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被曝と健康9 (一般編−1)外部被曝
http://takedanet.com/2013/10/post_c54f.html
平成25年10月8日 武田邦彦(中部大学)
音声解説
http://takedanet.com/files/hibakuippan01tdyno.399-(14%EF%BC%9A32).mp3
主として専門家や医療関係者がすべきだったことを中心に「被曝と医療」を8回に分けて整理をしてきた。次に、「一般人の被曝の危険」について、2年半を経た今になってどうなっているのか、事故直後から何が変わっているのかを基礎からシッカリと整理して行きたい。
事故直後は、爆発の次に何が起こるかは明確ではなかったし、また、危険を避けなければならなかったし、時間の不足していて、「とにかく避ける」ことをしなければならなかった。でも、今はやや一段落して、「今後10年」というような長期間のことを考える時でもある。
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まず、混乱している「自然放射線」と「現在の福島からの被曝」について整理をしてみたい。
私たちが自然から受ける被曝は、この放射線医学総合研究所が事故の前の平成19年に出したものが参考になるだろう。福島事故の後は、政治的に混乱して専門家までが御用学者になったので、いい加減な図が氾濫しているから、事故前のものが正確だ。
自然からの被曝はまず、1)外部被曝(地面から0.38ミリシーベルト(年)、宇宙から0.29ミリシーベルト(年)、2)内部被曝(大気中のもの0.41ミリ、食材から0.40ミリ(この後、特に断らない限り「ミリ」と書いたらミリシーベルト(1年)、「マイクロ」としたらマイクロシーベルト(1時間)とする)だ。
まず、外部被曝の場合、放射線の種類は、アルファ線、β線、ガンマ線、中性子線などがあるけれど、日常的な危険性を考える時には、ガンマ線として考えて良いし、測定もガンマ線を測定することがほとんどである。
また、測定値は1時間あたりなので、1年が365日、24時間で365×24時間=8760時間だから、たとえば地面からの0.38ミリ(年)は380マイクロ(1時間)だから、380を8760で割ると0.043マイクロとなる。
一方、宇宙線は全体としては地面からの被曝と同じぐらいあるけれど、中性子線が多く、ガンマ線は全体が0.04マイクロの時に、0.002マイクロ程度だ。だから、宇宙線からのガンマ線を加えても、平均として0.043 + 0.002 = 0.045 とあまり変わらない。
実際に、地球表面で測定された日本列島の放射線のデータを見ると、関西や山地で高い場所があるが、関東や東北では0.04マイクロ程度以下である。岩手から北海道にかけては0.01から0.02マイクロとさらに低いところが多いことがわかる。
そこで、線量計で測定してたとえば0.10マイクロ(毎時)となった場合、0.10−0.04=0.06が自然放射線を差し引いた「福島からの放射性物質による被曝」ということになり、これに8760時間を掛けるから1年では0.53ミリの被曝をすることになる。
全体を整理しないと個別には決められないけれど、たとえば、1年1ミリの被曝限度は外部被曝も内部被曝も含んだ値なので(外部から0.3、食材から0.3、呼吸で0.3、水0.1)とすると、測定値が0.10マイクロの場所では外部被曝の限度を超える可能性が高いことが判る。
次回に異論・反論の整理をしてから、内部被曝に進もうと思う。
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