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★孫崎享氏の視点ー<2013/09/30>★ :本音言いまっせー!
今、原発の再稼働に向けての動きが急である。
「再稼働はありえない」と思っている浜岡原発ですら、
28日読売は「中部電力は、浜岡原発電で建設中の防波壁を
22メートルにかさ上げ工事を始めたと発表」し、福島原発事故を
津波とみなし、津波対策で再稼働をしようとしている。
この点に関し2つ指摘したい。
第一に福島原発が如何なる原因で事故に遭ったかの調査を何ら行う
ことなく、新しい基準をもうけ再開どうしようとする安全委員会の
無責任さである。
福島原発一号機は安全委員会の人の内部での現場検証はまだないはず
である。東電関係者以外で中に入った川内元衆議院議員は、津波だけ
でなく地震で事故が起こったと推定すされる写真を撮ってきた。
しかし、東京新聞を除き、他の報道機関はどこも報じていない。
次いで理論的面である。さまざまな人が指摘している。
私は石橋克彦神戸大学教授(当時)の発言に注目している。
私の『これから世界はどうなるか』から引用したい。
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私たちは原子力発電所の危険について、あまりにも無知だったのです。
でも、福島第一原子力発電所の事故以前でも、我々が目を開けていれば、
原子力発電所の危険を説く声は存在していたのです。
例えば、高い評価を受けた本に、2000年刊行の高木仁三郎
『原子力神話からの解放』(光文社、現在は講談社+α文庫)があります。
ここでは「『原子力は安全』という神話」から脱して、
「『原子力事故は必ず起こる』ことを前提に」と主張しています。
その後、国の中心でも原子力発電所の危険性が議論されました。
国政の中心中の中心である衆議院予算委員会です。2005年2月23日、
石橋克彦神戸大学教授は、衆議院予算委員会公聴会で
「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」という論を展開しました。
議事録から、主な論点を見てみたいと思います。
「日本列島の大地震の起こり方にはですね、活動期と静穏期というのが
認められます」
「現在、日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある、
ということはほとんどの地震学者が共通に考えております」
「(大地震の際には)大津波が生ずる訳です。海岸の地形や何かによっては
インド洋の大津波(マグニチュード9を記録した2004年12月の
スマトラ沖地震)に匹敵するようなことが起こる場所もあるかも
しれません」「日本の場合、53基の原子炉が今ありますが、地震には
絶対安全だということになっております」
「アメリカでは地震現象というのは、原子力発電所にとって一番恐ろしい
外的要因であるというふうに考えられております。と言いますのはですね、
普通、原発の事故というのは単一要因故障といって、どこか一つが壊れる。
で、その場合は多重防護システム、あるいはバックアップシステム、
安全装置が働いて、大丈夫なようになるというふうに作られているわけ
ですけども、地震の場合は複数の要因の故障といって、いろんなところが
振動でやられるわけですから、それらが複合して、多重防護システムが
働かなくなるとか、安全装置が働かなくなるとかで、それが最悪の
場合にはいわゆるシビアアクシデント、過酷事故という炉心溶融とか
核暴走とかいうことにつながりかねない訳であります」
石橋教授は炉心溶融の危険を警告していました。
そして、福島第一原子力発電所の事故で現実に起こったのです。
でも、石橋教授の議論を知っている人はほとんどいませんでした。
日本のマスコミは報じなかったのです。原子力は安全だという報道に
終始してきました。
福島原子力発電所の事故の後、報道はどうなったでしょうか。
石橋教授の、地震では「多重防護システムが働かなくなり、炉心溶融に
つながりかねない」という論点は真剣に議論されたでしょうか。
されませんでした。
福島第一原子力発電所の事故原因は、頑なに「想定外の津波」です。
「津波ではなく地震が事故原因である」ということになると、日本全国に
ある原子力発電所は廃炉にせざるをえなくなるかもしれません。
それで「想定外の津波」だけが原因として繰り返されました。
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地震と原発の論議はほとんど議論されていません。
津波対策と、活断層の有無だけの論議と対策で再稼働を実現しようと
している。
関係者の責任は甚大である。
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