http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/619.html
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溜まり水の測定値を読み違えたまま排水開始(おしどりマコ)
http://no-border.asia/archives/14716
2013年09月18日 DAILY NOBORDER
1.Cエリア東の溜まり水が、2Bq/L→24Bq/Lの誤りに気付いたのは、排水を始めてから。
2.その誤りは、コピーの際に出現する黒い点を見誤った。
「24」の間に点があり、「2.4」と見間違えて、排水を決めた。
3.ドレン弁を通常閉運用にしてから、一度も開放していなかったため、台風前から、堰内に溜まり水がくるぶし程度存在していた。なので、あっという間に、台風による降雨で堰内の水は溢れた。
→その運用方法は、まだ未完成であった、と東京電力は認めた。
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2013年9月16日、大型の台風18号が福島第一原発を襲った。
汚染水が漏えいしたタンクエリアの溜まり水の処置に困った東京電力は、濃度の低いものから排水することを決め、順次排水した、と報道、原子力規制庁に15、16日、報告していった。
報告の時系列を記す。
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『福島第一原子力発電所Bエリア南側の堰内の溜まり水の溢水について』
(9/15、15:35)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230584_5117.html
→9月15日午後1時8分頃、急激な降雨により、Bエリア南側の堰内の溜まり水が堰から溢れていることを確認。
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について』
(9/15、19:10)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230586_5117.html
→Bエリア南側の堰内の溜まり水の堰からの溢水について、当該エリア南側の堰内に溜まった水を、9月15日午後1時13分から同エリアのタンクへ移送。
同日午後3時22分に移送を停止。
→汚染水貯留タンクエリアのB排水路(C排水路合流点前)に設置していた土のうが、9月15日午後1時30分頃に流出。
同日午後3時20分、当該箇所の土のうの復旧作業を完了。
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報)』
(9/16、6:03)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230590_5117.html
→各タンクエリアの全ベータ放射能分析結果(後程の表参照)
→高い放射能が確認されたH4エリア(北)の堰内溜まり水については、9月15日午後3時20分頃から仮設ポンプによる当該エリアタンクへの移送。
同日午後11時20分頃に完了。
→他のタンクエリアの堰内溜まり水についても、全ベータ放射能が高い箇所を基本に順次、仮設ポンプにより当該エリアのタンクへの移送。
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報2)』
(9/16、12:58)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230596_5117.html
→台風の接近に伴う降雨により、汚染水貯留タンクCエリア(東)およびCエリア(西)堰内には多量の雨水が溜まり、急激に水位が上昇してきていることから、このままでは溢水する可能性がある。
→当該エリアの堰内溜まり水の放射能濃度(全ベータ)が以下の通り、ストロンチウム90の告示濃度限度(30Bq/L)より低い値となっており、堰内の溜まり水は雨水であることから、準備が整い次第、緊急措置として、当該堰内に溜まった雨水を堰ドレン弁にて、堰外に排水。
・Cエリア(東):2 Bq/L
・Cエリア(西):8 Bq/L
→他の汚染水貯留タンクエリア堰内に多量の雨水が溜まった際に、堰内溜まり水の放射能濃度(全ベータ)がストロンチウム90の告示濃度限度(30Bq/L)より低い値であり、雨水と判断できるエリアについては、溢水を避けるために当該堰内に溜まった雨水を緊急措置として、堰ドレン弁より同様に排水。
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報3)』
(9/16、15:22)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230597_5117.html
→堰内に多量の雨水が溜まっている下記のエリアについて、緊急措置として当該堰内に溜まった雨水を堰外に排水。
