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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu295.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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事故処理の経済的スキームを見直す必要がある。このままでは、民間会社である
東電は事故処理費用をケチる動機を持っている(安普請の汚染水タンクを見よ)。
2013年9月13日 金曜日
◆原発事故、全員不起訴=東電元幹部や菅元首相ら?検察当局 9月9日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323410304579064571717249330.html
東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された勝俣恒久前会長と菅直人元首相ら当時の東電幹部と政府関係者など計約40人について、検察当局は9日、全員を不起訴処分にした。告発した市民団体は検察審査会に審査を申し立てる意向を示している。
東電の事故調査報告書によると、福島第1原発1?4号機は、東日本大震災で最高約15.5メートルの津波に襲われ、全交流電源を喪失。水素爆発などの事故につながった。
東電は津波発生当時、高さ約6メートルまでの対策しか取っていなかったが、2008年に、福島県沖で大地震が発生した場合、最高15.7メートルの津波が発生すると試算していた。東電は報告書の中で「あくまでも仮の試算で、実際には起こらないと考えた」と説明している。
試算の根拠となった02年の政府の地震長期予測は、これまで東電が対策の前提としてきた研究内容とは大きく異なっており、研究者の間でも賛否が分かれていた。検察当局は、この長期予測について地震研究者や他の電力会社の防災担当者から聴取した結果、地震と津波をあらかじめ予想することはできず、対策を取らなかったことの責任は問えないと結論付けたもようだ。
ほかの告発対象者は、東電の清水正孝元社長や旧原子力安全委員会の班目春樹元委員長ら。政治家では菅元首相以外に、枝野幸男元官房長官と海江田万里元経済産業相が事故発生直後の対応について告発された。
◆東京五輪のために東電の破綻処理を 事故処理の経済スキーム見直し必要 9月12日 経済評論家・山崎元
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130912/ecn1309120736001-n1.htm
東京での五輪開催が決まった。半年ほど前、かつて勤めた三菱商事の同期で現在ローソン社長の新浪剛史氏から「今回は東京が勝ちそうだと思うから、招致に力を入れている」という言葉を聞いて、半信半疑だったのだが、その通りの結果が出た。
「おめでとう!」
今回の招致レースでは、終盤になって、震災後の事故処理が続いている福島第1原発の汚染水漏れが発覚したことが大きな懸念材料となった。
本件に関して、ブエノスアイレスで最後のプレゼンテーションに臨んだ安倍晋三首相は、IOC(国際オリンピック委員会)の委員と報道陣の前で、この問題が「十分コントロールされており、東京は何の悪影響も受けていない」と言い切った。
2つのことを思った。
正直にいうと、はじめに浮かんだ言葉は「嘘つき!」だった。汚染水は現在十分なコントロールができていないから海に漏れており、東京電力の管内にある東京都民は、少なくとも事故処理の費用負担を含む計算根拠による電気料金を今後払う仕組みになっている。それに、今後、事態が悪化する可能性もある。
少し遅れて、もう一方で思った。冷静に考えてみるに、東京に五輪が来なくても、福島の事態が改善するわけではない。むしろ、政府は、五輪を無事に開催するために、福島の事故処理に、より熱心にならざるを得ないのではないか。
また、五輪のおかげで世界のメディアが福島の事故に注目することも、より良い。日本のメディアは政府とスポンサー企業寄りで頼りにならない。
ポジティブに考えると、東京五輪開催決定は、福島の問題の存在の故にこそ意義深いのだ。ただし、事態の収拾に失敗した場合には、日本の産物・製品への風評被害は世界規模のものになるし、有力国のボイコットなどで、五輪が失敗に終わった場合の国家的な権威の喪失は計り知れない。開催が近づいた頃に、日本の外交的ダメージを狙って動く国がある可能性も十分ある。こうした可能性にも対処した、積極的で徹底的な事故処理が必要だ。
そのためには、現在、東京電力が民間会社として連続的に存続していて、東電が主体で国が支援する形になっている、事故処理の経済的スキームを見直す必要がある。このままでは、民間会社である東電は事故処理費用をケチる動機を持っている(安普請の汚染水タンクを見よ)。
事故後、東電を会社更生法等で一度破綻処理するのがフェアで安心なやり方だった。しかし、(おそらくは)金融機関と政府の口約束と、財政資金ではなく将来の電気料金で事故処理費用を賄いたいと政府が考えたために、会社としての東電を生かしたスキームになり、事故処理における政府の立場と責任が曖昧になった。
五輪のためにも、東電を正しく処理すべきだ。 (経済評論家・山崎元)
(私のコメント)
