http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/201.html
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フクシマ原発の汚染水漏れ問題については、ここ数日、さすがにフクシマの話題を意図的にスルーしてきた大手マスコミもこれを報じざるを得ず、その悲酸さは既に皆さんご存知のことであろう。同問題については、政府が大金(血税)を注ぎ込んで「凍土遮水壁」構築を表明すると共に、原子力規制委は今回の汚染水の流出事故を「レベル3」に引き上げる旨のコメントを発しているが、そんなものは”口先だけ”の無責任な対応である。
東電がもはや全くやる気がなく、ギブアップも同然であることは自明であるにも拘らず、政府・規制委共に、今まさに現在進行形ですすんでいる高濃度汚染水の海洋流出に何ら手立てを講じず、すべてを”ゾンビ企業”と化した東電に押し付けているのであるから、政府も役人も無責任極まりないと断じて然るべきであろう。(ちなみに、先日のエントリーにて指摘したとおり、政府が推し進める「凍土遮水壁」はその効果が半信半疑であるにも拘らず、これに大枚叩いてゼネコン鹿島に発注するという”利権構造”そのものという悪質さである)
で、今回の汚染水漏れ問題について、時が経つにつれて聞こえてくるのは、起きるべくして起きた”人災”だということを裏付ける話ばかりである。以下のゲンダイ記事にあるように、今回300トンの汚染水漏れが明らかとなったタンクは「耐用年数5年」のパッキンが用いられ、海水で容易に錆びる鉄製だというのであるから、汚染水漏れが起きることは最初から時間の問題だったのである。
今回漏水したタンク以外でも同様のことが早晩起きることは想像に難くない話であろう。
そして何より深刻なのは、漏れている汚染水の濃度である。公表されている汚染水濃度は「30兆ベクレル」という目も眩むようなレベルであり、その内訳はストロンチウム90が10兆ベクレル、セシウム137が20兆ベクレルというのであるから、ただただ”唖然”の一言である。そしてさらに”唖然”とさせられるのが、地元の県漁連の反応と東電のコメントである。
以下3点目の時事通信記事にあるように、県漁連は高濃度汚染水の海洋投棄に「前向き」に同意し、この期に及んでまだ「風評被害」などと言っているというのであるから、これはもうお話にならない話である。批判を承知で敢えてコメントするが、福島近海はもはや酷く汚染され、海産物は壊滅的ダメージを受けているのであり、これは「風評被害」などではなく「実害」である。
地元の県漁連の方々が、ほとぼりが冷めた頃にまた操業開始できると本気で考えているとすれば、それは政府・東電にマンマと騙されているのであり、そんなことをすれば日本全土に汚染を拡散することになるということをいい加減に自覚すべきであろう。県漁連がすべきことは、操業の再開ではなく、政府・東電への賠償請求である。操業再開が意味する所は、本来、政府・東電が当然に賠償すべき問題を、多くの国民にそのツケを押し付けるも同然の行為だということである。
さらにもう一点、”唖然”とさせられるのが、以下4点目の読売記事にあるように、東電が「流出に伴う汚染の影響は、防波堤や水中カーテンで仕切られた福島第一原発の港湾内にとどまっている」と説明している点である。そんな魔法のような水中カーテンが本当にあるのであれば、誰も苦労はしない。バカも休み休み言えという話である。
今回、地下汚染水の海洋流出にはじまり、汚染水タンクの漏水に発展した「海洋汚染問題」は現状、これを食い止める術がまったく見当たらず、今後、長きに亘り、海洋汚染が続くことはまず間違いないであろう。これを受けて、以下5・6点目の記事にあるように、韓国に続き、中国が正式に今回の汚染水漏れに対する懸念を表明しているが、何もこれは日頃の”反日感情”だけから来るものではなく、純粋に隣国としての懸念と考えるべき話であろう。そして、このままでは中韓以外の他国がこれに追随することは時間の問題だろう。
