に脱げない」
しかも、第一原発は通常の発電所と違い、がれき撤去やタンクの据え付けなどで少しずつ様子が変わっていく。事故前の作業経験が通用しない現場もあるという。
20代の男性作業員は、周りで除染の仕事に移る人が増えたと感じている。
国が進める除染では、日当とは別に1万円の「危険手当」が支払われる。この男性の日当は、事故の年は3万円近かったが、今は2万円を下回る。除染の賃金との差はほぼなくなった。「第一原発で浴びる線量は除染作業の数百倍になることもある。割に合わないと思う人が増えているんだろう」
休憩所には、仕切りもなく、床にマットを敷き雑魚寝するだけの場所もある。
高線量の被曝にポイ捨て。疎外感と士気の低下。割に合わない待遇……。厳しい労働環境の中、作業員の確保も容易ではない。
それでも第一原発に戻る人がいる。
30代男性は、母親から「何であんたが、あんなところで働き続けるのか」と言われた。覚悟の上だ。
1999年に茨城県で起きたJCOの臨界事故で大量の放射線を浴び、亡くなった人の画像をタブレット端末に入れて持ち歩いている。「こうなるかもしれないと考えながら働いてる」
地元で暮らし、第一原発で働いてきた。「この業界には『マイプラント意識』という言葉がある。お金の問題じゃない。俺らがやり続けなくちゃ」
経済産業省によると、10月は1日平均2400人の作業員が働く予定。約半数が地元雇用という。
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