http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/762.html
Tweet |
<除染はできない>「これまで原発を造って儲けてきたゼネコンが事故を起こしたらまた除染ビジネスで儲けるという、そういう事をやっているのです」〜小出裕章ジャーナル8/3ラジオフォーラム(文字起こし)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3170.html
2013-08-04(08:23) みんな楽しくHappy♡がいい♪
ラジオフォーラム
第30回放送
Web公開 2013年8月6日(火)
ラジオ放送日 2013年8月3日(土)〜8月9日(金)
ゲスト 想田和弘さん(映画監督)
パーソナリティ 湯浅誠 (社会活動家)
テーマ ここがヘンだ日本の選挙 - 参院選を振り返る
小出裕章ジャーナル
湯浅:
今日はゲストの想田和弘さんと一緒にお話を伺わせていただきます。
今日お伺いしたい事なんですが、
7月12日の共同通信が、「農業用水に汚染水340トン 原子力機構が計画了承」というタイトルで、
「南相馬市で生じた汚染水340トンを農業用水に使う川に流していた」っていう話だっていうんですが、
原子力機構が設けた放射性セシウム管理基準というのが、
1リットル当たり最大90ベクレル以下なんだけれども、
実際にはそれを上回る100から121ベクレルの水が60トン含まれていて、
流出した放射性物質の総量は1600万ベクレルという事なんですが、
小出:
いま湯浅さんがおっしゃった、1リットル当たり最大90ベクレル以下という値はですね、
いわゆる国の法律に書かれている値でして、
「それ以上の濃度の廃液であれば事業所から外へ出してはいけない」という
そういう法律の値なのです。
ですから日本の企業であるとか、いわゆる研究所であるとか、
そういうところが動くためには必ずこの基準だけは守らなければいけないという、
そういう値なのですけれども、
それを上回っているような廃液も流してしまった。
そして、もともと原子力機構はそれを承知だったという、そういう話のようなんですね。
湯浅:この、最大90ベクレルいかという基準は、昔からずーっと同じ基準なんでしょうか?
小出:
えっとですね、歴史から言えば数字は細かくは変わっていますけれども、
かなり前から、セシウム137に関しては1リットル当たり90ベクレルという数字は
もう、10年じゃないな、20年から30年位は続いていると思います。
湯浅:
たとえばですね、いま、そういう基準は変わらないと。
だけれども、あの大規模な大事故が起きて、この同じ基準でですね、汚染水を処理していくとなると、
それがもしかしたらキャパを超えてしまったからこういうことになったんじゃないかなというふうに、
小出:
はい、多分そうです。
要するに大量の放射性物質がすでに放出されてしまいまして、
大地全部が猛烈に汚れているのですね。
それを全てこれまでの法律のもとで管理するという事はもう出来なくなってしまっているわけで、
そのために、たとえば被ばく量でいえば、
「普通の方々は1年間に1ミリシーベルト」というのがこれまでの法律だったのですけれども、
「そんなものはもう守れない」という事で、
「1年間に20ミリシーベルトまでのところには人々が住んでもいい」というように、
日本の政府が言っているのですね。
ですからもう…、廃液中の濃度というものも、もう全く守れないという、
実質的には守れないという状況になってしまっている。
日本原子力機構もそのことを十分承知しているので、
「これまでのものなどは、もう到底守っていられないよ」いう、そういう事だと思います。
湯浅:
あの、ちょっとおさらいというか、確認させてもらいたいんですけど、
これは除染で出た汚染水という事なんですが、除染作業で出た。
除染作業っていうのは、保育園の屋根を高圧洗浄機で、水を流したりしておりますが、
それは通常、基本はまずその水っていうのはどうしているんですか?
小出:
本当は集めると言っているのですね。
高圧洗浄でジャージャー使った水はそのまま流してはいけないで、
「それをちゃんと集めなさい」という事になっているのですけれども、
そんな事をやっていたら到底仕事にならないし、お金もかかってしまうので、
要するにジャージャー流してしまうという事をこれまでもやってきたわけですし、
汚染物も川に蹴り落とすなんて言う事前にも朝日新聞に載っていましたけれども、
もう、多分日常的にやっていると思います。
湯浅:やらざるを得ないんですよね、きっと現場的には。
小出:
現場の作業で言えば、そんな一つ一つの排水を溜めるとかですね、
汚染物をきちっと梱包して保管するという事は、
「実際上はもう出来ない」と、多分現場では思っていると思います。
湯浅:
お聞きしていると、除染という事自体が
もしかすると幻想というかですね、フィクションに近いんじゃないかと思いますが、
小出:
おっしゃるとおりです。
除染というのは汚れを除くと書くんですけれども、
「汚れ」と私たちが読んでいるものは放射能な訳で、放射能を消すなんていう事はもともと出来ないので、
言葉の本来の意味で言えば除染は出来ないのです。
湯浅:前にこの番組でもおっしゃっていましたよね、「除染は移染だ」って。
小出:
そうです。
汚れを移動するという事しか私たちにはできないのですけれども、
その移動のためのお金が膨大になり過ぎてしまっているので、
もうそこいら中にとにかく流してしまえという事になっているのです。
湯浅:
そうすると小出先生目からご覧になって、いまその除染をすると。
今これは国が主導して実施計画書を作ってやっていると思うんですけれども、
全体的にこの除染という作業に意味があると思われますか?
小出:
私は除染は、まずは反対なのです。
一番やらなければいけないのは汚染地域の人々を逃がすという事なのであって、
汚染地域を除染出来るなんていう事そのものが間違えていると思います。
ただこの除染というのは、いわゆる除染ビジネスになっているわけで、
これまで原子力を進めてきたゼネコンとかが、
これまでつくる事、原子力発電所をつくることで儲けてきたわけですし、
事故を起こしたら今度はまた除染ビジネスで儲けるという、そういう事をやっているのです。
湯浅:
これは、国が約110億円の事業予算を投じていると。
これは年間110億円という事ですよね?
小出:
これまでも何千億円と確か費やしたと思います。
2011年2012年で合わせれば、多分数千億円に達していると思います。
湯浅:
ここにありましたね。
2012年度の国の予算に計上された除染費用は約3千7百億円。
小出:あ、そうでしたかね、はい。
想田:それでこの下水に流した水っていうのは、当り前ですがどこへ行くか分からないんですよね。
小出:川を通って、農業用水にも使われながら、最終的には海へ行くことになります。
想田:でもその間に農業用水から外れて地下に・・・、
小出:
もちろんですね。田畑を汚しながら地下にもぐって、
ある所では地下水を汚して、最終的には海へ行くんだと思います。
湯浅:という事はまた再汚染をさせてしまうという形に
小出:
そうですね。
もともと環境というのは全てが繋がっているわけで、
汚染した場所から汚染していない場所に移動したりすることもあるわけですし、
えー…簡単には汚染を食い止めるという事はもともと出来ないのです。
湯浅:だからこそ原発をやっちゃダメだという事ですね。
小出:そうですね。はい、おっしゃるとおりです。
湯浅:はい、小出さんありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。