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2013年10月 3日 植草一秀の『知られざる真実』
9月28日午後11時からNHK教育テレビがETV特集として、
『海の放射能に立ち向かった日本人〜ビキニ事件と俊鶻丸(しゅんこつまる)〜』
と題する番組を放送した。
NHKに残されるわずかな良心がこのような番組を制作したのだと思われるが、福島の放射能海洋汚染の現実が広がるなかで、全国民必見の番組である。
10月4日(金)の深夜、午前0時45分から再放送される。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/0928.html
NHKのウェブサイトから番組案内を転載させていただく。
「1954年3月1日、アメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験で、日本のマグロはえ縄漁船・第五福竜丸が被ばくしました。被害は水産物にも及び、日本各地の港では放射性物質に汚染されたマグロが相次いで水揚げされます。しかし、核実験を行ったアメリカは、放射性物質は海水で薄まるためすぐに無害になる、と主張しました。
このとき、日本独自に海の放射能汚染の実態を解明しようという一大プロジェクトが始動します。水産庁が呼びかけて、海洋や大気、放射線の分野で活躍する第一線の専門家が結集、「顧問団」と呼ばれる科学者たちのチームが作られました。
そして水爆実験から2か月後、顧問団が選んだ若き科学者22人を乗せた調査船・俊鶻丸がビキニの実験場に向けて出発します。2か月に渡る調査の結果、海の放射能汚染はそう簡単には薄まらないこと、放射性物質が食物連鎖を通じてマグロの体内に蓄積されることが世界で初めて明らかになりました。
俊鶻丸「顧問団」の中心的な存在だった気象研究所の三宅泰雄さんは、その後も大気や海洋の放射能汚染の調査・研究を続けます。原子力発電所が次々と作られていく中で、三宅さんをはじめとする科学者たちは、大きな原発事故にも対応できる環境放射能の横断的な研究体制を作るべきだと声を上げます。
しかし、それは実現しないまま、2011年3月11日、福島第一原発の事故により、再び放射性物質で海が汚染されました。
ビキニ事件当時、日本の科学者たちが行った調査から、今私たちは何を学ぶことができるのでしょうか。俊鶻丸に乗り込んだ科学者の証言や、調査を記録した映像などから描きます。」
放射性物質が海洋に廃棄された際の水産物等に与える影響について、政府は、
「放射性物質は海水で薄まるためすぐに無害になる」
との説明を続けている。
東京電力福島第一原子力発電所からは、放射性物質に汚染された汚染水が毎日大量に海洋流出している。
安倍首相は、放射能汚染水は福島第一原発の港湾0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされていると述べたが、この発言は虚偽である。
港湾0.3平方キロと海洋は完全に遮蔽されているわけではないから、当然、汚染水は海洋にも流出している。
NHKのETV特集が明らかにした事実を私たちは確認する必要がある。
俊鶻丸の調査、ならびにその後の海洋調査等によって、重大な二つの事実が明らかにされた。
第一は、放射性物質の海洋汚染そのものは、海水により撹拌、希薄化するが、海洋生物に対する放射能汚染は、まったく異なる経路をたどること。
放射性物質をプランクトンが吸収し、このプランクトンを摂取するイカなどの生物がこれを吸収して蓄積する。
イカなどを摂取するマグロなどが、食物連鎖を通じて放射性物質を吸収し内臓などに蓄積する。
この結果、高濃度に濃縮された放射性物質が水産生物体内に直積されるのである。
これらの海産物を人間が摂取すれば、当然のことながら内部被曝が発生する。
第二のポイントは、海洋に流出した放射性物質は、海流の循環により、特定の海域、潮流内で、循環することが確認された。
広い海洋にまんべんなく撹拌するのではなく、高濃度の汚染水が特定の海域の特定の潮流循環のなかに、長期間残留することが確認された。その分布は海洋の表面域だけではなく、海水表面からの深度がある海域にも残留するのである。
福島第一原発から大量の放射性物質が放出された。
福島第一原発は海岸に隣接して設置されている。
しかも、陸地の東側に立地している。
日本は偏西風帯に位置しているため、原発から放出された放射性物質の大半は海洋側に放出された。
さらに、原発地下には大量の地下水が流れている。
福島原発の核燃料はメルトダウンを起こし、圧力容器下部に落下して、圧力容器を溶融して格納容器下部に落下した。
格納容器も鋼鉄で作られているため、核燃料の熱によって溶融され、格納容器も溶融したと見られている。
その結果、核燃料そのものが原子炉下部から外部に落下したと考えられている。
この核燃料が地下水と接触すれば、さらに高濃度の汚染水が海洋に大量流出することになる。
水産生物は、俊鶻丸調査によって明らかにされたように、海流によってではなく、「食物連鎖」によって、放射能汚染を広げてゆくのである。
福島第一原発の放射能汚染水を吸収したプランクトンを海洋生物が摂取し、それを回遊魚等が摂取すると、回遊魚等の内臓などに、放射性物質が生物濃縮されて蓄積されてゆく。
この水産物を人間が摂取すれば、重大な内部被曝を起こすことが予想されるのである。
この問題に対する万全の調査体制は確立されていない。
極めて深刻な事態が広がっているのである。
海の放射能に立ち向かった日本人 〜ビキニ事件と俊鶻丸(しゅんこつまる)〜/NHK・ETV特集
海の放射能に立ち向かった日本人 投稿者 tvpickup
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