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東京電力で滅亡するこの国 福島原発と間もなく心中必至
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2013/8/22 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
なぜこの深刻な問題から逃げているのか 安倍政権とグルの大新聞
福島原発の汚染水問題に対する安倍政権と東電のドロナワ対応を見ていると、絶望的な気分になってくる。一体いつになったら、原発事故は収束に向かうのか。ハッキリしているのは、東電に任せていたら、この事故は永遠に収束しないということだ。
ここは国が腹をくくって乗り出すしかないのだが、安倍政権はこの問題から逃げ続けている。そればかりか、海外に原発を売り込もうと躍起になっているのだから度し難い。
政府や東電の発表を垂れ流す大手メディアも、コトの深刻さを本気で伝えようとしない。おそらく根本的な解決策はないのだ。だから、政府もメディアも、事故の現実から目をそらし、問題を先送りしている。我々は傍観するしか術がないのか。
福島原発の収束には、この先100年、200年とかかるだろう。東電によって、日本の国土がむしばまれ、経済的にも破滅させられる。この国は、もう福島原発と心中するしかないのだろうか。
◆汚染水処理は永遠にできない
今回、貯蔵タンクから300トンもの高濃度汚染水が漏出していた事故で突きつけられたのは、原発の汚染水処理は絶望的な状況にあることだ。
福島原発は今も、1〜3号機の核燃料を冷やすために注水をつづけている。
ただ、原発建屋は地震や津波によって穴が開き、水がどんどん漏れている。1日に約400トンもの汚染水が発生している状況だ。
「東電はあちこちに掘った井戸から汚染水をくみ上げ、敷地内に設置した約1060基の貯蔵タンクにためています。その総量はすでに約33万トンにも達しています」(科学ジャーナリスト)
核燃料を冷やし続ける限り、汚染水は無限に発生する。その処理に欠かせない貯蔵タンクが事故からたった2年余りで壊れ、いまだに漏出箇所や詳しい原因すら分かっていないのだ。
貯蔵タンクは、鋼材をボルトでつなぎ合わせて内側に止水材を施しただけの簡単な構造。使われているパッキングの耐用年数は5年しかない。つまり、寿命を迎えるまで残り3年。3年後には大幅な改修が必要になるが、敷地確保など、何ひとつメドが立っていない。
東電は貯蔵タンクを80万トンに増やす計画だが、いかにも場当たり的だ。
「今後、福島原発の敷地は、放射性物質で汚染された沼のような状態になっていくでしょう。汚染水は増え続け、漏出も続く。もはや、できることをやるという以外に方策はありません」(京大原子炉実験所助教・小出裕章氏)
永遠に増えつづける汚染水を完全に処理することなど、できっこないのだ。
◆放射能は漏れ続ける
汚染水漏出事故について、原子力規制委員会は、国際原子力事象評価尺度(INES)を「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げた。事故から2年余り経った今も、現場では大量の放射能が漏れ続けている。
今回、漏れた汚染水には、ベータ線を出す放射性ストロンチウムム90(法定基準は1リットル当たり30ベクレル)などが1リットル当たり8000万ベクレル含まれていた。規制委は、漏出量から放射性物質の総量は24兆ベクレルと推計。規模が大きすぎて実感がわかないが、その濃度は放出が認められている限度の数百万倍に達する。仮に1時間いれば、がん発生リスクが急上昇する値である。
恐ろしいのは、こうした「超ホット・スポット」が敷地内のあちこちに出現している可能性があることだ。
