http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/894.html
Tweet |
被曝と健康、医療をもう一度、考える 5.事故時に許される被曝限度
http://takedanet.com/2013/10/post_40ca.html
平成25年10月5日 武田邦彦(中部大学)
人間の行うことは完全ではない。従って、事故時の被曝限度については国際的にも古くから研究されている.
基本的な概念図がこれで、平時は1年1ミリシーベルト(横軸)であるが、1000年から1万年に一度程度の頻度で起こる事故では最大で10ミリシーベルト程度、さらに頻度の少ない場合は100ミリシーベルトまで許容するという事になっている。
現実的には、3000年後には氷期が訪れて現在の人類(ホモサピエンス)の絶滅が予想されていることから、限度は10ミリシーベルトと受け止められていた.
このような臨時の被曝量は、被曝する人口、損傷する遺伝子の数、その集団的回復の推定などから出されている.すなわち、集団の被曝によってガンの発生ばかりではなく、遺伝性の欠陥が発生することが予想され、それが集団として回復する年限なども考慮されている.そして、このような基本的関係に基づいて各国の「事故時の規制」が決められていた.
http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/10/05/bandicam_20131003_101234984.jpg
ここに示した文章で判るように、世界ではおおよそ「5ミリまでは良いが、平均が1年1ミリ以下になるように」としており、日本では原発の安全評価について、平成2年に原子力安全委員会が「一つの事故で5ミリまで被曝しても良い、5年間にわたる平均が1年1ミリに収まっていればリスクは少ない」として、具体的に1年5ミリまでという事故時の線量限界を示していた.
これと並行して、一般的には「きわめて希に起こる事故については、一事故あたり5ミリを限度とする」という指針も出されており、最大で1年5ミリ以上の基準が日本で示されたことはない.
また、被曝量と共に、被曝の結果として生じるガンについても指針が示されていた。
http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/10/05/bandicam_20131003_101238739.jpg
基本的な概念は原発敷地の最も近くに居住している人の被曝による平均急性死亡リスクを「100万分の1(100万人に一人)以下にするようにしており、具体的には急性死亡リスクを不慮の事故による死亡率の0.3%程度、ガン死亡リスクの0.05%(1万分の5)とするようにしていた。
ガンの死亡リスクは日本人全体で年間50万人だから、その0.05%というのは、たとえば10万人が被曝したら、0.2人ということになる。
事故前のこのような基準が厳しいか緩いかは、「個人に出現する疾病」と「集団の被曝の被害」の両者を見ている事による。また、かなり大きな集団での確率的な疾病の発生について検討されていることから、個別の医師の経験(1000人ぐらい医療被曝をさせたが、危険性は感じられなかったという類い)は概念が少し異なることにも注意が必要である.
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。