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日本原子力研究開発機構の改革イメージ
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/44992.html
2013年8月21日午前7時09分
高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構の組織見直しに向けた文部科学省の改革案がまとまり、原子力機構は今秋、具体的な改革計画や工程表を策定する。もんじゅは2010年5月、14年5カ月ぶりに運転再開したが、3カ月後に燃料交換用の装置が原子炉容器内に落下。昨年11月には約1万件の機器の点検漏れが発覚し、原子力機構に対する信頼は失墜した。核燃料サイクル政策の要として今後実績を上げることができるのか。改革の実効性が問われる。
■出向者は大幅増
官民一体で運転・管理に取り組むのが改革案の大きな特徴。もんじゅを理事長直轄の組織とし、民間発電所の所長経験者が安全担当役員として常駐する。電力会社からの出向者を現行の35人から大幅に増員し、責任ある部署に配置する。
敦賀市の石川与三吉県議は「民間の技術を入れた方が運転再開できる可能性は高い」と評価。18年間ほぼ停止し、職員の経験値が積み上がっていない状態を「農場の整備ばかりしていて、実際に作物を作っていないのと同じ」と例え、早期稼働を求める。トラブルがあればすぐに停止させながら、実績を積み上げるべきとの考えだ。
ただ、民間のノウハウは「施設の管理・運営には役立つ」(原子力機構関係者)としても、冷却材にナトリウムを使う特殊な炉であるもんじゅに対する技術は、電力会社にない。「外に頼るということで本当に大丈夫か」(杉本達治副知事)との懸念はつきまとう。
常にナトリウムを循環させる必要があり、完全に停止できないのに、軽水炉と同様の設備保全計画を導入したことが大量の点検漏れにつながったと指摘する関係者もいる。定期検査に入れば、停止した状態で点検できる軽水炉とは、構造が全く異なるということだ。
5月に事実上の運転禁止命令を出した原子力規制委員会の田中俊一委員長は「電力会社は高速増殖炉の素人。もんじゅを動かすことが目的になると問題が起こる」と指摘している。
■名称「発電所」に
名称を高速増殖炉研究開発センターから「もんじゅ発電所(仮称)」に変更している点に県や敦賀市は強い不快感を表明している。
元県原子力安全対策課長の来馬克美福井工大教授も「研究開発機関と発電所という二つの側面の一方だけを強調して組織を変え、軽水炉の運転経験を注入すれば何とかなるというのは単純すぎる結論」と懐疑的だ。
核融合などの研究開発部門を分離し、原子力機構がもんじゅに専念できる体制を整えるのも大きな見直し。「敦賀本部」の名称が改革のイメージ図から消えているなど、文科省案の多くの部分に問題があるとしながらも、県の櫻本宏安全環境部長は「原子力機構の経営資源を集中させるのは一定の方向性」と業務の集約には賛同する。
一方で、もんじゅが核燃料サイクルの中でどう定義されるかは不透明なまま。エネルギー政策の根本となるエネルギー基本計画の策定に向けても、軽水炉の位置付けをめぐる議論すら深まっていないのが現状だ。
来馬教授は「ただ発電所として動かすべきだという話に終わってしまい、何か新しいものを生みだそうとする研究開発という根本の部分が消えてしまいかねない」と話し、方向性があいまいになることを憂慮している。
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