川内原発で働いている方々は、電力の安定供給・安価な電力供給・安全対策に貢献している立派な方々だ。 川内原発の運転を止める理由はない。 稼働している川内原発に関しては、運転を止めるレベルではない。 今回の地震で原発事故が起きないと、原発の安全性が証明されて、原発反対派にとって不都合な真実となるのであろう。 地震発生時、原子炉は設定を超える地震加速度で制御棒を挿入し自動停止する。 【福島第1原発事故】 福島第1原発事故では1〜3号機、5〜6号機全てで制御棒を挿入後の自動停止に成功している。4号機は運転停止中だった。 最大加速度が最も大きかったのは女川原発の607ガルで550ガルを記録した福島第一原発を上回っている。 地震の規模を見る限り、福島第一原発だけが大きな地震に見舞われたという訳ではなく、女川原発も非常に危ない状況に置かれていた事が分かる。それなのに、なぜ女川原発は生き残り、福島第一原発だけが事故を起こしてしまったのか。 外部交流電源を喪失した際に、バックアップの役割を果たすのが非常用ディーゼル発電機(交流)だ。ところが、福島第一原発では、6号機の1台を除き、全ての非常用発電機が「津波」によって同時に失われた。たった1つ生き残った6号機の非常用発電機は、海抜13.2mに設置されていた空冷式の装置だ。高い所に置かれていた事と空冷式だった事で「津波」の被害を免れたのだ。この非常用発電機が設計通りに自動起動して5号機にも電気を融通し、5号機と6号機は最終的に原子炉を冷温停止に移行する事に成功した。 川内原発は津波対策・電源確保対策等も強化している。 【新潟県中越沖地震】 新潟県中越沖で、2007年7月16日10時13分に発生した地震(中越沖地震)は、日本の軽水炉などの核エネルギー施設の耐震性能の実力を知る契機となった。地震の規模はマグニチュード6.8で、震源の深さ17kmである。この地震は、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所に震度6強を与え、核エネルギー史上最大の震度となった(当時)。震度6強は日本の核エネルギー施設が想定する最大級の地震動であるので、これは注目すべき事象である。 柏崎刈羽の原子力発電所は、震源から23km(水平距離で16km)の位置にある。総出力821万キロワットの7基の原子炉からなる。そのうち当日稼働していた4基は、地震対策の設計どおりにP波(5〜7km/秒)を感知して、最大加速度を与えるS波(3〜4km/秒)が到達する前に、制御棒が平均1.2秒以内にすべて挿入されて、核反応が自動停止した。震災の当日稼働していた4基の原子炉の地震波記録を分析すると、1号機が最大加速度の地震を受ける6〜7秒前に、4基の原子炉すべての核反応が停止していたことになる。確かに安全機構が設計どおりに作動したといえる。 地震直後には核燃料のある原子炉内の水温は280℃近くの高温状態にあった。余震が続くなか、運転員たちは、運転中および起動中だった4基の原子炉を安全に100℃未満に冷却する操作に取り組んだ。この操作を半日以上にわたり的確に遂行し、炉心の冷却に成功した。 【今回の地震】 川内原発はたったの「8.6 ガル(1 号機補助建屋内海抜−21.0m)」、どこが危ないの? 玄海原発はたったの「20.3 ガル(3 号機補助建屋内海抜−18.0m)」、どこが危ないの? 伊方原発はたったの「10 ガル(1 号機及び 2号機補助建家内海抜 4.2m、3 号機補助建屋内海抜 3.3m)」、どこが危ないの? 島根原発はたったの「2 ガル(1 号機原子炉建屋内海抜3.1m、2 号機原子炉建屋内海抜 1.3m)、どこが危ないの? 原子力関連 緊急情報 【異常なし・規制庁】(平成28年4月20日8時現在)熊本地震の原子力施設への影響について [2016/04/20 10:00更新] <原子力規制委員会から緊急情報メールサービスに登録いただいている方へお知らせです> http://kinkyu.nsr.go.jp/kinkyu/2016/04/284208.html 平成28年(2016年)熊本地震の原子力施設への影響について、お知らせします。(平成28年4月20日8時現在) 現在、各施設ともに異常情報は入っていません。 1.原子力発電所 <九州電・川内(PWR)> (1)運転状況:1・2号機 運転中 (2)プラント状態:異常なし。 (3)外部への影響:排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 <九州電・玄海(PWR)> (1)運転状況:1・2・3・4号機 定検停止中 (2)プラント状態:異常なし。 (3)外部への影響:排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 <四国電・伊方(PWR)> (1)運転状況:1・2・3号機 定検停止中 (2)プラント状態:異常なし。 (3)外部への影響:排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 <中国電・島根(BWR)> (1)運転状況:1・2号機 定検停止中 (2)プラント状態:異常なし。 (3)外部への影響:排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 以上 原子力規制庁 長官官房 総務課 広報室 熊本県で発生した地震による原子力施設への影響について 平成28年4月18日更新 平成28年4月16日更新 平成28年4月15日 原子力規制委員会 https://www.nsr.go.jp/news_only/20160415_01.html 18日 20時42分頃に阿蘇地方で発生した地震(余震)による原子力施設への影響について、お知らせします。