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http://mainichi.jp/select/news/20130803k0000m040062000c.html
毎日新聞 2013年08月02日 20時54分(最終更新 08月02日 23時57分)
東京電力福島第1原発から放射性汚染水が海洋流出している問題で、原子力規制委員会は2日、対策を議論する作業部会の初会合を開いた。規制委の更田(ふけた)豊志委員は「(地中に遮水壁を築いて汚染水の流出をせき止める)今の対策では止められないという認識で対応すべきだ。地下水のくみ上げを始めるべきだ」と指示した。
東電は、護岸の地中を水あめ状の水ガラスで固めて遮水壁を造る地盤改良工事をしているが、地表から浅い部分は技術的に壁を造ることができない。壁にせき止められて地下水位は上昇しており、データ上は既に壁の上部を越えているが、東電は「土地の傾斜を把握できていないので現状も流出があるか不明」とした。これに対し、更田委員は「傾斜次第では、地下水は止まらずに海に流れ出ている」と指摘した。
東電は、事故後に高濃度汚染水が海へ流出し、対策を講じた2011年5月から今年7月までの2年2カ月間で、トリチウム(三重水素)が最大で約40兆ベクレル海へ流出したとの試算を明らかにした。トリチウムは原子炉建屋周辺を流れる地下水に混じって海へ流出すると仮定。採取した護岸付近の地下水の放射性物質濃度などを基に試算した。
一方、海水のデータを基に計算すると約20兆ベクレルだった。
事故前の第1原発のトリチウムに関する海洋放出基準は、1〜6号機を合わせて年間22兆ベクレル。海洋流出をめぐっては、11年4月に計4700兆ベクレル、同年5月には20兆ベクレルの放射性セシウムやヨウ素を含む汚染水が流出している。
作業部会は、汚染水の拡散範囲や防止策を検討する目的で設置され、外部有識者と原子力規制庁、東電などで構成される。
【鳥井真平】
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