即ち、その先にあるのは天文学的な「国家賠償補償」と「日本製品・食材の不買・忌避」だということである。本日より、また”インチキ”TPP交渉が始まったが、フクシマ原発にてこのような対応をしていたのでは、政府・マスゴミが「聖域」と強調する日本の農産物は「守るべきもの」以前の問題であろう。即ち、TPP交渉自体がはじめからインチキで、もはやすべて決定済みに等しいのが実情であり、日本政府のいう「交渉」とは単なる”茶番””パフォーマンス”であるが、これでは戦う(フリの)前から、守るべき農作物などないということである。今回の「高濃度汚染水ダダ漏れ劇」により、日本は阿鼻叫喚の巷と化し、この先、日本に待ち受けているのは暗黒の未来であろう。
(転載開始)
◆福島第1原発 汚染水タンク350個が全滅危機 2013年8月21日 ゲンダイネット
○東電の安普請・ドロナワ作業で最悪事態
どうしたらこうなるのか。東京電力は福島第1原発のタンクから漏れた放射能汚染水の量を当初「少なくとも120リットル」と推定していたのに、20日になって「300トンに達する」と変更した。一気に2500倍に増えたことに絶句だが、汚染水の漏出量はこんなものでは済まない。
東電はダダ漏れになっていた地下貯水槽の汚染水を、6月上旬までに地上タンクに移し替えた。タンクは直径12メートル、高さ11メートルの円柱状で、容量は約1000トン。漏れた300トンは大体、25メートルプール1つ分だ。実はこのタンクは当初から“ヤバイ”と指摘されていた。部材を溶接ではなく、ボルトでつないで組み立てる構造のため、ボルトが緩んだり、止水用パッキンが劣化すると、汚染水が漏洩するんじゃないかと懸念されていたのだ。「過去に4回、タンクから汚染水漏れが起きていて、いずれもつなぎ目部分から見つかっています。今回はまだどこから漏れたか分かりませんが、恐らく、つなぎ目に原因があるのでしょう」(ジャーナリスト・横田一氏)
東電によると、パッキンの耐用年数は5年ほど。交換するにはタンクそのものを解体しなければならないが、漏洩が見つかるたびに解体するのは非現実的だ。外側から止水材を塗るなど、その場しのぎの対応に追われることになりそうだ。問題はボルトとパッキンだけではない。タンクが“鋼鉄製”なのも大きな懸念材料という。日本環境学会顧問・元会長で元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏が言う。
「汚染水は原子炉冷却に使われた水で、当初の海水冷却により塩分を含むものです。鋼鉄製のタンクは錆びやすく、腐食して穴が開き、漏れた可能性があります。安全性を考えるのであれば、東電は鋼鉄製ではなくステンレス製のタンクにすべきでした」
<錆びて腐食、止水用パッキンの寿命はたった5年>
東電がそうしなかったのは、鋼鉄製の方がコストがかからないからだ。さらに言うと、溶接型ではなくボルト型にしたのも、短時間で増設できるから。いかにも東電らしいドロナワ対応といえるが、このボルト式の同型のタンクは敷地内に350個もある。もし、今回と同じ300トンの汚染水がすべてのタンクから漏れ始めたら、10万トンではきかない計算になるから、考えるだけでもゾッとする。しかも、汚染水は1日400トンのペースで増え続けていて、東電は現在貯蔵可能な約39万トン分のタンクの容量を2016年度までに80万トン分まで増やす計画だ。
一方で安普請のタンクからの汚染水漏れの手当ても同時にやらなければならない。今回の汚染水からは、法令で放出が認められる基準(1リットルあたり30ベクレル)の数百万倍に達する8000万ベクレルの放射性ストロンチウムが検出された。300トン分で約24兆ベクレルである。はっきり言って東電は終わっている。
◆海へ流出、最大30兆ベクレル=ストロンチウムとセシウム―東電試算・福島第1原発
時事通信 8月21日(水)20時8分配信
東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海に流れている問題で、東電は21日、事故直後に流出防止工事をした2011年5月以降も、2、3号機のトレンチ(ケーブルなどの配管用トンネル)にたまった高濃度汚染水が海に流出した可能性があり、ストロンチウム90とセシウム137で最大計30兆ベクレルに達するとの試算を発表した。東電が規定している放射性液体廃棄物の平常時放出管理目標値と比べ、二つの放射性物質で約60倍になる。
