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http://www.47news.jp/47topics/e/244207.php
2013/07/29 12:24
福島第1原発からの汚染水の海洋流出を受け、東京電力は護岸の地盤改良など流出防止策を急ぐが、対策の効果は不透明だ。加えて敷地内の汚染水は1日400トンのペースで増え続け、抜本的な解決策もない。廃炉に向け当面の最重要課題とされた汚染水対策は事実上、破綻している。
「1リットル当たり23億5千万ベクレル」。原子力規制委員会が汚染水の漏えい源と疑う敷地海側のトレンチ(地下道)にたまっていた水の放射性セシウム濃度だ。東電が27日、発表した。トレンチが通る2号機タービン建屋東側の一帯では5月以降、観測用井戸で高濃度汚染水の検出が相次いでいる。
東電は4月、港湾内で長さ約780メートルにわたって鋼管約600本を壁のように打ち込む「海側遮水壁」の工事を始めた。完成は来年9月ごろで、汚染水が海に漏れ出さないよう“念のため”の措置だった。
ところがわずか約2カ月後、敷地海側や港湾内の海水で高濃度汚染水の検出が相次ぐと、水ガラスという薬液で護岸などの地層を固める「土の壁」の工事に着手せざるを得なくなった。
トレンチには事故直後に流れ込んだ極めて高濃度の汚染水がたまっている。2011年4月に2号機取水口近くで汚染水漏れがあったことを受け、継ぎ目部分の縦穴を埋めて水の流れを遮断しているが、本来は配管や電源ケーブルを通すためのトレンチに、防水処理は施されていない。
東電は早期に汚染水を抜き取ってトレンチを埋める計画だが、ここが汚染源だとすれば、完了までは高濃度の汚染水が漏れ続ける。今月26日に記者会見した 広瀬直己 (ひろせ・なおみ) 社長は「もっと早くやるべきだった」と悔やんだ。
一方、汚染水をどう減らすのかも重要な課題だ。建屋に流れ込む前の地下水を井戸でくみ上げて海に出す「地下水バイパス」計画は地元の強い反発でめどが立たない。1〜4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ「凍土遮水壁」は15年の完成を目指すが、世界的に例のない取り組みで効果は未知数だ。「まずは流入量を減らさないとだめだが、抜本策は挙げられない」と広瀬社長は苦悩をにじませている。
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