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「秋場龍一のねごと」ブログ
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「汚染水はコントロールできないが、世論はコントロールする」これが金曜夜のNHKニュースを視聴した感想
11日、NHKニュースウォッチ9の「IAEA(国際原子力機関)の天野之弥事務局長インタビュー」は、まるで国際原子力ムラのPRショーだった。
番組ナレーションや男性キャスターの取材姿勢の、そのあまりの原子力ムラへのヨイショぶりに唖然としたのは、筆者だけではあるまい。
ここまで露骨にNHKがやるということは、安倍政権や内外の原子力推進派が、汚染水問題でかなり焦っているとみてまちがいないだろう。
汚染水はコントロールできないけど、世論は何が何でもコントロールする――。
そんな政府と原子力ムラの腹黒い意図を感じる。
そしてNHKもその「意図」に一役買っている、と確信した。
このインタビューの冒頭、女性キャスターがIAEAを「核の番人」と紹介。IAEAが原子力利権の推進団体であることは、すくなくとも世界の真っ当なジャーナリズムの常識である。それをしらじらしく第三者的機関を装う「核の番人」だなんて、よく言うよな。
「着実に原子力は増え続けるというのが世界のすう勢、今後20年くらいの間、引き続き原子力は使われていく」
「(原発は今後)低い見通しで(現状の)2割増、高い見通しだと9割増」
「福島の経験を過去の否定的なものと見ないで、そこから学べば将来の事故を防止できる」
以上のこのような天野事務局長の発言をもってインタビューは終わる。
原発が増えるのは「世界のすう勢」ではなく、国際原子力ムラの「単なる願望」にすぎない。
人類史上未曽有の大惨事である福島原発事故を「否定的に見ない」って、巧妙な言語印象トリックである。
こうやって放送内容を文章化して理路をたどると、その巧妙なトリック、印象操作が露顕されるのだが、テレビ放送で映像と音声で流されると、ものごとの理(ことわり)よりも印象のほうが脳裏に焼きついてしまうのだ。
「福島の事故を教訓にしたので、もうあんな巨大事故は起こらないし、原発はこれからも世界中でどんどん増えていく」――みたいに印象づけされるのである。
そうは、かならずしも断言していないのだけど、そういうようなイメージが残ってしまうのだ。
NHKはドキュメンタリーでジャーナリズムの本領を発揮することもあるが、朝の情報バラエティやニュース番組では、明確に「原発推進」「放射能汚染大丈夫」路線をとる。
おそらくこれから当分、NHKはこのスタンスで生き延びようとするんだろうな……。
参考映像 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131011/t10015231091000.html
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