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2013年07月30日 東京朝刊
東京電力福島第1原発からの放射性汚染水が海洋流出している問題で、東電は29日、2号機海側のトレンチ(配管用トンネル)内などにある高濃度汚染水を抜き取るなどの対策をとっていれば、現在の海への流出リスクを減らせた可能性が高いと認識していたことを明らかにした。一昨年4月以降、2年3カ月にわたり実質的な対策を先送りしていた。改めて東電が主体となる収束作業の在り方が問われそうだ。
東電によると、1〜4号機海側には、海水を取り込む配管や電源ケーブルを通すためのトレンチが複雑に配置されている。一昨年3月の津波で大量の海水が浸入。さらにタービン建屋側から放射性物質が流入し、内部には今も2万立方メートルの汚染水がたまっている。
この日の会見で東電の今泉典之原子力・立地本部長代理は「内部の汚染水を抜くには放射線量の問題があった。早く抜き取り作業に着手していれば、一つのリスクが排除できた認識はある」と述べた。事故直後の2011年4月に2号機海側で汚染水が海に流出した際、一部のトレンチをコンクリートなどで止水したものの、内部の汚染水を回収していなかった。
東電は今月22日になって高濃度の放射性物質が見つかった観測井戸の水位と潮の満ち引きとが連動していることを示すデータを発表。初めて汚染水が海に流れていることを認めた。
【鳥井真平】
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