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東電社長ノラリクラリ 衆院の汚染水審査はまったくの「茶番」
http://gendai.net/articles/view/syakai/144823
2013年9月28日 日刊ゲンダイ
まったくの「茶番劇」だった。27日、衆院の経済産業委員会が開いた福島原発の汚染水問題をめぐる閉会中審査。参考人で出席した東電の広瀬直己社長は冒頭、「本当に申し訳ない」と陳謝したものの、その後の野党の追及にはノラリクラリで、反省には程遠かった。
東京五輪招致に影響する――との政府・与党の思惑で日程が先延ばしされ、ようやく実現した閉会中審査。汚染水対策をめぐる東電の後手後手対応や、安倍首相が“国際公約”した「コントロール」発言の真偽などを追及すると期待されていた。
だが、そもそも、安倍が外遊で不在の中で開かれている段階で、この日の委員会は緊迫感ゼロ。最初に質問に立った自民党委員は「もはや東電だけの責任ではない」「安全神話を推進してきた側(政府)にも責任がある」などと東電擁護論を展開するばかりだ。東電の対応を疑問視するどころか、逆に「国に何を期待するのか」なんてご用聞きしているから話にならない。
「東電の汚染水対策に470億円もの国費が投じられることに批判の声があるのに、さらに甘い汁を吸わせようなんてとんでもない。この先、一体どれだけの税金がつぎ込まれるのか分からない状況で、責任の所在を曖昧にしたままでいいのか」(科学ジャーナリスト)
質問らしい質問をしたのは民主党の馬淵澄夫議員ぐらい。馬淵は首相補佐官当時に東電と地下の遮水壁設置を協議した経緯を説明。協議を前に進ませるため、遮水壁の基本設計着手をプレス発表しようとしたところ、直前になって、東電が「1000億円レベルのさらなる債務計上を余儀なくされる」「市場から債務超過に一歩近づいた(略)との厳しい評価を受ける可能性が大きい」と“抵抗”し、見送られたことを明かしつつ、広瀬社長に「国費がなくても遮水壁をやるのか」と迫った。
だが、与党をバックに広瀬社長はシレッとしたもの。馬淵の質問には真正面から答えず、「しっかりと判断したい」とはぐらかすだけ。他の野党委員からも同様の質問が出たが、「ケチって、やること(遮水壁)をやらなかったんじゃないかという批判の声があるが、そんなことはない」と開き直る始末だった。
<凍土壁案復活の経緯も明らかにすべき>
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「『原子力ムラ内閣』と呼ばれている安倍政権を味方につけた東電は記者会見でもノラリクラリです。国会の委員会では、馬淵案(凍土壁)がなぜ途中で立ち消えになり、なぜ、今になって再浮上したのか。『やっぱり遮水壁が必要』というなら、先送りした当時の判断は間違いだったということ。誤った判断を誰がしたのか。東電はそういう経過をつまびらかにするべきなのに、ふざけています」
自公で数を握る国会では、野党の質問なんて痛くもかゆくもない――。東電のそんなナメた態度が許されるなら、委員会なんて無意味。この先も、汚染水問題はヤミの中だ。
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汚染水・閉会中審査の詳報
http://magicmemo.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/231-50e5.html
2013年9月28日 俺的メモあれこれ
衆院経済産業委員会の東京電力福島第一原発汚染水問題に関する参考人質疑の詳報は次の通り。
【冒頭発言】
広瀬直己東京電力社長 新たな心配、不便をかけており、本当に申し訳ない。(海水の放射性物質濃度は)1〜4号機の前の限られたところが高い。何らかの汚染があるのではないかとみている。外洋はかなり小さな数字だ。(将来的には)建屋の中の汚染水を取り出す。汚染水処理設備をしっかり動かして、何とか2014年度中に地上タンクの汚染水をきれいな形にする。5、6号機の廃炉を検討し、年内に結論を出す。
【対策・現状】
鈴木淳司氏(自民) 汚染水対策は国家的問題だ。東電は何に責任を持ち、国に何を求めるのか。
広瀬氏 一番の心配は社員の使命感やモチベーションだ。予算措置を含め国のさまざまな取り組みが始まるのは大変心強く、信頼度が全然違う。除染も賠償も廃炉に向けた措置も東電が中心にやるという覚悟でやるが、国の精神的支えは大変ありがたい。
江田康幸氏(公明)今後どう対応するか。
広瀬氏 われわれの責任としてしっかりやらなければいけない。人をたくさん投入し、予算も付け、監視、パトロールを強化したい。
馬淵澄夫氏(民主) 私は民主党政権時代、事故対策の首相補佐官を務めており、壁をつくり汚染水を封じ込めることを決定した。11年6月当時、東電として遮水壁の基本仕様に関する文書をまとめていたか。
広瀬氏 その通りだ。
馬淵氏 国費が投入されなくとも遮水壁を自らの費用で行う覚悟があるのか。
広瀬氏 実行可能性の調査結果を見て判断すべきだと思っている。
今井雅人氏(日本維新の会) 汚染水はコントロールされているのか。現状を説明してほしい。
広瀬氏 (地上タンクからの汚染水漏れなど)トラブルは発生している。安倍晋三首相の「状況はコントロールされている」との発言については、港湾の外に影響が及ぶことは全然ないという主張で、私どもも全く同じ考えだ。海への影響はしっかりコントロールできている。
【費用】
今井氏 国が財政支出する以上、東電は社運を懸けてしっかりやるべきだ。
広瀬氏 対策費用をけちって、やるべきことをやらなかったのではと批判もあるが、使うべきお金は使える態勢を整えたい。
三谷英弘氏(みんなの党) 汚染水を含む廃炉対策に使う1兆円はどこから捻出するのか。
広瀬氏 基本的には設備投資やコストの削減が中心になると思うが、電力の安定供給に支障のない範囲でということになると思う。
塩川鉄也氏(共産) 汚染水処理費用に税金を使うというが、1兆円を積み増すなら、それで出せばいいではないか。
広瀬氏 1兆円で全てが足りるわけではない。
塩川氏 汚染水対策の責任の主体は東電ではないか。
広瀬氏 事故に絡んで多額の出費があり、それらを全て東電で負担するのは難しい。
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[汚染水問題経過]
4月5日 福島第一原発の地下貯水槽から汚染水が漏れた可能性を東京電力が発表。その後、別の貯水槽でも漏えい確認
6月19日 海側にある観測用井戸の水から高濃度の放射性物質検出と東電
7月22日 汚染水が海に流出と東電が認める
8月 7日 海に流出している汚染水は1日300トンと政府が試算
19日 汚染水を貯蔵している地上タンク周辺で高線量の水たまり確認
20日 東電がタンクから漏えいと認める。漏えい量は約300トン
28日 原子力規制委員会がタンク漏えいを国際的な事故評価尺度のレベル3と評価
9月 3日 政府が汚染水対処の基本方針と総合的対策、国費470億円投入を発表
5日 漏れた汚染水が地下水到達の可能性と東電
7日 安倍晋三首相が国際オリンピック委員会総会で「状況はコントロールされている」と発言
27日 衆院経産委員会が閉会中審査を開催し、東電の広瀬直己社長が謝罪
2013年9月28日 東京新聞 6面より
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