「株式日記」では東電を破たん処理して第二東電を作るか、送配電の分離で新会社を作れと主張してきましたが、政府は東電救済をして原発の事故処理を東電に任せてしまった。東電に原発災害に対応する能力もなく賠償するだけの資金力もないことは明らかだ。だから東電を破たん処理して職員を大幅に賃金カットして再雇用すればいい。
東電を破たん処理すれば東電の社債や株式は紙切れになりますが、融資していた銀行が大損害を被る。年金などにも株式や社債が買われていましたが紙切れになる。だから政府は東電を救済しましたが、救済しても東電には事故処理能力がなく災害を広めるばかりだ。
「株式日記」では民間の電力会社では原発は無理だと主張してきましたが、経済性を優先して安全性を疎かにしたから原発災害が起きたのだ。勝俣会長は原子力安全保安院から大規模な津波対策が勧告されていましたが、勝俣会長は聞いていないととぼけている。監督官庁の勧告を聞いていないとは有り得ないことだ。
原発は絶対に重大な事故は起きない事で設置が認められてきましたが、電力会社は民間会社だから安全対策は後回しになる。絶対に重大な事故が起きないという事が前提だから、起きた場合のマニュアルなどは無く東電の職員は手動ベント作業の手順すら知らなかった。災害用のロボットなども作られましたが不要だとして処分された。
検察は東電の幹部を不起訴にしましたが、原子力安全保安院からも大規模な津波対策が指示されていたことは予測不可能な事態ではないという事だ。女川原発が災害を免れたのは、あらかじめ14メートルの高さに作られたためであり大規模な津波災害を予測していたからだ。
事故が起きた当初は、政府も東電も学者も「想定外」という言葉を連発していましたが、海岸沿いにありながら受変電設備を地下に造るなどありえないことだ。しかも防水設備も出来ていなかったようだ。せめて一つでも自家発電機が高台にあれば救われたのでしょうが、受変電設備も自家発電機も水没したのは天災ではなくて人災だ。
原発は絶対に安全という「安全神話」が独り歩きをしていたから、大災害が起きた時の安全対策のマニュアルもなかったというのが根本原因であり、全停電事故もどうして想定できなかったのだろうか? 間抜けなのが4号機の爆発事故であり、点検中で休止状態だから安全だと放置されて核燃料が発熱して水素爆発を起こすまで気が付かなかったことだ。
原子力発電所は停止すれば安全という事は無く、冷却水は循環させなければならない。日本全国の原発はほとんど停止状態ですが、冷却水の循環が止まれば大爆発を起こすことに変わりがない。むしろ発電稼働させていたほうが安全だと思うのですが、燃料棒は稼働していても休止していても熱は発生し続ける。
だから「株式日記」では原発は安全対策を十分に行って稼働させるべきだと書いてきましたが、原発を止めても動かしても危険性は変わりがない。現在の軽水炉型原発は大量の冷却水を必要とするからどうしても海岸沿いが原発の立地になりますが、それでは天然災害ばかりでなくテロの標的にもなる。
それに対して高温ガス炉などは地下深くに作ることができて小型だから、もし事故が起きれば水没させてしまえばいい。地下深くだからミサイル攻撃にも耐えられる。今回の大規模災害は軽水炉型原発だから起きたことであり、アメリカのGEやWHなどからの売り込みによって作られましたが、日本は当初は高温ガス炉を研究していた。
原子力発電が推進されてきたのは、政府や電力会社の話では発電コストが安いという「神話」で推進されてきましたが、解体費用や災害補償などのコストは想定されていない。重大事故が起きれば電力会社が吹っ飛んでしまうのだから火力発電よりも安いという事自体がまやかしだ。
バカは死ななきゃ治らないという諺がありますが、ダメになった組織はいくらテコ入れしても同じ問題を繰り返す。戦前の旧陸海軍も組織の劣化が進んで戦争にまで突っ走ってしまった。515事件や226事件が起きた段階で陸海軍を大粛清して中国や朝鮮半島から引き揚げさせるべきでしたが、それができる政治家がいなかった。現在でも東電を解体できる政治家がいないようだ。
福島第一も国が責任を持って事故処理を行うべきであり、東電にはその能力がない。テレビでは「半沢直樹」というドラマが高視聴率で話題ですが、手柄は上司のものとなりミスは部下に押し付けられる。勝俣会長や清水社長は海外に逃亡して現場の吉田所長は非業の最期を遂げた。旧陸海軍も無謀な戦争を決断して多くの兵士を死なせた。勝てば司令官の手柄となり負ければ兵士は戦死しても将官は責任を問われることもなく生き延びた。
今回の検察の不起訴は、刑事責任は問えないという事ですが、原発は絶対に事故は起きないことが前提であり、十分な事故対策が取られてなければならないはずだ。しかし福島第一には電気設備面の安全対策や大津波などへの備えが取られていなかった。これらは予測が不可能だったのだろうか? 先の大戦でもシュミレーションで負けると結果が出ていたが戦争に突入したように、現実に起きてみないとその悲惨さが分からないのだろう。
いつか分からないが、関東大震災や東南海大地震や富士山の爆発は100%起きるだろう。それに対する対策は十分なのだろうか? 私が生きているうちは無いだろうといった安易な判断になりがちですが、政治家や官僚や学者などに過失責任を問うくらいの覚悟を持たせなければ十分な対策はなされないのだろう。
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