(21時05分現在)(現在、各施設ともに異常情報は入っていません。) 原子力発電所 <九州電・川内(PWR)> 鹿児島県:最大震度3 薩摩川内市:震度2 1・2号機:運転継続中 プラントの状態に異常なし。 排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 地震計の指示値(1号機で代表) 広報用地震計の指示値(下記設定値の参考値。) (補助建屋最下階) 0.8gal (補助建屋1階) 1.3gal 原子炉自動停止設定値 (補助建屋最下階)水平方向160gal、鉛直方向80gal (補助建屋1階) 水平方向260gal <九州電・玄海(PWR)> 佐賀県:最大震度4 玄海町:震度1 1・2・3・4号機:定検停止中 プラントの状態に異常なし。 排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 <四国電・伊方(PWR)> 愛媛県:最大震度3 伊方町:震度3 1・2・3号機:定検停止中 プラントの状態に異常なし。 排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 <中国電・島根(BWR)> 島根県:最大震度1 松江市:震度 - 1・2号機:定検停止中 プラントの状態に異常なし。 排気筒モニタ、モニタリングポストに異常なし。 平成28年(2016 年)熊本地震に関連する原子力施設等の状況について 平成28年4月18日 原 子 力 規 制 庁 http://www.nsr.go.jp/data/000147517.pdf 平成28年(2016 年)熊本地震に関連する原子力施設等の状況については、以下のとおり。 1.平成28年(2016 年)熊本地震の概要 ○4月14日21時26分以降に発生した震度6弱以上を観測した地震 (4月17日15時現在) @発生時刻A震央地名BマグニチュードC最大震度 @14 日21:26A熊本県熊本地方B6.5C7 @14 日22:07A熊本県熊本地方B5.7C6 弱 @15 日 0:03A熊本県熊本地方B6.4C6 強 @16 日 1:25A熊本県熊本地方B7.3C6 強 @16 日 1:46A熊本県熊本地方B6.0C6 弱 @16 日 3:55A熊本県阿蘇地方B5.8C6 強 @16 日 9:48A熊本県熊本地方B5.4C6 弱 (出典)気象庁「「平成28年(2016年)熊本地震」について(第12報)」 2.原子力発電所への影響について (1)地震関係 九州、四国及び中国地方の原子力発電所に対する地震の影響は、以下のとおり。 @発電所Aプラント状態B今回観測された建屋下部での地震加速度の最大値C原子炉自動停止の設定値(水平加速度)D原子炉自動停止の設定値(鉛直加速度)E基準地震動(水平加速度)F基準地震動( 鉛直加速度) (A)@川内原子力発電所A1・2 号機とも運転中B8.6 ガル(1 号機補助建屋内海抜−21.0m)C160 ガル(1・2 号機補助建屋内海抜−21.0m)D80 ガル(1・2 号機補助建屋内海抜−21.0m)E620 ガルF324 ガル (B)@玄海原子力発電所A1〜4 号機とも停止中B20.3 ガル(3 号機補助建屋内海抜−18.0m)C140 ガル(1 号機補助建屋内海抜−13.45m、2 号機補助建屋内海抜−14.0m)170 ガル(3・4 号機補助建屋内海抜−18.0m)D70 ガル(1 号機補助建屋内海抜−13.45m、2 号機補助建屋内海抜−14.0m)80 ガル(3・4 号機補助建 屋内海抜−18.0m)E(540 ガル)F(360 ガル) (C)@伊方発電所A1〜3 号機とも停止中B10 ガル(1 号機及び 2号機補助建家内海抜 4.2m、3 号機補助建屋内海抜 3.3m)C140 ガル(1 号機補助建家内海抜4.2m)180 ガル(2 号機補助建家内海抜 4.2m)190 ガル(3 号機補助建屋内海抜−4.5m)D70 ガル(1 号機補助建家内海抜 4.2m)90 ガル(2 号機補助建家内海抜 4.2m)90 ガル(3 号機補助建屋内海抜−4.5m)E650 ガル(570 ガル)F485 ガル(330 ガル) (D)@島根原子力発電所A1・2 号機とも停止中B2 ガル(1 号機原子炉建屋内海抜3.1m、2 号機原子炉建屋内海抜 1.3m)C140 ガル(1 号機原子炉建物内海抜3.1m)140 ガル(2 号機原子炉建物内海抜 1.3m)D70 ガル(1 号機原子炉建物内海抜 3.1m)70 ガル(2 号機原子炉建物内海抜 1.3m)E(600 ガル)F(400 ガル) (注 1)平成 28 年 4 月 17 日 21 時までを対象とする。いずれも 4 月 16 日 1 時 25 分の地震時の値で原子力規制委員会に報告されたもの。原子炉自動停止用の地震計と同じ床面高さに設置されている地震計の値のうち水平方向の最大加速度値を記載。ただし、伊方発電所3号機については、当該地震計の設置高さは自動停止用の地震計とは異なる。また、川内原子力発電所及び玄海原子力発電所については、当該地震計で観測された観測値(水平2方向と鉛直方向)が合成された値を記載。なお、これらの観測値と基準地震動とは、高さなどの条件が異なるため直接比較できない。 (注 2)カッコ内の数字は、平成 18 年の耐震指針改正によるバックチェック値(原子力安全・保安院による評価値)
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