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('No expertise' for decommissioning in Fukushima: DW English)
http://www.dw.de/no-expertise-for-decommissioning-in-fukushima/a-17046441
原子力
福島廃炉のための「専門技術がない」
損傷した福島原発ではほぼ毎日新たな問題が発生しており、東京電力は独力で原子炉を廃炉にする取り組みでの敗北を認めたようだ。
大地震と大津波が福島県の第1原発に吠えかかり、これが引き金となって、この施設の原子炉4基のうち3基で、制御不能な核燃料のメルトスルーが発生してから30ヵ月近く後になって、発電所の運営会社・東電は、歴史上2番目の悪さの原発事故に対処する能力を同社が持っていないことを、基本的に認めた。
月曜日、茂木敏充経済産業相は、同社の上級役員から、案内付きの発電所視察の機会を得た。まだ解決していない問題の規模の大きさを自分自身で確かめるためだ。
「事態の緊急性は非常に高い」と、茂木氏は厳しい表情で記者たちに語った。「今後は政府が責任を負う。」
8月、水タンクの1基から水漏れが見つかり、汚染水が海洋に達した可能性がある。
そのユーティリティ企業は、タンクに対してより綿密な点検をもっと頻繁に実施すべきだった、また、弱いタンクは耐性の強い溶接のタンクに交換すべきだったと、茂木氏は語った。
「重大な事象」
この大臣の訪問からちょうど数日前、日本の原子力規制委員会は、300トンと推定される高レベルの放射性の水が原子炉に近い鋼鉄製のタンクから漏れたことを、国際原子力事象評価尺度によるレベル3の「重大な事象」と評価した。内部の水の水位を監視するための測定器がタンクに備わっていなかったため、この水漏れは気づかれないままでいた。
その翌日−損傷した原子炉の温度を一定に保つために原子炉に浴びせられて汚染した、数十万トンの水を保管する別のタンクを点検したことから−放射線レベルが上昇した「ホットスポット」がさらに2カ所、近隣で確認された。
東電が認めた事柄が、初期からの一連の災難−作業員たちが放射性微粒子を浴びせられたことから、放射性の水が太平洋に漏出しているのを認めるのが遅れたことまで−と結びつけて考えられ、それが、東電には単に危機を扱う用意がないという印象と一体になり、日本の一般国民の怒りを促し、政府が関与せざるを得なくなったように見える。
「私たちは政府として、予備費を活用するなど、財政措置について当局者と密接に協力しながら、先端技術を要する措置を適切に実施する」と、茂木氏は語った。
「遺憾な」事態
この財政面での約束は、菅義偉官房長官の発言に共鳴したものだ。菅氏はその日早く、福島原発の事態は「遺憾」であり、政府は、自然災害や他の緊急事態の結果に対応するために取っておいた本年度予算3500億円(35億7000万米ドル)の一部を使い、支援に乗り出す可能性があると語った。
最近の事故のために、作業員たちは許容量以上の放射線を受けるようになっている
ここでは多くの人々が、こうした判断はずっと以前に為されるべきだった、また、大事故が発生した直後に、東電が原子力の専門家や専門機関から助言や指導を受けるよう、東電に命令が為されるべきだったと、強く考えている。
「福島での意思決定はずっと以前に東電から取り上げるべきだったと、若い人たちはずっと感じていた」と、東京を拠点に活動するラジオ司会者・ジャーナリストの中野博文氏は、ドイチェ・ヴェレに語った。
「古い世代は、『日本株式会社』台頭の背後にある大企業の存在をまだある程度信じているので、違った感じ方をするかも知れないが、実際には、東電をこれ以上信じる人は誰もいないと思う」と、彼は付け加えた。
「彼らは発電所の問題について、私たちに全部伝えてくれたわけじゃないのに、私たちはどうやって彼らを信じることができるのか?」と彼は尋ねた。「しかしその一方で、この種の事態が過去に起きたことは一度もなく、東電に身を退くよう強要したとしても、その場所に誰を置けばいいのか?」
一般国民の不支持
読売新聞は月曜日の社説で、東電が一般国民の支持を失ったという感覚を強調した。
「しかし、このユーティリティ企業が危機に対処する能力は、資金・人材の両面で限界に近づきつつある」と、社説は述べた。「こうした状況の下では、問題に取り組むために、政府の幅広い支援・協力がますます重要となるのは確実だ。」
日本エネルギー経済研究所の原子力エネルギー専門家である村上朋子氏は、東電の活動を擁護し、あの状況の中で東電は最善を尽くしてきたと語った。
「このような事態はいままで起きたことが一度もなかったので、何をするのが最善か誰も知らないことが問題だ」と、彼女は語った。「それでも、日本の人々がもはや東電を信じていないことには、私も同意する。」
日本の原子力監視機関は、先日、水漏れがさらに発生し得る可能性について、憂慮を表明した
東電も、企業の上層部が恐らく同じ結論に達しているであろうことや、そろそろ原子炉廃炉の負担を分かち合う時かも知れないことを仄めかした。廃炉の作業は、慎重に見積もっても30年かかる。
「廃炉の取り組みを分離するのが多分正しいことだとの考えが広がりつつある。つまり、東電の業務のそういった面を進めて貰うために、原子炉を運営するために会社を設立し、そこにやって貰う」と、匿名を望むある東電社員がドイチェ・ヴェレに語った。
「この発電所の設計に東電は一度も携わらなかったし、耐用期間の終了に達した時に廃炉を行うとされたことも一度もなかった。だから、東電は電気を作るという、本来の業務に焦点を合わせるべきだ。」
「会社には必要な専門技術がなく、外部の専門家が緊急に必要だと、私は考える」と、その社員は付け加えた。「これを行う1つの方法は、別の政府出資の法人に廃炉業務を集め、東電は、私たちが進められるだけの発電所の安全な運営に全ての注意を注げるようにすることだろう。」
発表 2013年8月27日
記者 Julian Ryall, Tokyo
編集 Sarah Berning
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(投稿者より)
ドイチェ・ヴェレの英語サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。
東電・原子力村、一般国民、政府。バランスに配慮しながらも、こうした3者の姿を記者はきれいに描写しています。東電がこの期に及んで相も変わらず自分の言い訳と自分の言い分に終始し、国民はその身勝手さに痺れを切らし始め、政府も軸足を静かに動かし始めている(でしょうか?)ように読めました。記者にその意図があったかどうか、私には分かりませんが。
「廃炉の取り組みを分離」"to separate the decommissioning effort" しようがしまいが、東電が事故対応のために債務超過になるのなら、まずは破綻処理をすべきです。東電株が紙くずになれば困る人はいるでしょうが、社会正義は通す必要があります。「3.11」のずっと以前から、事故に至るような出鱈目を重ねてきたのは東電でした。原発の運営と廃炉の作業を別会社化することには反対しませんが、それとこれとは別の話です。
話は変わりますが、私としては、小泉氏が脱原発を相変わらず叫んでいることに注目しています。12月の総選挙の前にも脱原発発言があり、あの時は野党の躍進を予想して擦り寄るつもりかも知れないと考えましたが、現在、選挙は当分ありません。基本的に原理原則の人というよりは、むしろ、勝負師ですから、問題の表と裏を見切った上で「脱原発に勝算あり」と読んだのだと思っています。そのようなこともあり、自民党が軸足を動かし始めている可能性がなくもないと考えています。
勿論、私のこの見方は検証が必要で、まずは、今月点検停止に入る大飯3・4号機など、4社6カ所12基の再稼働を原子力規制委員会がどう判断するか、様子を見たいと思ってます。
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