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2013年07月29日(最終更新 2013年07月29日 10時44分)
=2013/07/29付 西日本新聞朝刊=
原子力発電所の再稼働に向けた原子力規制委員会の安全審査が始まった。
東京電力福島第1原発事故を教訓にして規制委がまとめた原発の新規制基準に基づき、九州電力と四国電力、関西電力、北海道電力の4社が審査を申請した。
結果、九電の玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)と川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、四電伊方3号機(愛媛県)などの先行審査が決まった。
事業者の申請内容が新基準に適合しているかどうか。規制委と事業者が公開の場でやりとりしながら詰めていく。
施設や設備の安全度は高まるだろう。だが、事業者の意識はどうか。安全追求、安全性向上を常に怠らない。そんな安全意識はどれぐらい高まったか。規制委とのやりとりからはくみ取りにくい。
国内の原発で深刻な事故は起こり得ないという「安全神話」は、東電福島第1原発事故で崩壊した。国や事業者は百八十度の意識転換を余儀なくされた。
安全性を高める不断の努力は当然として、その上でなお予測し得ぬ大事故が起きる可能性を考えて準備を進める。慎重さ、周到さが国や事業者に求められた。
では、具体的に何をすればいいか。事業者と国、立地自治体の役割分担は−。
考える材料は福島第1原発にある。
不手際を陳謝する事態がまた起きた。
東電の対応は痛々しくさえ見える。
始まりは6月19日になる。東電は福島第1原発の護岸に近い観測用井戸の水から高濃度の放射性物質を検出したと発表した。その際、取材陣からは汚染水が海に流出してないかとの質問が出たが、東電側は判断していないなどと否定した。
だが、今月22日に至って、東電は原発側から汚染水が海に流出していることを認めざるを得なくなってしまった。
規制委からは調査が必要との指摘を受けたが、表立った東電の動きはなかった。その間、流出を裏付けるデータが社内にあり、それが縦割りの壁に阻まれて必要な部署に渡っていなかったことなどが分かった。不都合なことは隠し、発覚すると陳謝し、再発防止を約束する。後手後手の対応は福島第1原発事故後も東電は変わっていないとの印象を深めた。
施設や設備の安全性は客観的に判断しやすい。だが、従業員の意識や企業の安全文化はどうか。安全最優先の思想は徹底しているか。規制委の安全審査を通じてこれを確認していく必要があろう。
事故後2年以上経過した福島第1原発と、その事故収束で不手際を重ねる東電を見ながらあらためて企業の限界を思う。巨大企業の東電でも手に負える範囲を超える事故なのだ、と。万が一、こんな事故が再び起きたら。九電ならば。四電はどうだろうか。当然の疑問が浮かぶ。
国策として原発を推進してきた国が前面に立つべきだ−。私たちはこれまで幾度も訴えてきた。過酷事故が起きた場合、国が最終責任者として前に出る。その覚悟と仕組みがないと安心はできまい。
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