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原子炉は直下型地震に耐えられるか?!
9月20日(金)午前2時25分頃、福島県浜通りのいわき市を震源とする地震(M5.8)が発生しました。この時の、福島第一原発と第二原発の地震計計測値がおしどりマコさんのフェイスブックに載っていました。
おしどりマコさんのフェイスブックにある東京電力からのメールの文面。
https://www.facebook.com/mako.oshidori?hc_location=timeline より一部コピー:
なお、福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所において観測された地震計の数値は以下のとおりです。
・福島第一原子力発電所 水平:41.5ガル(6号機)
垂直:20.7ガル(6号機)
・福島第二原子力発電所 水平:37.4ガル(1号機)
垂直:31.1ガル(1号機)
以上コピー終わり。
東電のサイトにある公表資料(http://www.tepco.co.jp/・・・/2013/pdfdata/j130920a-j.pdf) によると、福島第一原発の「発電所内で観測された地震の加速度の最大値は、 6号機原子炉建屋基礎版における水平 41.5 ガル、垂直 20.7 ガルでした」ということです。福島第二原発の揺れも原子炉建屋基礎版での値です。
原子炉建屋基礎版とは建屋が建設される岩盤のすぐ上に造られて、この基礎版の上に原子炉建屋が建設されます。よって、建物などの増幅があまり影響せず、地盤そのものの揺れにかなり近い値であると評価できます。
福島第一原発よりも福島第二原発は12キロ程度南にあり、震源地であるいわき市からは40キロ程度離れている様子です。つまり、福島第一原発は震源地から50キロ程度離れていることになります。
「一般的に震源域はマグニチュード7の地震で数十km程度、マグニチュード8の地震で100〜200km程度、マグニチュード9の地震で500〜1000km程度」(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq7.html)とされているので、今回のM5.8の地震の震源域の広さは数キロ程度のはずです。つまり、実際に地震でずれ動いた断面の長さが数キロ程度であるということです。
以上のことから、それぞれの原発で観測された揺れの大きさを考えると、幾つかとても危惧するべきことがあるように思えます。
まず第一に、震源からより離れている福島第一原発の水平方向の揺れである41.5ガルがより震源に近い福島第二原発での値37.4ガルよりも大きいことです。これがなぜだかははっきりしませんが、地下水がかなり上昇していて、地盤全体が揺れやすくなっている可能性があります。震源域が数キロ程度の大きさですから、福島第一原発と福島第二原発間の距離12キロで震度で1程度は揺れが弱まるのが普通です。実際、福島第二原子力発電所は福島県双葉郡楢葉町(敷地の一部は富岡町)、福島第一原子力発電所は福島県双葉郡大熊町・双葉町に立地していて、気象庁の震度記録(http://www.jma.go.jp/jp/quake/20130920023119395-200225.html)から言うと、楢葉町北田が震度5弱、大熊町野上が震度4となっていて、福島第二原発の方が福島第一原発よりも揺れが大きかったように推測できます。
第二に、福島第二原発で、水平方向の揺れと鉛直方向の揺れにあまり差がなかったことがあります。日本国内の建築物は一般的に、水平方向の耐震性に対して垂直方向の耐震性は半分になるようになっているのです。今回の福島第二原発での揺れは、水平:37.4ガルに対し垂直:31.1ガルですから、2割程度しか差がありません。震源からより離れている福島第一原発では垂直方向の揺れの強さは水平方向の約半分ですから、こういう揺れの起こり方なら耐震設計と整合的です。
断言はできないのですが、福島第二原発が立地している場所は今回の震源の断層面上ではないと思われます。多分、少なく見積もっても30キロ程度は断層面から離れているでしょう。震源深さは15キロ程度ですから、かなり浅い地震であり、地震の浅さと30キロ程度の距離を考えると、動いた断層面からはかなり離れていると言ってよく、縦揺れはある程度弱まるのが普通です。しかし、今回の地震で福島第二原発の水平方向の揺れと鉛直方向の揺れにあまり差がないわけです。このことは、マグニチュードがあまり大きくなくとも原発敷地の直下、または比較的近くで地震が起きたとき、水平方向の揺れには耐えられても鉛直方向の揺れには耐震性が追い付かず、原子炉建屋やそのほかの建築物が壊れてしまう可能性が強いということを示しているはずです。
阪神大震災を起こした兵庫県南部地震がマグニチュード7.3です。この地震では、震度7を記録した地域で明瞭な地表活断層が見つからず、地下の活断層も特定できていません。また、いわゆる衝撃的な上下動による鉄筋コンクリート建造物の座屈被害が多く観察されています。
多分、マグニチュード7程度の地震で、地盤条件によっては、震源域から50キロ程度離れていても縦揺れが横揺れと同じ程度の強さで起こり、建造物を破壊してしまうことがあると思います。
原発の耐震性がガルで表示されているのですから、ある程度大きな地震が国内で起こったときには、震度4以上を記録した地点での水平・垂直方向別の揺れの強さをガルで公表することも必要ではないでしょうか。今の震度計測は地震計で行われているのですから、ガル値の公表は可能だと思うのですが。
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