「福島原発ではメルトスルーした核燃料がどこにあるかも分からない中で、大量の地下水が流れ、汚染されている。そんな高濃度汚染水が突然、あふれ出し、多くの放射性物質をまき散らせば、敷地内に立ち入ることもできなくなります」(ジャーナリスト・横田一氏)
今回、汚染水が漏出した貯蔵タンクの近くも、放射線量が高く、作業員も長くいられない。その間に次々と貯蔵タンクが寿命を迎えれば、高濃度の汚染水がダダ漏れになる恐れだってあるのだ。
最後には、高濃度の汚染水が大量に海に流れ出すだろう。再び日本の国際的信用は地に落ちることになる。
「福島原発は今、人類史上初の困難な状況に直面している。今後、作業員の環境はどんどん過酷になり、被曝のリスクも高くなっていきます」(小出裕章氏=前出)
日本の空と海と大地は、どこまでも汚されつづけていく。
◆爆発した原発に修復対応策なし
汚染水問題は底ナシ。加えて、現場作業員の被曝線量は限界に近づき、人手不足も深刻化しつつある。廃炉作業は、進展どころか悪化する一方だ。
19日付の毎日新聞に衝撃的な記事が載っていた。「解体先進国」の英国でも、原発の廃炉作業には90年を要するというのだ。福島より小規模で、正常に停止した原発でも、それだけの歳月がかかってしまう。爆発を起こしてグチャグチャの福島原発の場合、途方もない時間がかかるのは間違いない。
「汚染水問題を見れば分かるように、『冷やす、止める、封じ込める』という当初のスキームは完全に破綻しています。このままでは、40年で廃炉どころか、何十年と汚染水を海へ垂れ流し続けることになる。メルトダウンした1〜3号機は、線量が高いため作業員が近づけず、いまだに原子炉内の様子は分からない。計器類も壊れていて、現状把握すらできないのです。チェルノブイリ原発は、たった1基の事故で、廃炉までに100年以上かかるとみられています。福島原発は破損箇所の特定もできず、メルトスルーした燃料を取り出す策もない。事故処理は今後、何世紀にもわたって、将来世代に負担を課すことになります」(横田一氏=前出)
溶け出した燃料は、扱いを間違えれば再臨界の恐れもあるが、取り扱う技術はどこにもない。原発の「安全神話」を妄信してきたツケだ。もはや人間の手には負えない事態になってしまった。事故の深刻さの前に、呆然と立ち尽くすしかない。
◆東電は倒産している
このまま東電に任せていたら、100年経っても原発事故は処理できない。国民に迷惑ばかりかけている東電は、いますぐ倒産させるべきだ。
実際、税金注入によって何とか生き延びているが、すでに東電は事実上、債務超過に陥っている。この先、生き返る可能性もない。
東電は今期の経常黒字を目指しているが、フザけたことに柏崎刈羽原発の再稼働が黒字化の大前提だ。当然、地元・新潟の反発を買って安全審査の申請すらできないまま。黒字化を前提に国からの借金を返済するという救済策は、もう破綻したのだ。
すでに政府は東電に1兆円を出資して実質国有化したほか、原子力損害賠償支援機構を通じて累計約4兆円もの税金を貸し与えてきた。
それでも賠償金や除染費用など、いくらカネがあっても足りない状態だ。独立行政法人「産業技術総合研究所」は先月、除染費用には約5兆円かかるとの試算を公表。当初の見込み額の4倍以上だ。
そこに天文学的規模の廃炉費用が東電の経営にのしかかってくるのだ。どれだけ税金をブチ込んでも、東電は底が抜けたバケツのようなもの。いずれ倒産するのは避けられない。
慶大教授の金子勝氏(財政学)はこう言った。
「今の危機的状況は、まともな国なら、とっくに政府が非常事態宣言を発令しているレベルです。実際、欧米メディアの方が日本のメディア以上に事故を深刻に伝えています。それなのに、東電という赤字企業に事故処理を任せ続けるのは異常です。安倍政権は90年代の不良債権処理問題と同じように、事故処理の深刻な事態を隠し、ツケの先送りを続ける気なのでしょうか」
ツケの先送りを続ければ、確実に「失われた20年」をさらに長引かせることになる。
◆原発事故賠償はできない
東電の破綻処理を先送りすればするほど、ワリを食うのは福島の避難生活者たちだ。
