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2013/9/28 晴耕雨読
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以下、連投。
これより、9月20日(金)に行われた岩上安身による立命館大学特任教授、山田廣成氏インタビューの報告ツイートを開始します。
福島第一原発の汚染水問題、事故の収束方法について、詳しくお話をうかがいます。
岩上「福島第一原発の汚染水問題。水を使って冷却し、冷やして閉じ込めるというやり方自体が正しかったのか。汚染水が大量にたまったあげく、海に捨てなければならないんじゃないかと。東電も政府も海に捨てるのは当然という気でいるようですが」
岩上「山田先生は2011年3.11の3ヶ月後には事故を収束する方法について提案されていた。鉛を使ったらいいんじゃないかと。鉛を使って封じ込めるというのはチョコレートソースでコーティングするイメージしかないのですが、どのようにするのか」
山田氏「水で冷やすのが常識と言えば常識だと原子炉工学の方々は思ってらしたが、福島にあるのは原子炉でもなんでもなくなってしまっている。原点に戻って考え直してみたほうがいいと(提言した2011年)6月17日の少し前から考えていた」
山田氏「水で冷却して、いいねという雰囲気になっていたが、心配していた。水で冷やしたら核物質、廃棄物が水と一緒に外に出て拡散しているということ。放射能は格納容器の中にあればいいのに、それを取り除くことをして外に出している」
岩上「冷却水を循環させて吸着させて浄化させることを当たり前のように思っていましたが、そうではないと」
山田氏「原点に戻ったら、何のためにそれをやるのかということ。冷却水のパイプから漏れることは当然ある。さらに地下水が汚染されていると」
岩上「なぜ冷却水を浄化しながら回そうと思ったんですかね」
山田氏「東電は取り出してそれを何か利用しようと思っているのかなと。できれば再利用しようと思っていたのではないか。事故を軽くみている。当時収束宣言があったが、とても収束していない」
岩上「当時IWJは東電、保安院の24時間体制の会見を中継し続けて、今も東電会見を中継し続けています。会見では『メルトダウンはしていない』と言い張っていた。メルトダウン、メルトスルーを前提に考えていれば、こういうやり方をしなかったのでは」
山田氏「そうですね。それから東電はルーチンワークで運転維持をする管理集団なので、緊急時対応の教育を受けてないのではないか。スリーマイル、チェルノブイリよりも過酷な事故の対応はルーチンをやっている人達にはできないんじゃないかと」
山田氏「私は原子核工学科を出ましたが、原子炉、プラントの専門家ではないので出る幕はないと思っていた。しかし原子力ムラの文化があって、その常識で今のようなことになっているので、外部から見る人間も必要ではないかと思って発信した」
山田氏「事故直後にいろんな方が出てきて『放射能は安全だから心配ない』と心配を鎮める役割に回ったが、東京でも当時10マイクロシーベルト(毎時)が出て、『安全だ』とおっしゃったのでびっくりした。実験室でも年間1ミリシーベルトで管理している」
岩上「都合のいいことを言っている。嘘の情報を政府が体制側が出して事後になってメルトダウンを認めると。基礎認識がおかしいということは後に破綻の原因になるということ。先生の(提案で)鉛を使うということ、なぜ金属で封じ込めるのですか」
山田氏「金属を使うと冷却効果がある。水は熱伝導率(熱が伝わる速度)が高いわけではない。熱伝導は金属の方がはるかに速い。金属が燃料に接して溶ける時には熱を奪う。溶けやすい金属がいい。鉛は融点が320何度。周りの鉄(容器)の融点が1000度以上」
山田氏「なので、容器(鉄)が溶ける前に溶ける。さらに、放射線を遮蔽する力が強い。X線で技師が着るように、鉛が一番防御効率が高く、安い。ただ、重くなって格納容器の底が抜ける懸念がある。その場合はすずやアルミニウムの方がいい」
山田氏「1ミリ位の鉛の粒が入った水を入れて圧力をかけ、押し出してやれば燃料に到達するのではないか。作業員が近づかなくても安全。鉛が燃料にかぶさり水と遮断されて燃料の熱で鉛が溶け出す。表面は水が流れているので常時冷やされる」
山田氏「その後、格納容器に熱が伝えられて格納容器が熱くなる。鉛が溶ける320度の融点以上にはならないと。重要なのは原子炉から熱輻射(電磁波の一種)が起きて放熱し、熱が下がる。シミュレーションでは1平米で4キロワットの放熱」
山田氏「300平米で1メガワットの放熱になる」
岩上「原子炉がストーブになると」
山田氏「空気の放熱だけではなく、直接放熱し、風や雨が降ればもっと冷える。放熱だけで計算しても100度にはならないだろうと。40、50度で収まると考えられる」
岩上「格納容器自体の温度が高まることで不都合はありますか」
山田氏「建屋は取り払ったほうがいい。容器が錆びることも心配されるので、ペイントしたほうがいい。放射線は出ますが放射能は出ない。ベントの可能性もあるが、温度をみながらコントロールできる」
