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東日本大震災2年6カ月特集 福島原発は今(1/5)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00010018-minyu-l07
福島民友新聞 9月3日(火)17時18分配信
福島第1原発・廃炉阻む“高放射線” 工程見通し立たず
福島第1原発は、30年とも40年ともいわれる廃炉への長い道のりを歩み始めたばかりだ。水素爆発などでがれきに覆われた1〜4号機は、外見こそ処理が進みつつあるように見える。しかし、1〜3号機の原子炉格納容器の内部では、炉心溶融(メルトダウン)で溶け落ちた核燃料と金属類のくずが熱を発しており、真水による冷却が続く。溶け落ちた核燃料の実態を高放射線量の中で把握し、取り出すまでの長期の工程は、いまだ手探りで見通しが立たない。世界の英知を集めて方策を練る新組織・国際廃炉研究開発機構(理事長・山名元(はじむ)京大原子炉実験所教授)はようやく8月に発足したばかりだ。
【1号機】建屋カバー解体へ
原子炉建屋が水素爆発で吹き飛んだ1号機で東電は、溶け落ちた核燃料の取り出しに向け、放射性物質の放出を抑える建屋カバーを解体する方針だ。
取り出しに向けた機材などを設置するためで、今秋にも解体に着手したい意向。
東電は、解体に伴い原発敷地境界で増加する放射線量は2012年度平均に比べて年間約0.4マイクロシーベルトと見込み、影響の少なさをアピールするが、開放状態は4年間続くため、県民への丁寧な説明が求められる。
【2号機】地下汚染水流出か
2号機のタービン建屋の海側では、井戸の水から高濃度の放射性物質が検出され、地下汚染水の海への漏えい防止対策が喫緊の課題だ。地下水をくみ上げ、2号機タービン建屋地下に移す応急対策が続いている。
原子炉格納容器の内側は高い放射線に遮られ、周辺部でのロボット調査など限られた対応にとどまっている。県内に大量の放射性物質をまき散らしたとされる爆発の原因も不明で、調査の進展には高度な技術開発が待たれている。
【3号機】進まぬがれき撤去
3号機は、爆発で吹き飛んだ上部のがれきが取り払われ、原子炉格納容器の真上の階まで見渡せるようになった。しかし、依然として高い放射線量に阻まれ、その後の撤去作業は東電の構想ほどには進まない。放射性物質や放射線を閉じ込めていたがれきが取り払われたことのマイナス効果も明らかになってきた。
8月19日、建屋から離れた免震重要棟前で、社員らの身体が放射性物質で汚染される問題が起きた。3号機は線量が高く、がれき撤去に伴い放射性物質の付着したほこりやちりが舞い上がる。がれき撤去が原因という見方が強まり、東電は22日以降、作業を休止。
同じ19日、福島第1原発から北北西約3キロ地点の双葉町内に県が設置したモニタリングポストでも、空間放射線量が一時的に上昇した。
県は当時の気象条件から、3号機のがれき撤去作業が原因と推定している。
東電はがれき撤去の周辺への影響について調査しながら、放射性物質の拡散を防ぐ飛散防止剤の散布範囲を広げ、9月3日にも作業を再開したい意向だ。
【4号機】燃料取り出しへ最終段階
4号機は、むき出しになった使用済み燃料プールから1533体の燃料集合体を取り出すため、8月27日から、プールや隣接する圧力容器周辺に落下したがれきの撤去作業が本格化している。原子炉建屋上部を覆うように燃料取り出し用カバーの工事がほぼ完了、11月中旬の取り出し開始に向け、準備は最終段階だ。
4号機の原子炉建屋は水素爆発で大破、東電はプールを支える補強工事をしたが、大地震でプールが倒壊する恐れがあると不安視する声があり、早期の取り出しが求められている。
作業による被ばく線量は1日2ミリシーベルトを見込む。多い日で86人を投入、プール内の水を浄化して透明度を向上させ、水中カメラで確認しながら作業する。
10月初めには、プール内で保管されていた制御棒などを圧力容器内の新設ラック(収納棚)に移す。その後、燃料ラックの上のがれきを撤去しながら、燃料を別棟の共用プールに移す。燃料取り出し作業は来年末まで続く予定。
【5、6号機】廃炉が焦点
爆発こそなかった5、6号機では、原子炉格納容器や使用済み燃料プールへの注水作業が続いている。東電は、原子炉を冷却し安全に保つシステムについて「安定した状態が続いている」としている。