4・1兆円と試算された原発事故の賠償見込み額のうち、これまでに支払われたのは2・5兆円に過ぎない。安倍政権が後手後手の対応を続ければ、不自由な避難生活も長期化してしまう。
先日も福島の被災者16世帯19人が国を相手取って訴訟を起こしたばかりだ。被災者支援の「原発事故子ども・被災者支援法」が成立して1年以上経つのに、具体的支援策を怠ってきた国の責任を問うためである。彼らは「個人の慰謝料が目的ではない」として賠償額を1円ずつにとどめた。
被災者の避難生活が長引けば、その分、賠償額は積み上がっていく。事実上、債務超過に陥っている東電には、もはや被災者に賠償する余力は残っていない。支払うつもりもなくなっているのが実態だ。
「破綻処理を決めない限り、東電は生き残りのために福島への賠償費用を削るか、危険な原発を再稼働するか、電力料金を際限なく引き上げるかしかない。いずれも国民に犠牲を強いる最悪の選択です。東電任せでは、避難生活者はもちろん、国民も救われません」(金子勝氏=前出)
東電の破綻処理は待ったナシのはずだ。
◆電気料金はドンドン値上げされる
実質的に破綻している東電は、昨年11月、10兆円規模の賠償と除染、廃炉費用を払いきれず、国に泣きついた。この先も必要な経費は増え続け、天文学的な数字になってくる。
東電はこれまで福島原発の事故収束に約9600億円を投じたが、汚染水問題ひとつとっても、何も進展していない。最終的な廃炉費用は青天井だ。放射性物質は漏れ続け、除染費用もどこまで膨れるか分からない。海に漏れ出した汚染水の漁業補償もある。メルトダウンした燃料の回収にも、新たな研究開発費用がかかる。
「もちろん、東電に支払い能力はありません。しかし、国が全面的に負担すれば、無尽蔵に税金が使われることになり、国の原子力政策も批判を浴びることになる。東電を存続させたのは、電気料金で費用を回収する方法を残すためでもあります。そのため、廃炉費用を電気料金に上乗せできる制度改正が検討されています」(経産省関係者)
税金投入か、電気料金値上げか。いずれにせよ国民負担だ。東電を生き永らえさせれば、そのツケはドンドン国民に押し付けられることになる。
◆首都の電力はどうなる
このままゾンビのように東京電力を生かしていても、福島原発の事故処理は進まず、電気料金が上がりつづけていくことは目に見えている。とっとと東電は破綻処理するしかない。
問題は、東電を倒産させた後の首都圏の電力である。東京だけでも1000万人が暮らす大都会の電力需要をどうやって賄うのかだ。
しかし、東電がなくなっても電力を供給するのは不可能じゃない。やり方はいくらでもある。
これまで日本は、北海道は北電、九州は九電と“地域独占体制”でやってきた。それぞれの既得権を守るためだ。まずは、この体制をブチ壊すことだ。すでに中部電力が、遠慮がちに東京に進出しはじめている。東北電力や北海道電力が次々に進出するようになれば、かなりの電力を賄えるだろう。
「電力各社は“原発を再稼働しなければ電力不足に陥る”と国民を脅してきました。しかし、この猛暑でも足りている。電力供給はまだ工夫の余地がある。期待できるのは、新電力と呼ばれる電力小売事業者です。彼らは、企業の自家発電設備などから余剰電力を仕入れて、商業ビルや工場に販売している。自然エネルギーに熱心な業者も多い。でも、シェアは3・5%にとどまっている。送電網の利用料が高いからです。東電を解体して、新たに送電会社をつくり、新電力が安く利用できるようにすれば、新規参入も増え、もっと供給量は増えるはずです」(横田一氏=前出)
東電を残したままでは、利用者は永遠にバカ高い電気料金を払わされることになる。
大新聞テレビは直視しようとしないが、福島原発事故は解決しない。100年後も深刻な事態がつづいているだろう。東電の責任は本当に大きい。
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