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まず、この掘削機を買え! この超巨大掘削機なら、あっというまに原子炉建屋の周囲を掘り進むことができる。
フクシマ原発の処理方法は、次のような工程になる。
1、福島第1原発を周囲の環境から隔離することから始める。そのために、まず、海側に海水を閉じ込めるための堤防を作る。諫早湾に作ったものと比べればたいした規模ではない。突貫工事で1年あればできる。陸側にも地下水を遮断するコンクリート堤防を作る。これは、最初にあげた掘削機を使えば、あっという間にできる。
2、1,2,3号機の核燃料の位置を探る。弾性波などを使えば、相当正確にわかるはず。位置がわかった場合、2つの場合が想定される。A 数百メートル沈下していた場合は、冷却をやめてそのまま沈下させる。 B 数十メートル下にある場合、冷却を続けるかどうかを判断する。
Aの場合は、周囲の環境から遮断してしまえば、汚染の広がる可能性は少なくなる。問題はBだ。Bの場合、さらに2つの可能性がある。ひとつは、冷却をやめてもいい場合。これは、断続的再臨界が起きていないとわかったら、水の注入をやめてみる。これで大丈夫だと判断できれば、Aと同じように処理できる。
しかし、現状の情報から推測すると、少なくとも2,3号機では断続的な再臨界が生じている。これを抑える必要があるだろう。核連鎖反応を抑えるには、中性子を吸収するか遮蔽する材料が必要になる。しかし、どのような形状で核燃料が落ちているかわからない状態なので、取りうる手段も限られてくる。
ハンダボール作戦
冷却水にハンダボールを混ぜる方法だ。ハンダボールは、鉛とスズの合金で、非常に細かな粒になっている。冷却水に混ぜて注入すれば、核燃料に摂食して、溶解する。もし、オクロの天然原子炉のように核燃料の隙間に入った水が減速材の役目を果たし、連鎖反応が断続的に起きているのなら、この隙間にハンダボールが入ることで、中性子を遮断して反応は収まる。
ハンダボールで収束できない場合はどうしたらいいか? 核燃料の形状を変えて、反応しないようにすればいいのだが、これは相当難しいだろう。核爆弾を使えば可能かもしれないが、それでは汚染が無限に広がってしまう。
ヤシマ作戦
少々エヴァ的になるが方法はある。上から金属を溶かして流し込んでしまうという方法だ。幸い鉄は中性子の反射材になる。鉄は、圧力容器、格納容器がある。どうするかといえば、格納容器を取り囲むように、巨大なコイルを設置する。つまり原子炉をそのまま高周波電気炉にしてしまうのだ。圧力容器、格納容器を溶かして、核燃料の上から流し込む。溶けた鉄がデブリの隙間に入り込めば、反応が収まるはず。
電気炉を駆動するためには、大量の電力が必要になる。日本全国の発電所から調達しなくてはいけない。新東京市を防衛するヤシマ作戦だ。一時的にとなりの福島第2から引っ張ってもいいかもしれない。
ハンダボール作戦もヤシマ作戦もできない場合は、どうしたらいいか? もうひとつかなりリスクの大きな方法が残っている。中途半端な深度に核燃料が留まっている場合、さらに深く沈下させてしまえばいい。
ディープインパクト作戦
数十メートルくらいの深度に核燃料があって、水も届かず、電気炉で溶融することもできない場合、考えられる手段は、これだ。
まず、最初の巨大掘削機で核燃料のすぐそばまで掘る。そして、中性子発生加速器を用意して、核燃料めがけて打ち込むのだ。中性子を打ち込むことで、連鎖反応を促進させて、核燃料デブリの温度を上昇させる。この反応は制御可能なので安全だ。
温度が上昇したデブリは、岩盤を溶かし始め沈下が始まる。数百メートル下に落としてやるわけだ。しかし、温度を上げた状態で水と接触すると水蒸気爆発が起こる。中性子が届くまでデブリの近くまで掘ると、相当放射線濃度が高い。これは最後に残された方法だろう。
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