→Cエリア(東)とG4エリア(南)は、先ほどのメールで堰ドレン弁にて排水するとお知らせしたが、当該エリアには堰ドレン弁が設置されていないため、仮設ポンプにて堰外へ排水。
福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報2の訂正)
(9/16、17:36)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230598_5117.html
→汚染水貯留タンクCエリア(東) (誤)2Bq/L → (正)24Bq/L
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報4)』
(9/16、20:16)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230601_5117.html
→汚染水貯留タンク堰内に溜まった雨水を堰外へ排水していたが、排水に伴う堰内溜まり水の低下や天候の回復等を踏まえて、排水を停止。
→堰内に溜まった雨水については、堰外へ排水する前に再度採取し、簡易測定による全ベータ放射能分析を実施したので、その結果もあわせてお知らせ。(後程の表参照)
『福島第一原子力発電所における台風接近に伴う降雨の影響について(続報5)』
(9/16、20:16)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230606_5117.html
→全ベータ放射能分析にて高い放射能が確認された箇所等について、順次、仮設ポンプにより当該エリアタンク内へ移送。
→移送実績。(後程の表参照)
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台風一過の9月17日午前10時、台風における溜まり水の排水についての東京電力臨時会見が行われた。
溜まり水の移送・排水実績は次のようになっている。
http://no-border.asia/wp-content/uploads/2013/09/19d6b549a7ad481dde543f23e9a040c4-620x465.png
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130917_01-j.pdf
この表以外の情報も追加する。
・H4エリア(北)
※15日午後3時20分頃から仮設ポンプによる当該エリアタンクへの移送を実施し、同日午後11時20分頃完了。
・Bエリア(南)
※当該エリア南側の堰内に溜まった水を、15日午後1時13分から同エリアのタンクへ移送、同日午後3時22分に移送を停止。
※堰内の溜まり水の移送準備を行っていたところ、15日午後1時8分頃、急激な降雨により、Bエリア南側の堰内の溜まり水が堰から溢れていることを確認。
・Cエリア(東)
※汚染水貯留タンクCエリア(東) (誤)2Bq/L → (正)24Bq/L
※堰ドレン弁が設置されていないため、仮設ポンプにて堰外へ排水
・G4エリア(南)
※堰ドレン弁が設置されていないため、仮設ポンプにて堰外へ排水
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筆者は、台風後に、福島第一原発の作業員の方々と連絡をとった。
すると、驚くべき事実がわかった。
台風前から、堰内には水がたまっており、台風による降雨で、あっという間にあふれそうになった、というのだ。
なぜ、台風の前に、堰内の水をサーベイして、処理しておかなかったのか。
以前まで、ドレン弁といわれる堰の弁は通常開放、開運用であった。
それを、東京電力は、
「雨水などによるたまり水が存在すると、タンクの漏洩を検知しにくいため、ドレン弁は常に開放しておき、堰内に水が存在しないようにしていた。」
と説明していた。
しかし、ドレン弁を常に開放していたことにより、タンクからの汚染水の漏洩がすぐに堰外に流出したため、原子力規制庁に指導もあり、ドレン弁を通常閉じる閉運用することになった。それが今年の8月末、先月末のことである。
筆者は臨時会見で東京電力に質問した。
この問題の質疑を抜粋する。
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ーードレン弁が通常「閉」運用になってから、でも雨水が溜まれば放出という事になっていたが、「閉」運用になってから、雨水が溜まってドレン弁を開けた事は?
東京電力尾野氏「これが最初である。」
ーー作業員の方に伺うと、今までの降雨の分も溜まっていてあっという間にいっぱいになったということだが、台風の降雨の前にどれ位溜まっていたのか。
東京電力尾野氏「台風の降雨の前にパトロールなど、行った時に、くるぶしぐらいだったかと思う、まあ場所によって違いは有るが、その程度の溜まりは有ったかと。」
ーー何故台風の前にサーベイして問題のない物を流していなかったのか。
東京電力尾野氏「そうした対応も一つの対応として考え方は有ったのかも知れないが、状況を踏まえて今回対応させて頂いた。今後の要領及び対応については仰る通り様々検討の余地は有ろうかと。」
