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(前半部抜粋)
自身が見た8つの夢を元に構成された黒澤明監督のオムニバス映画「夢」は1990年公開。ニューヨークのロックフェラーセンターを2000億円で三菱地所が購入し、身の丈を超えた泡沫経済(バブル)に沸く日本に対し欧米の視線が厳しくなった時期の作品です。
が、その日本国内では巨匠の新作への出資者が現れず、やむなくスティーブンスピルバーグ監督の仲介でワーナーブラザーズとともに制作にこぎ着けます。
第6話の「赤富士」は地震・火山大国ニッポンの富士山が赤く変色し、人々が逃げ惑う中で寺尾聰が演ずる主人公が「何があったんですか?」と尋ねるや、「あんた知らないの?原発が爆発したんだ」と子連れの根岸季衣が答えるシーンから始まります。
「作った場合にさ、人間では制御できない性質を持ってる訳でしょ?それを作るっているのが、そもそも僕は間違いだと思う」。公開時に述懐した巨匠は6基の原発が暴発する中で、「安全だ、絶対ミスを犯さないから問題ない、と抜かした奴らは許せない!」、「狭い日本にいる私たちは、いったいどこに逃げられるというの」と登場人物に叫ばせます。
(後略)
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黒澤明はこんな映画も作っていたんだね。
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