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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131008-00000003-sasahi-soci
週刊朝日 2013年10月11日号
福島第一原発は事故から2年半以上過ぎたいまも、汚染水が海に流れ出すなど事態は深刻なままだ。グレゴリー・ヤツコ氏は事故当時、米原子力規制委員(NRC)の委員長だ。米ネバダ州に使用済み核燃料の最終処分場を建設する計画に反対した上院議員の政策アドバイザーを務めたこともある。事故後のアメリカの原発事情を次のように語る。
* * *
長年、原発の新規建設がなかったのは、高いコストをかけてまで原発を建設する妥当性を見極めることが難しかったからです。ジョージア州の認可にあたっては、他の4人の委員と協議を重ねるなかで、「福島の教訓を生かした新しい安全対策を実施するまで、認可してはいけないのではないか」と話しました。
しかし、4人の同意を得ることはできませんでした。
NRCは福島の事故後、特別チームを編成し、原発の安全強化策を検討しました。11年7月、複数の原子炉で同時に非常事態が起こる可能性を考慮する必要性など12項目の勧告を盛り込んだ報告書をまとめました。
ただ、ジョージア州の原発を認可した当時、その対策を実施できる段階には至っていなかったのです。
日本では地震があり、米国でも竜巻などの自然災害が数多く起こっています。こうした自然災害によって原発で事故が起こった場合、どんなリスクがあるかを正しく理解する。そして、事故が起きないような原発にする――これが福島の事故から我々が絶対に学ばなければならない教訓でした。
しかし、原子力業界から聞こえてきたのは残念ながら、「たしかにフクシマではあれほどの過酷事故が起きた。でも、それは地震国という日本独自の問題で、米国には関係ないのではないか」という声でした。
しかし、米国でも比較的小さな地震によって原発が緊急停止したことがあります。外部からの電力供給が途絶え、非常用ディーゼル発電機で原子炉を冷却するなどのトラブルが実際に起きているのです。地震に対する備えは十分ではないのです。
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