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チェルノブイリ原発事故ドキュメンタリー番組を通して振り返るフクシマ原発事故を巡る日本政府の対応
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2013年08月13日 暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜
「これは福島県再生のための参考になる」
「そこには、生きていける希望がある」
上記に取り上げた映像は、今からちょうど2年ほど前にテレビ朝日系列にて放映されたもので、未曾有の原発事故から25年を経過したチェルノブイリの現状とそこから学ぶべき教訓を訴える内容である。
同動画の後半で登場する「スラブチチ」(Slavutych)という街は、チェルノブイリ原発事故後、重度に放射能汚染された原発近傍の住民を移住させるために旧ソ連政府(当時)によってつくられた街である。
ここで注目していただきたいのは、この「スラブチチ」という街が原発事故後、たったの2年という短期間でつくられたという点である。
この街では市民が口にする食品は勿論、街の外から足を踏み入れる者に対する放射線量が厳重に管理され、映像にもあるように、ここに暮らす住民達は暗い過去を抱えながらも、”安心感”と”希望”を持って暮らしているのである。
チェルノブイリ原発事故の早期収束(石棺)実現のために数多くのリクビダートル(原発作業従事者)が文字通り命を張ってこれに従事したことは勿論、ゴルバチョフ書記長(当時)の強いリーダーシップの下、国家を挙げての多大な尽力があったからこそ、僅か2年という短期間で「スラブチチ」なる”新天地”をつくることができたのは言わずもがなであろう。
対する我が日本はどうであろうか?
フクシマ原発事故から2年以上が経過した今のフクシマを取り巻く現状をみれば、旧ソ連と日本、どちらがマトモかは自明であろう。
福1の収束作業については、東電・経産省・政府が未だに多くの隠蔽工作を繰り返し、ここ直近の高濃度汚染水問題ひとつをみても、事態は収束するどころか悪化する一方である。
そして何よりも酷いのが、原発周辺住民に対する対応である。
旧ソ連では市民の健康・安全の確保が第一とされ、たったの2年で「スラブチチ」を建造することにより、避難住民に”安住の地”と、何よりも生きていくうえで一番重要な”希望”が与えられているのである。
一方の日本はと言えば、フクシマ原発が未だ危機的状況であるにも拘らず、周辺住民の避難・移住を促すどころか、それとは逆に、「除染」なるマヤカシを弄して、未だ高い放射線量が残る街に市民を帰村・帰還させるという”非人道的行為”が平然となされているのである。
さらには、政治・官僚・メディアの合作により、「食べて応援!」といった地元応援キャンペーンが推進されると共に、スポーツ等何でもかんでも「絆・友情物語」としてお涙頂戴的演出をすることによって、地元で収穫される”汚染食材”や数多くの”汚染がれき”を日本全国に撒き散らし、周辺住民のみならず、全国民の健康・生命を危険に晒す”棄民政策”が断行されているというのがその実情である。
学校教育現場にて「米ソ冷戦構造」を叩き込まれた我々世代(昭和世代)の人間からすれば、人生の長きに亘り、「ソ連ほど冷酷でひどい国家は他にない」という観念を持っていた(今は勿論違う)が、フクシマ原発事故以降の日本政府の一連の対応をみれば、どこからどうみても「旧ソ連よりもよっぽど酷い」というのが率直な思いである。
日本ほどの経済大国であれば、政府の”強いリーダーシップ”と”ごく普通の分別心”さえマトモに機能させられれば、「第2のスラブチチ」を新たにつくり、避難住民が”将来への希望”を持てる政策を実行することは可能なはずである。
しかし、政府も事故を起こした東電も、未だにフクシマ周辺住民に対してまともに補償すら行なっていないという醜悪ぶりである。
勿論、「日米原子力協定」といった縛りが存在し、日本一国の独自判断で簡単に原子力政策を転換できないことは承知しているが、「フクシマ」という未曾有の事故に遭遇した今だからこそ、その経験を理由にしてでも、それら外圧を乗り越えて「脱原発」に舵を切らんとするのが国家のあるべき姿であろう。
フクシマ原発事故という惨劇と現在進行形にて向き合っている今の日本にとっては、「原子力がないと日本経済がどうのこうの云々」といった”小賢(こざか)しい能書き”などは、次元の違う”戯言”同然であり、原子力政策の転換と横並びにして論じること自体、”笑止”である。
実際、日本経済云々と能書きを垂れている連中など、アベノミクス効果により「株価回復」「GDP上昇で景気回復」「企業決算(業績)回復」として、単なる「円安株高政策」が実態の”詐欺行為”同然のお手盛り政策たるアベノミクスに一喜一憂している程度のレベルであり、そこには原発の「げ」の字もないという具合である。
今回、2年前に放映されたチェルノブイリ原発事故の関連動画を敢えて取り上げたのは、皆さんに原発事故後の対応をみた際、日本国家の対応があの旧ソ連以上に酷いという現実を実感していただきたいとの思いからである。
チェルノブイリ事故の後、旧ソ連は「国家崩壊」という道を辿っているが、果たしてニッポンはこの先どうなるのであろうか?
原発のみならず、TPPといった売国政策を含めてよくよく考えてみていただきたいと思う次第である。
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