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原発映画 上映させて 「朝日のあたる家」どこも難色
2013/8/5 東京新聞 こちら特報部[ニュースの追跡]
http://magicmemo.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/167-640d.html
福島原発事故を題材にした映画「朝日のあたる家」が完成から4カ月以上たって、ようやく9月に愛知県内などの4つの映画館で上映される。しかし、「原発がテーマだと売れない」と、上映を要望したほとんどの映画館は難色を示している。(出田阿生)
◆完成4カ月 ようやく公開へ 太田監督「自己追体験の機会を」
「原発には大して関心がなかった」
この映画の太田隆文監督(51)はそう語る。これまで「ストロベリーフィールズ」(2006年)などの作品を手がけてきた。事故当時、枝野幸男官房長官が「直ちに影響はありません」と話す言葉を信じていた。だが、官邸前デモが起き、放射能の健康被害について知り、勉強を重ねた。
原発被災者の避難が続き、放射能の健康被害への不安が募る。事故は収束していないのに、急速に風化していく。危機感を覚え、何かできないかと考えた末、「自分には映画を撮ることしかできない」と思い至った。
映画会社やビデオメーカー、あちこちの企業に出資を持ちかけたが、スポンサーが全くつかなかった。同業の先輩からは「二度と商業映画が撮れなくなるからやめろ」とまで言われた。
福島事故をテーマにした、ドキュメンタリーではない商業映画は、園子温監督の「希望の国」などがあるが、数は少ない。「福島の事故が起きても、まだ原発はタブーなのか」と痛感した。
最終的に市民の寄付で1000万円の製作費をまかなった。脱原発を呼びかける三上元(はじめ)市長がいる静岡県湖西市を舞台に決定。いしだ壱成さんや山本太郎さんらの俳優陣、400人の市民エキストラに参加してもらった。
物語の主人公は湖西市でイチゴ農家を営む4人家族だ。「早く東京に出たい」と地方暮らしに不満の女子大生の長女、天真らんまんな次女。一家はある日突然、「山岡原発」の事故で避難生活に追い込まれる。一家で再び暮らそうと一人自宅に戻って掃除用具を握り、除染に励む父親。子どもの健康被害への恐怖にさいなまれる母親…。
湖西市の約60キロ先に中部電力の浜岡原発があることも考慮した。福島第一原発から約40キロ離れた飯舘村では、実際に高濃度の放射性物質が降っている。
太田監督は「福島の事故を追体験して、感じてほしい」と脚本を書いた。「どこにでもありそうな町。見ている人が自分の故郷をダブらせ、わが事のように痛感してもらえると思いました」
湖西市での完成試写会では3000人が集まり、会場のあちこちで、すすり泣きが漏れた。5月には米国・ロサンゼルスで催された「ジャパン・フィルム・フェスティバル」に出品し、賞賛された。
しかし、国内で上映してくれる映画館は見つからなかった。大手のチェーンのみならず、独立系の約50館にもお願いしたが、朗報はなかった。
最近ようやく、愛知県小牧市に本社があるコロナグループが「家族の絆を描いた映画」と評価してくれ、来月14日の同県豊川市の映画館を皮切りに県内3カ所で上映することに決まったが、ほかでは大阪市の1カ所だけという状況だ。
太田監督は「原発反対を訴える映画ではない。賛否以前に福島の現実を追体験してもらいたいと製作した。再稼働の前に原発に関心のない人にこそ、現在、起きている事実を知ってほしい」と話している。
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