山田氏「東電の発表では、熱は崩壊熱、自発放射と言って、200キロワットと言うが、200〜500の範囲内だと思うので、1メガワットの想定をしていれば計算にのってくるところで危険はない」
岩上「事故収束委員会を立ち上げ、東電、各党、議員にも提言書も送っていますが、今のところ川田龍平さんしか回答がないと」
山田氏「ブログで各方面には発信しましたがナシのつぶて。専門家にも集まっていただいて検討して欲しいというところ」
岩上「京都大学原子炉実験所の小出さんも水の冷却には限界がきているとおっしゃっている」
山田氏「小出先生には電話でお伝えしました。週刊朝日が小出先生にインタビューに行った時に『山田さんのところへ行きなさい』ということになって記事になった」
岩上「格納容器の底が抜けていた場合(メルトスルー)の想定もされていると」
山田氏「空いてるとしたらまっすぐ穴が空いているので、落ちた鉛が溶ければ燃料の周りを鉛がおおうかもしれない。土の状況が粘土質だとおおいにくいが、砂質だとおおいやすい」
岩上「落ちた燃料はなぜ固体なのですか」
山田氏「土が砂地ならその下に(地下)水が通っているので固体でしょう。メルトダウンが起きた段階で燃料が液体状態で落ちた。その後分裂の連鎖反応がなければ熱は移動して固体で存在していると」
山田氏「固体で存在してなかったら分裂が起きている可能性がある。しかし、分裂は水がなければ起きない。水は冷却だけでなく、連鎖反応を持続するためにも使っている」
岩上「核分裂を起こさせるために中性子をゆっくり減速させると。その減速材として水を使う」
岩上「水を使うということは核分裂を引き起こす可能性があると」
山田氏「燃料が固まった状態で水があると核分裂が始まる」
岩上「大変なことですね。燃料は重いので集まると。固まって集合してあると大きな連鎖反応になるリスクが高まると」
山田氏「連鎖反応が起きていたら、とても今の温度に保ってはいられない」
岩上「爆発は起きないと。汚染水は漏れて流れていること、地下水が汚れていることと2系統の流れがある。地下水系にはまだ触れていないと考えていらっしゃると」
山田氏「(触れていたら)もっと大きな汚染が起きると思いますけどね。崩壊熱が0.2メガワットなのか0.5メガワットなのかで対策が変わってくる。落っこちた状態にどのぐらい対処できるかということ。燃料をうまく鉛でくるめなければ地下水を止めるしかない」
岩上「凍土壁を作ると政府は打ち出してますが、電気量はどのぐらいかかるんですか」
山田氏「電気を使って冷凍するが、冷やそうと思っても周りに水があると電気を取られる。どのぐらい電気が必要なのか、シュミレーションすべきですね」
山田氏「やっているのかもしれないが、データが公表されていない」
岩上「水冷方式を採りながら凍土壁を作っても、壁の中にどんどん水がたまって濃度が高くなるのでは」
山田氏「水冷方式をしている限りそれは変わらないですね。循環水はまず止めるべき」
岩上「(止めないと)汚染水はどんどん増えてしまうわけですね。海洋放出以外手がないと。鉛の場所を見つける方法があるんですね?」
山田氏「X線カメラでどのように分布しているか見るべき。計算すれば燃料が容器内にあるのか、下に落ちたか分かる」
山田氏「東電は容器内にあることを前提に計算しているが、水の温度、水量を正確に測れば燃料がどこにあるか分かる」
岩上「鉛は有毒物質ではないのですか」
山田氏「固体の鉛が有毒で危険だということではなく、蒸気を吸い込んだら危険」
山田氏「しかし、ここでは固体の鉛で一部液体の鉛が下に落ちたとしても固体として存在しているので危険はない」
岩上「鉛などの金属がウランなどと接触して化学変化が起きることは?」
山田氏「高温になれば考えられるが、冷えた状態では起こらない」
山田氏「専門家に聞いてみる必要があるとは思うが、ウランと鉛が化合物になることはありえない」
岩上「(格納容器に)穴が空いていると都合がいいのですか」
山田氏「チャイナシンドロームで下に下がっていくが、固体の状態で下にあると扱いは楽」
山田氏「熱によってどのぐらい沈むかは計算してみる必要がある」
岩上「水冷方式と、鉛の空冷で時間の差は?」
山田氏「寿命は変わらない。2年半で1メガワットが0.2メガワットまで下がったので、10年もかからないのでは」
岩上「燃料が下にあって鉛をかぶせた場合、周囲の環境を汚さずに放射能をとどめておく状態にできるのですか」
山田氏「地下水に接触がなければ汚染されない」
岩上「各号機によって鉛で冷やすことが有効なものとそうでないものがあるのですか」
山田氏「どれにも使えます。メルトスルーしていなければ安定な状態をキープできる」
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2013/09/20 「福島第一原発には、水を入れるのではなく、鉛の粒を投入すべき」〜福島第一原発の収束方法について独自提言 〜岩上安身による山田廣成氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/102275
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