ーーもともと台風の前から堰の中に水がくるぶし程度たまっているいたということだが、これはドレン弁の「閉」運用をしてから、水を溜めっぱなしの運用ということで、これは「閉」運用している時も、雨水の時は雨水である事が確認すれば放出するというようなことになっていたと思うだが。台風が来なければどのタイミングで水を放出する予定だったのか。
東京電力尾野氏「具体的に予定と言う事はない、ある程度溜まってきているという状況があるからどうするか、ということはある、そうした相談なども少ししっかりしていく必要がある場面の中で対応していく、そのままなんら管理ができない状態で溢水していくということが好ましいことではない、至急用意していた方法によって測定を行ってそれで『ここはこぼしちゃいかん』というとこについては汲み上げの作業を優先的に振り向けていくというような対応をとったという次第。」
ーーつまり、水を溜めっぱなし運用にしていても、経時的に雨水が溜まって堰の高さに、堰高に近くなれば同じような処置をしていた、という事か。
東京電力尾野氏「そういう処置をしていたという事になるが、何れにしても、 8月の後半以降ここまでの間に雨が降らなかったわけではもちろんないが、これほどの雨が降るということがなかったので、対処についてはそこまでの間では緊急度のある対応では無かったと。」
ーー8月、9月は台風シーズンなので、ずっと水を溜めっぱなし運用していたというのは少し理解ができない、降雨の関係をどのように、元々どのような計画だったのか、と云うのも回答を。
東京電力尾野氏「元々我々が考えていたことというのは、雨水であるという事が確認できれば出していく、ということのプロセスを確立して行くということ。
その過程の中で昨日を迎えているから、そういう意味から行ったらもっと迅速にいろんな相談をしておく事がより良かったのではないかと云うご指摘かと思う、それについてはおっしゃる通りかと。」
ーーこの「閉」運用と云うのは、水の溜めっぱなしの運用ということでは無いのだろうな
東京電力尾野氏「閉」運用という事をすると自ずと水が溜まってくるから…溜まった水をどうするかという事をセットで考える必要があるので、そのことも含めて運用としては完成形にしていかなければならないわけである。」
ーーまだ完成形ではなかったということか、理解した。
ーー堰の水の、溜めていた運用について伺いたい。以前「開」運用にしていた時は、雨水などで溜まっていた時に漏えい検知の意味を果たさないので堰は水をためないために常にドレン弁は「開」運用にしていくと云う説明だったが、今回「閉」運用にしてから1度も開けておらず、雨水がずっとくるぶし程度まで溜まっていたということは、漏洩検知はどこで見ていたのか。
東京電力尾野氏「どちらを重視するかというところで、どの制約条件を重視するかっていうことで物を見て行かなければいけないということ、以前はあまりセンサー類を用いないでも目視によって漏洩を早く確認していく、ということが出来るような方法で確認していくと言うやり方で考えていたので、雨水をためないで、できるだけ基礎の上の状態は乾いた状態が望ましいという考え方で対処をとっていた。
ただ、それはそれで1つの考え方ではあるわけだが、8月19日に高濃度の水を外にこぼしてしまうと云う所までの大きな失敗をしてる訳だから、そうした事から考えると、「閉」の運用にすることで外でこぼしてしまうことがない状態をいち早く用意しておいた上で、パトロールしていくと言う形に変えていくいうことで、重点を置くところが変わった。
なので、その分、人の入れ方であったりあるいは計器類、センサー類を使う、具体的に言うと水位を直接測れる様な方法を思考していくということで、将来的には水位計をちゃんとつけるつもりだが、それまでの間にサーモグラフでタンクの外から水位変動がないということを確認していくような手段をパトロールの中に組み入れるだとか、或いは線量計は以前は水溜りが見つかった後、使って行くというものだったが、始めから使って行くやり方に変えたいと、まあそれに伴って要員や人が必要になってくるので、その分を体制を厚くするとか、そうしたやり方の変更をしてきた。
今のやり方が、 100点であるかという事では必ずしもない、と思うのでそれはもうやっていく中で改善はして行く、という事。」
ーーあの「閉」運用になった経緯と云うのは存じている、その漏えい検知を現在日々のパトロールでどのように把握しておられるのかというのを知りたい、水位計はそれぞれまだついていないはずです、サーモグラフでパトロールで毎回全てのタンクの水位を見ているということか
東京電力尾野氏「一日一回サーモグラフで見ている。」
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ここで、また疑問がある。
サーモグラフで、数センチの水位の変動を詳細に見ることができるのだろうか。
タンクの断面積は113m2である。1cmの水位の低下で、約1tの汚染水が漏えいすることになるのだ。
http://no-border.asia/wp-content/uploads/2013/09/c62afca3355cff5544b50ae9b3842ba1-620x465.png
