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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130723-00000006-sasahi-soci
週刊朝日 2013年7月26日号
原発の新規制基準が施行され、電力4社が申請を行うなど再稼働への動きが加速している。同時に反原発運動に対し、風当たりが強くなることが懸念されている。というのも反原発系団体などへの嫌がらせは、過去にも悪質なものが横行した歴史があるからだ。
30年以上にわたって多くの原発訴訟に取り組んできた海渡雄一弁護士はこう振り返る。
「最近もネット上で原発反対の意見を書いたら嫌がらせをされた、という相談を受けたばかりです。自由にものが言えない雰囲気がチェルノブイリ原発事故の後と似ている。当時は、インターネットが普及していなかったので、手紙や電話でした」
いったい、どんな嫌がらせをされたのだろうか。時代をさかのぼってみよう。
1986年4月、チェルノブイリ原発で原子炉が爆発する事故が発生した。これをきっかけにして、反原発運動は盛り上がりを見せたのだが、反原発団体への嫌がらせがあったのは、ちょうど同時期という。92年4月、後に白紙となった芦浜原発計画の地元である三重県紀勢町(現大紀町)で、反原発の科学者、故・高木仁三郎氏の講演会があったとき、数人の実在の人の名前で盛り花が届いた。送り主とされた共産党所属の議員たちは、注文をしていなかった。主催者や高木氏に同党の息がかかっていると誤解させようと企んだものとされている。
数カ月後には、同じく高木氏の名前で暑中見舞いが関係者に送られた。文面は、「原発反対運動はテーマの華やかさと裏腹にさしたる成果もなく」など運動を批判する内容で、「こんなハガキを出すなんて、お前は変わったのか」などと怒りの返信が高木氏に殺到したという。
被害を受けたのは学者だけではない。反原発運動に参加する一般メンバーにも、活動を中傷する手紙や怪文書、それに迷惑なモノが届いていた。たばこの吸い殻や使用済みのタンポン、毛髪などが入った手紙がくるのはまだ序の口。何十枚ものピザが家に宅配されてきたり、ベッドや金の延べ棒などが勝手に通信販売で申し込まれていることも……。
日本消費者連盟の反原発部会のメンバーだった安達由起さんはこう言う。
「20年くらい前ですが、トラクターを購入したという通知が届いたんです。東京のど真ん中に住んでいるのに。もちろん買った覚えはありません」
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