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「秋場龍一のねごと」ブログ
http://akiba1.blogspot.jp/2013/09/blog-post_26.html
新潟県知事を追い込む東電、東電を追い込む銀行。この悪魔の連鎖が再稼働を促し、すべてを奈落の底に突き落とす
海にじゃぶじゃぶと放射能汚染水が垂れ流され、生命をはぐくむ海が息絶え絶えとなり、3号機からはなにやら噴煙がたちのぼり、すわまた膨大な高濃度の放射性物質が生活環境にばらまかれるのかと、背筋が凍りつく恐怖をおぼえる、きょうこのごろの秋日和である。
そんな福島第一原発事故による甚大な影響の真只中、あろうことか東電はまた原発を稼働させようと躍起になっている。東電首脳は、自分たちの会社を危機に陥れた原因は原発であるのに、その原因を自分たちの手でまたもやつくろうというのだ。
この会社は「懲りる」ということを知らないのだろうか。
東電が会社存続の危機に陥った原因は原発事故によるものだ。そう原発を稼働させ、原発が存在したから、この電力会社はそうなったのだ。原発を稼働させないから、そうなったのではない。
これは当たり前すぎて、こう書くのもメンドクサイほどだ。でも、なんだか社会の雰囲気は、東電は原発を稼働させないから破綻の危機に陥っている、というようになっている。
さて、東電はやいのやいのと泉田新潟県知事に、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働申請の了承を求めている。東電の広瀬社長は「一日も早く申請したい」と、再稼働への焦りを隠しもしない。
フクイチが収束どころか、被害が拡大する一方なのに、なぜカシワザキ再稼働を急ぐのか。
それは銀行の追い込みにあるとされる。銀行が、東電の今年度の黒字化を融資の条件としたからだ。
銀行融資がなければ東電の破綻は必至だろう。しかも今年度ということは、来年の3月いっぱい。あと半年。そりゃ、焦るか。
だが、会社の存続とか、銀行が儲かるとか損をするとか、いまの最大の問題は、そこではないはずだ。こんなものは、原発稼働とくらべると、ほんと些末なものだ。
原発を運転させるということは、現在、そして今後10万年以上もの未来の人びとの死活に係わる問題なのだ。
原発は万が一というか、超奇蹟的に大事故を起こさなくても、「安全に運転」(そんなことは絶対にないのだけど)されても、膨大な量の放射性廃棄物を管理しなければならない。もう、この一点だけで、原発は運転どころか、この世に存在をゆるされるものではないだろう。
まあ、銀行の立場になれば、危ない会社にほいほいと金は貸せない。曲がりなりにも黒字となって、利益が出ているところを見せてくれないと、というところかもしれない。東電も、銀行も、わが身だけは破綻も損もしたくない。
で、この企業の破綻とか損益というのは、要するに「金」の問題だ。だが原発は「金」だけではなく、人や地球環境の存続に係わる「命」の問題と不可分である。
銀行は金を貸すとき担保をとるが、原発は運転するとき、現在から10万年以上先の「命」を担保にとる。原発はウラン、それに地球上のありとあらゆる命を燃料として稼働するものである。
優先しなければならないのはなにか? 金か命か。原発か命か。こんな愚問を敢えてしなければならない、この国がかなしい。
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