http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/543.html
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「汚染水「制御出来ていない」 東電幹部、首相発言と相違」という朝日新聞の記事を投稿するつもりだったが、投稿済みなので用意したコメントのみ投稿させていただく。
汚染水問題はコントロールできていると胸を張った安倍首相のオリンピック招致向け説明は恥ずべきものだが、福島第一の汚染水流出問題は、民主党菅政権からずっと続いているものである。
さいきん始まった問題であるかのように騒いでいるメディアや政治家もいるが、流れ込む地下水が溶融しメルトスルーした核燃料に触れ汚染された状態で約500トン/日も湧出し海洋にも流れ出ている問題は、3.11の事故直後から存在するものであり、それから2年半、ずっと意図的に放置されてきたのである。
仮設タンクから汚染水が漏出するという事故についても、阿修羅をざっと検索しただけだが、事故発生からわずか3ヶ月半後の11年6月28日に「福島第一原発 仮設タンクから汚染水15トン漏れる (朝日新聞)」( http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/501.html )という記事が投稿されており、それからなんと2年3ヶ月ものあいだ、仮設タンクからの漏出を防ぐという基本でかつ極めて重大な対応さえなおざりにされてきたのである。
自国の政府に対しこういう言い方はしたくないが、汚染水については、対応できる部分(量)は汲み上げて仮設タンクに貯蔵するが、対応できない部分(量)は海に流れ出てもらうという“基本方針”に従った対応がずっと続いてきたのである。
NHKが既に報じているが、事故から8日後の3月19日に6号機の地下に汚染水が流れ込んでいるのが見つかり、3月23日には、東電が6号機建屋地下にたまっている汚染水を海に放出したいと「海洋放出」を保安院(当時)に伝えている。
亡くなった吉田元所長も、3月30日のテレビ会議で、「水の問題がいちばん大きいことは、すでに1週間近く言っている。限界だ。何とかしてくれ」と、汚染水の海への放出を含めた対策を東電本店に掛け合っている。
そして、4月2日に、2号機の立て坑からピットと呼ばれる施設を通じて、高濃度汚染水が海に漏れ出ているのが見つかったとされている。(これも、実態はずっと前から流れ出ていたはず)この事態を受けて、4月4日から低濃度とされる1万トンと言われている汚染水の海への放出が始まったとされている。
その後、汚染水用の仮設タンクの建設が始まったが、最近の汚染水漏れ騒動でわかったように、現状でさえ、流入し汚染される地下水の量に見合うだけの対応ができていないのだから、11年3月20日頃から現在までの2年半にもわたって汚染水の海洋流出が続いているとわかる。
政府の責任者も東電幹部も、対応できないものは仕方がない、海洋の希釈力に期待して放出させてもらうと居直っているはずだ。
のちに撤回したが、菅内閣の官房参与を務めていた劇作家の平田オリザ氏がソウルで講演し、東京電力が福島第一原発で行った汚染水の放出について、「アメリカ政府からの強い要請があった」と発言している。
海洋流出というかたちでの汚染水の海洋投棄は、事故直後から日本政府を“指揮”していた米国政府機関のお墨付きまで得ていたのである。
※ 「内閣官房参与、汚染水放出「米の要請」 (TBSニュース))
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/383.html
このような悲惨で過酷な現状に置かれていても、米国の意向もあってか、原発を存続させようというのが政府である。
昨年末の総選挙、今年7月の参議院選挙と、原発存続を掲げる政党が多数派を占める結果になっているから仕方がないが、最低限、原発の増設と新設を許さず、30年後には否応なく原発の稼働が終わるよう願っている。
※ 参照投稿
「福島第1原発事故再認:汚染水問題」
http://www.asyura2.com/12/genpatu29/msg/130.html
「原子炉に注入した水がメルトスルーの穴と地下水脈を通り5・6号機建屋地下で汚染水として大量湧出:1万トン以上を汲み出し」
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/142.html
「3月末から4月初めにかけての2号機立て坑付近からの超高濃度汚染水海洋流出は“意図的放出”の可能性大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/723.html
「1号機格納容器損壊と地下水汚染について」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/718.html
「[汚染水処理問題]何度か書いたが「汚染水の放射能除染は不要」:油分と塩分の除去のみで冷却水に再利用すべし」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/260.html
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