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http://mainichi.jp/opinion/news/20130902ddm003070086000c.html
2013年09月02日
まずい流れだ。放射能汚染水。制御できない。
「国が前面に出る」と経済産業相は言うが、実動部隊が納得し、奮い立たねば実のある成果は期待できまい。先週末、福島第1原発に通う東京電力社員の話を聞き、そう思った。
「管理職が(屋外の)現場に行かないんですよ。ほとんど線量浴びないで退職していく管理職がかなりいる。そのことに対する不満が職場にある。『(点検や補修のため、現場に)行ってきてくださいよ』と管理職にはっきり言う人もいますが、(廃炉作業の)実施計画には『屋内で管理』と書いてある。管理職はそれを盾にとるんですよ」
名前も、年齢も、職種も書けない。跳ね上がりの不満分子ではない。慢性的情報不足、場当たり的命令と職場の風通しの悪さに泣く平均的社員である。
「いま、職場では、汚染水タンクのパトロール要員をどう割り振るかっていう話をしています。記者会見で副社長が『1日4回(従来は1日2回)やる』って言っちゃったでしょ? でも人手は増えない。あれやれ、これやれって言ってくるけど、現場作業員の(被ばく)線量なんか本気で考えていないと思う」
「こないだ、大臣が来てどなってましたね。ああいうの見ると、ふざけんなって思いますよ。オマエに何が分かるんだって」
汚染水の一部海洋流出は事故直後、2011年4月の段階で露見していた。首相補佐官だった馬淵澄夫元国土交通相(53)が、新たな地下水の流入を防ぐ土中壁の建設を求めたが、東電は無視。曲折を経て壁の建設は始まったものの、何事も受け身で渋々という東電流は相変わらずだ。
今年4月、地下貯水槽から大量の汚染水が漏れ、問題が再燃した。東電は、多核種除去装置(東芝製ALPS=アルプス)で汚染水の有害核種を除き、漁協の了解を得て海に流すつもりでいた。ところが、6月、この装置が故障。8月、間に合わせの地上タンクから汚染水が海に流れ出し、パニックが広がった。
経緯を見守ってきた官僚は「制御不能。いや、相当まずいですよ」と嘆息。ここに至って首相、経産相が政府の責任を強調し始めたという流れである。
原発事故の鎮圧に携わった自衛隊の将官から「戦争と同じ」という感想を聞いたことがある。汚染水をめぐる混乱は、第二次大戦における日本軍のガダルカナル作戦を思わせる。
南太平洋のガダルカナル島では、補給の失敗で2万人近い日本の将兵が餓死した。失敗の原因は、敵を甘く見、己を過信したところにある。戦略に大局観がなく、打つ手が場当たり的だった。東京の机上では想像できない実情を、首脳部が把握できなかった(「失敗の本質/日本軍の組織論的研究」中公文庫)。
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