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/data/0004_03.pdf#page=45
(汚染水対策WG第4回資料)
この写真を見るかぎり、数cmの水位の低下、つまり数tの汚染水の漏洩は検知できそうにない。
説明にもあるとおり、「概略水位」しか確認できないようである。
********
そして、Cエリア東を排水したことについても、疑問が残る。
Bエリア北は23Bq/Lで汲み上げてタンクに移送しているのだが、
Cエリア東は24Bq/Lで海に排水しているのである。
そして、Cエリア東こそ、排水後に、
(誤)2Bq/L → (正)24Bq/L
と訂正された溜まり水だからである。
その訂正の経緯が質疑で出てきたアップしてきた部分も驚愕した。
抜粋する。
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ーーCエリア(東)の測定値が2Bq/Lから24Bq/Lに大幅な上方修正されたが、その具体的な理由は何か。
東京電力尾野氏「これは私どもの方のミス。
測定自身は24という事で測っていたが、その測定結果を伝達する過程で手書きのメモの形で回ってきた。FAXで受けてコピーをとったり、とまあこういうことだが、時々白い紙に黒い点が付いてる事があろうかと思うが、丁度24の2と4の間に黒い点がついていて、読んだものが2.4という風に理解し伝達したという事。
ーーその誤りに気が付いた時刻は何時か。
東京電力尾野氏「時刻については私も正確に承知していない。」
ーーCエリア(東)の排水をする前した後どっちか。
東京電力尾野氏「排水をスタートした後。」
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東京電力は、24Bq/Lであっても、ストロンチウム90の告示濃度限度30Bq/L以下であるから、排水をして問題は無い、と主張するが、当初の判断として、9Bq/L以下の溜まり水だけを排出するという計画であった。23Bq/L以上のものは、排水せず、タンクに移送という計画であった。
Cエリア東の溜まり水を排水する、という判断をしたのは、読み間違いに気づく前、2Bq/Lとしていた時点である。
コピーの劣化による読み間違いがなく、当初からCエリア東の溜まり水の濃度を24Bq/Lと把握していたら、排水したのであろうか?
疑問が残る。
ちなみに原子力規制庁事故対処室は
「堰ドレン弁から排出した水に含まれる放射能量等状況によっては法令報告事象に該当する可能性もあり、現地の保安検査官が状況を確認している」とのことである。
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このように、汚染水が漏えいしたタンクエリアの溜まり水の排水状況には数々に疑問が残る。
なぜ、台風前に、溜まっている水を処理しなかったのか?
作業員の言葉が刺さる。
「自分たちの作業は、徒労に終わりそうだが、
とにかく現場で大きなケガやトラブルが無くて良かった。」
きちんと対策をとっていれば、大型台風時に、作業員の方々を通常よりさらに危険にさらすことも、緊急判断で排水することも無かった。
コピーの劣化で測定値の読み違いをしたエリアの溜まり水を排水したことにも疑問が残る。
IOC総会での安倍総理の発言、「汚染水は完全にコントロール下にある」から1週間たったが、
現状は、
「これほどの雨が降るということがなかったが、もっと迅速にいろんな相談をしておく事がより良かった。溜まった水をどうするかという事を考えて、運用を完成形にしていかなければならなかった」
「24と2.4を読み違えた。誤りに気付く前に、排水を始めた」
このような有様である。
これが、世界が懸念している、福島第一原発事故の汚染水のコントロールの現状なのだ。
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余談だが、汚染された地下水で溢れている護岸のNo.1エリア、ここは土壌への薬液注入により、遮水されているので、台風による降雨で、どのような状態になっているのか、非常に気になるところである。
ーーNo.1エリアの水の状態は今回の台風で水位の変化はどのようになったのか。
東京電力尾野氏「すいません、まだこちらの方のデータのロガーから上げてきたデータがこちらまで来てませんのでまた後日確認できたところで、確かに気になるところですね。確認しておきます。」
台風による影響で、筆者が最も気になっていた部分がNo1エリアであったのだが
「確かに気になるところですね」の回答には拍子抜けしたことを付け加えておく。
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補足
筆者の質疑書き起こし(おしどりケン)
http://daily.magazine9.jp/m9/oshidori/2013/09/post-128.html
(撮影、おしどりケン)
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