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人生を徹底的に破壊される、あなたはその苦しみを想像することが出来ますか?
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2013年10月6日 星の金貨プロジェクト
福島第一原子力発電所事故の被災者、決して終わる事の無い苦しみ
昨日も、今日も、そして明日も、希望の見えない暮らし
ダミール・サルゴジュ / ロイター通信 / アメリカNBCニュース 10月3日
2013年9月、カメラマンのダミール・サルゴジュは福島第一原子力発電所の周囲の避難区域に入り、打ち捨てられた町や村を見て回りました。
そして2011年3月11日の災害によって、徹底的に、最早取り返しのつかないまでに人生を壊されてしまった人々に出会いました。
福島第一原発の周囲の避難区域、そこで彼は無音のホラー映画のように不気味な場面に遭遇しました。
ところが破壊と死、そして不気味な静寂ばかりのその場所で、ダミールはひとりの男性に出会ったのです。
その男性はそこで、避難命令を無視して暮らしていました。
58歳の坂本圭吾さんはかつて農民であり、そして障害者の介護をしていました。
彼は一部の人からは狂人扱いされ、別の人々からは英雄扱いされています。
彼はこの場所から退去することを拒否し、動物たちの世話をすることを自らの使命としています。
彼は人っ子一人いない避難区域の中を危険を冒しながら探し回り、自らのノアの方舟の中に次々と動物たちを保護して行きました。
犬、猫、ウサギ、鶏、中にはマーモットさえ ― 彼らは皆、所有者の避難によって捨てられてしまった生き物たちでした。
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坂本さんは楢葉町近くの山地にある牧場で500匹ほどの動物たちと一緒に暮らしていますが、その様子についてサルゴジュは、現代の日本というよりは、実験的劇場の中にいるようだと語りました。
坂本さんが保護する以前に、犬たちは長期間放置されていたために野生に帰ってしまったものが数多くいました。
そのため、坂本さんがいる場所は非常に騒がしい劇場でもあります。
その事実を証明して見せるかのように、一匹の犬が通りかかったサルゴジュに思い切り噛みつきました。
「周囲には全く人がいません。」
坂本さんがこう語りました。
「私はこの場所のたった一人の住人です。まあ、でも何とか暮らしています。」
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彼が保護している21匹の犬たちのうち、2匹だけが彼になついています。
一匹は白毛のなんともかわいらしい、アトムという名の犬です。
福島第一原発の事故の直前に生まれたため、この名がつけられました。
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※ 英文からの翻訳のため、人名表記に誤りがある可能性があります。ご容赦ください。
義理の父親が自殺した部屋で、遺影を抱えて立つ大久保美枝子さん。
義理の父大久保文夫さんの上着が、壁にかかったままになっています。
農家を営んでいた102歳の文夫さんは、住んでいた飯舘村の自宅から避難するよう命令を受けた後、人生のすべての時間を過ごしてきたこの部屋で首を吊り、自らの手でその人生を終わらせたのです。
美枝子さんは文夫さんが飼っていた犬に食事を与え、家を片付けるために一日おきにここにやってきます。
文夫さんはここ以外の場所で人生を終えることを拒否し、自ら命を絶った、美枝子さんがそう話してくれました。
(写真下・以下同じ)
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住民が誰もいない浪江町のこの場所で、夜になると自動的に街頭に明かりが灯ります。
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浪江町の墓地で、破壊されてしまった先祖代々の墓にもたれかかる高齢の女性。
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すっかり変形してしまった時計、クモの巣、そして残骸。福島第一原発から6キロほどの場所にある浪江町の小学校。
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原田のぼるさんとなが子さん夫婦は、浪江町で自分たちが飼っていた30頭の牛たちの世話をするため、毎日この場所にやってきます。牛たちの放射線量は高く、商品価値はありません。
「この牛たちは私たちにとっては、家族同然です。殺してしまうことなどできません。どうしたらよいのか、見当もつきません。」
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配達されず、そのまま放置されている2011年3月12日付けの福島民報。
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津波の被害によって命を落とした人々のための、浪江町の小さな慰霊碑。
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福島第一原発の南にあるいわき市のホテルで、接客をするフロントの女性たち。カウンターの上にはその日の放射線量が大きく表示されています。
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富岡町から避難し、仮設住宅で暮らす斎野香澄さんが飼い犬と一緒に散歩している様子。
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通過する列車も無く、雑草で覆われてしまった浪江町の線路
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捨てられた民家のリビングルームからの眺め
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かつて経営していた菓子店の奥から、ネズミの死がいを運び出す永岡善十郎さんと妻のさと子さん。
永岡さん夫婦は、年に数回だけ許可される自宅訪問の際、できるだけ店と自宅を清潔にするため、懸命の作業をしていました。
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浪江町南津島地区で、放射能を計測する線量計を身に着けた僧侶がこじんまりと葬儀を営んでいました。
亡くなった菅野やつのさんは避難先の仮設住宅で、満100歳を迎える直前の2013年5月、ひっそりと息を引き取りました。
彼女は亡くなってやっと、故郷の町に戻ることが出来たのです。
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いわき市で甲状腺の検査を受ける4歳の坂本まりあさん。
この検査は福島第一原発周辺の市町村で、NPO法人が無料で行っているものです。
甲状腺がんは本来きわめて稀な病気で、その発症率は100万人に1人といわれていますが、国際保健機構(WHO)は、原子力発電所事故が発生した地域での、甲状腺がん多発の可能性について警告しています。
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http://www.nbcnews.com/id/53174408/displaymode/1247?beginSlide=1
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私はこの子供たちが甲状腺がんの検査を受けさせられている写真を見る度、胃がきりきりとなり、涙がにじみます。
もちろん、そのあまりの理不尽さに対してです。
それがこの【星の金貨】を続けている原動力なのかもしれません。
子どもたちの中には、幼いと言えど恐怖があるはずです。
そしてそうした恐怖からは、子供たちは本来自由であるべきだと私は信じています。
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【星の金貨】では今日ご掲載できなかった写真は、解説文を翻訳の上、10月10日からご紹介する予定です。
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