東電は海への流出量の最大値について、ストロンチウム90が10兆ベクレル、セシウム137が20兆ベクレルと試算。放射性物質が流出するルートとして2、3号機のトレンチのほか、汚染された地下水の流出も否定しなかった。一方、漏れ出た期間を12年12月以降と最も短くした場合の試算でも、ストロンチウム90とセシウム137の総量は計1兆7000億ベクレルで管理目標値の10倍超となった。12年12月を起算点とした理由について、東電は同月に実施した地下水観測用井戸の調査で、放射性物質が検出されなかったためと説明した。
今回の試算はストロンチウム90やセシウム137が対象。限られたデータに基づく試算にすぎず、東電は「今後も評価精度の向上に努める」としている。高濃度汚染水の海洋汚染をめぐっては、事故直後の11年4月、ヨウ素131が2800兆ベクレル、セシウム134と137で計1900兆ベクレルが漏れ出たと試算されているが、今回の結果には含まれていない。
◆地下水放出「前向きに」=県漁連会長が表明―福島
時事通信 8月22日(木)20時30分配信
東京電力福島第1原発の汚染水問題で、福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は22日、傘下漁協の組合員向け説明会を同県相馬市で開いた。野崎哲会長は、原子炉建屋地下で放射能に汚染される前に地下水をくみ上げ、海に放出する東電の計画について「個人としては、安全確認をしながら前向きに考えたい。組合員が同意する形に持って行きたい」と述べた。
県漁連は9月中にも意見を集約し、同意の可否を判断したい考えだが、組合員には風評被害の懸念や東電に対する不信感が根強く、曲折も予想される。
◆30兆ベクレルの放射性物質、海に直接流出か 2013年8月22日 読売新聞
福島第一原子力発電所から汚染水が海に流出している問題で、東京電力は21日、事故直後に原子炉建屋で発生した極めて濃度の高い汚染水が、海に向かう配管・ケーブル用のトンネルを通じて、直接、流出している可能性が高いと発表した。これまでに流出した放射性物質の総量が最大30兆ベクレルと推計されたためだ。東電が事故前に平常時の基準として定めていた放出限度(年間2200億ベクレル)を大幅に超える量という。
東電は今後、流出経路と疑う2、3号機のトンネル内から汚染水の一部をポンプで抜いたり、浄化処理装置で放射性物質の濃度を下げたりするなどの緊急対策を行う。しかし、トンネルは複雑な形で互いに接続している上、人が近づけないほどの汚染水の発生源である建屋ともつながっていることから、汚染水を完全に回収するめどは当面立たず、流出が止まるかどうかは不明だ。東電は「流出に伴う汚染の影響は、防波堤や水中カーテンで仕切られた福島第一原発の港湾内にとどまっている」と説明する。
◆中国が福島第一原発の汚染水漏れに懸念を表明 2013/08/21(水曜) 21:25イランラジオ
中国が、福島第一原子力発電所の汚染水漏れの継続に懸念を示しました。ロイター通信が中国の首都北京から伝えたところによりますと、中国外務省は21日水曜、声明を発表し、日本の関係者が、福島原発事故による悪影響を止めるため、より迅速な措置を講じることを期待しているとしました。東京電力は、20日火曜、およそ300トンの汚染水が漏えいしたことを明らかにしました。それ以来、東京電力は、放射性物質の漏えいを阻止しようと努めています。福島第一原発の被害と放射能漏れは、26年前のチェルノブイリ原発事故以来、最悪の原発事故とされています。
◆福島の汚染水流出、韓国が資料要請 日本政府に対し
2013年8月19日20時0分 朝日新聞
【ソウル=貝瀬秋彦】東京電力福島第一原発からの汚染水流出問題で、韓国政府当局者は19日、日本政府に詳しい資料の提供を要請していることを明らかにした。具体的には、汚染水流出の状況や放射能濃度、海洋の生態系に与える影響の分析結果、放射性物質の計測などに関する資料という。当局者は「韓国で安全問題が起きているわけではなく、状況を確認するため」としている。
(転載終了)
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/3559e2b4f693f3c1e9a1013a777d545f
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