県や県議会は廃炉を求めており、立地4町も8月、県内全10基の廃炉の方向性を初めて確認した。しかし、東電や経済産業省は対応方針を示さず、焦点のままだ。
【福島第2原発】2号機の燃料集合体を9月中旬にも取り出し
福島第2原発では、1号機の「冷温停止」の維持に必要な設備の本復旧作業が5月末に計画より2カ月遅れて完了、先行して終えた2〜4号機と同様に仮設だった設備は全て「常設」になった。原子炉内の燃料集合体を使用済み燃料プールに移す作業は、4号機に続いて2号機でも準備を進めている。
2号機の格納容器のふたなどを外し、9月中旬に燃料取り出しを始める見通し。
東電は、県や県議会などが「県民の総意」として求めている福島第2原発を含む県内全基廃炉をめぐり「全く未定。国の原子力政策の下で判断する」(広瀬直己社長)という姿勢を崩さず、県民の不信感をさらに増幅させている。
東日本大震災2年6カ月特集 福島原発は今(2/5)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00010019-minyu-l07
福島民友新聞 9月3日(火)17時34分配信
汚染水問題“最大の壁” 廃炉作業の前に立ちはだかる
廃炉作業の前に立ちはだかる目下最大の壁は汚染水問題だ。300トンの高濃度汚染水が地上タンクから漏れて県民を不安にさせ、漁業者を失望させた問題の元凶は、溶け落ちた核燃料を水で冷やし続けるシステムにある。
山側からは毎日800〜1000トンの地下水が流れ、このうち400トンが建屋に入って汚染水と化す。建屋をよけた地下水も護岸近くにたまった高濃度汚染水と混じって海へ流出したとみられ、対策は待ったなしだ。
東電だけでは対応できないという認識が急速に広がり、遅ればせながら「前面に出る」と宣言した安倍政権と政府。その政府と県民不安のはざまで存在意義を問われている県も含め、県民からは厳しい視線が注がれている。
東日本大震災2年6カ月特集 福島原発は今(3/5)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00010020-minyu-l07
福島民友新聞 9月3日(火)17時35分配信
溶けた「核燃料」どこへ 金属などと一緒に再び固化
炉心溶融で原子炉圧力容器内から格納容器の底へと溶け落ちた核燃料は、どうなっているのか―。原子力の専門家たちは、燃料を覆っていた金属などと一緒に溶けて混じって再び固まったとみている。
関係者の間では「すでに核燃料と呼ぶべきでない」という問題提起があり、現場では「燃料デブリ」という造語が使われ始めた。デブリは破片、ごみ、くずなどの意味。しかし、紙くずなどと違って熱と放射線を出し続けるため、冷やさなければ事故拡大の恐れのある、えたいの知れない核物質だ。
東日本大震災2年6カ月特集 福島原発は今(4/5)
福島民友新聞 9月3日(火)17時37分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00010021-minyu-l07
建屋からの湯気、窒素ガスが変化 福島第1原発3号機
福島第1原発3号機の原子炉建屋の5階中央部から上った湯気は8月7日に確認されて以降、「現在まで発生していない」(東電)。
湯気は、水素爆発を防ぐため原子炉格納容器に注入した窒素ガスが温度や湿度の条件により湯気になるとみられる。今後も発生する可能性がある。
格納容器内には水素爆発当時の放射性セシウムなどが残留、東電は監視と周辺の線量測定を継続する。
東日本大震災2年6カ月特集 福島原発は今(5/5)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130903-00010022-minyu-l07
福島民友新聞 9月3日(火)17時38分配信
原発構内で働く作業員、人員確保と健康管理課題
汚染水問題などトラブルが相次ぐ中では、原発構内で働く作業員を今後も十分に確保できるのかが、大きな課題だ。東電によると、第1原発の作業員は1日平均約3000人。9月からは地上タンクの見回り作業員を増やすため約3100人が同原発に入る。
東電は、作業員の確保について「ある程度の余裕はある」とするが、高温多湿、高線量の過酷な労働環境に新たなトラブル発生も想定する必要があり、長期的な人員確保対策と健康管理が求められている。
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