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写真:高濃度の放射性物質が検出された福島第一原発の観測井戸(中央)=6日午後0時50分、福島県大熊町、代表撮影
http://www.asahi.com/national/update/0806/TKY201308060388.html
2013年8月6日20時37分
東京電力福島第一原発の放射能汚染水が海に流出している問題で、有識者や原発周辺市町村の担当者らでつくる福島県の協議会が6日、遮水壁工事など汚染水対策の現場を視察した。東電は協議会に、地下の汚染水が遮水壁をすでに乗り越えている可能性を初めて認めた。8月末に予定していた遮水壁手前での地下水のくみ上げを急きょ前倒しし、今週末から開始する。
トピックス「福島第一汚染水漏れ」
視察したのは、県の「廃炉に関する安全監視協議会」メンバーの自治体職員や専門委員ら22人で、報道陣も同行。7月9日にストロンチウムなどの放射性物質90万ベクレル(1リットルあたり)を検出した1〜2号機の取水口間にある観測井戸の前まで立ち入った。
福島第一原発の百瀬和夫・土木部長は、遮水壁を造るための水ガラス薬剤は地表から深さ1・8メートルの上層には注入できない一方で、観測井戸の地下水位は高い時で地表から1メートルあると説明。汚染水が壁を乗り越えて海洋に流れているのではないか、との指摘に「現象として発生している可能性がある」と答えた。その上で、「壁を造ったことは無意味ではなく、汚染水が滞留して出て行きづらくなった」と釈明した。
専門委員の兼本茂・会津大教授(制御工学)らは「汚染水対策がモグラたたきになっている」「対策が事後的、場当たり的だ」などと東電を批判し、長期的、全体的な対策を求めた。
【本田雅和】
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