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菅直人元首相が安倍現首相を名誉棄損で提訴されたことに関しての懸念
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/540.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 7 月 16 日 22:21:31: 9XFNe/BiX575U
 

菅直人元首相が安倍現首相を名誉棄損で提訴されたことに関しての懸念

 菅直人元首相が、福島第一原発事故処理に関して、安倍首相の発行されているメールマガジンの記事が事実無根であり、名誉棄損に当たると本日7月16日に提訴をされた。

 現場で既に始まっていた海水注入を菅首相の指示で一時中断させようとしたというメールマガジンの内容が事実ではなく、訂正を求めているが放置されているというもの。

 福島第一原発事故についてはあまりに隠ぺいされていることが多く、何が真実であるか、なかなか分からないというのが素直な印象です。それでも、海水注入については、菅直人首相の言われていたことがより真実に近いのではと感じます。以下、その理由。

1.メールマガジンの記載では菅直人元首相が海水注入の中断を要請した理由は「俺は聞いていない!」と激怒したからだとされている。しかし、海水注入をしなければメルトダウンが深刻化することはすぐに分かることで、単に聞いている聞いていないで判断できることではない。その意味で、このメールマガジンの文章そのものが不自然。

2.安倍首相のメールマガジンの日付は2011年5月20日、菅直人元首相が浜岡原発の停止要請をされて浜岡原発が停止をしたのが5月6日。浜岡原発の運転停止要請は当時菅直人元首相の大英断だと言われていて、このまま全国の原発が停止し、そればかりか原発廃炉へ政府が舵を切ることが期待されていた。そのため、菅直人元首相の勢いを押しとどめる動きが原発推進派によってされ、そういった働きかけが安倍首相にされた結果、それを安倍首相が本当だと誤解をされてしまった可能性がある。

 ともかく、福島第一原発事故で、菅直人元首相へきちんと情報が伝わってきていなかったことはほぼ明白。例えば、菅直人元首相は自分の個人的な友人を内閣参与に任命されて、事故処理について相談しなければならない事態に追い込まれていました。また、東電本社に乗り込んで当時の細野豪志首相補佐官を東電本社に常駐させ、政府と東電の「統合対策本部」を設置させています。つまり、もともと、311の福島第一原発事故は事故直後から政府の当事者能力は失われていて、そればかりか、東電本社の事故対応能力も失われていた可能性があるのです。ですから、当時の、または、今現在でもですが、日本の政治家、官僚の方たちの福島第一原発事故に対するコントロール力はほとんどないというのが事実ではないでしょうか。

 今回、菅直人元首相が提訴に踏み切られたのは、ネット上で繰り返される根拠のない非難があるはずです。このままでは脱原発が達成されないのではないかと言う危機感があったのは間違いがないでしょう。

 しかし、安倍現首相にしても原発が必ずしも望ましいエネルギーではないと明言をされています。それどころか、安倍首相が就任されたとたん、アルジェリアの天然ガス施設で非常に不自然なテロが起こり、日揮の社員の方が惨殺されるとか、エジプトやグアムで日本人観光客が死亡するという事件が起こっています。2007年の安倍政権でも非常に不自然な形で安倍政権の不祥事が続発し、退任へ追い込まれたわけです。背景にあるのは、対米追従からの脱却であるはずです。

 菅直人元首相にしても安倍晋三現首相にしても、なんとか対米追従の現状をどうにかしたいとかなり熱心に動かれているのだと思います。

 危惧しているのは、結局、本来ともに日本の独立を求めようとする動きが同士討ち、仲間割れになり、両者ともに傷を負ってしまうことです。

 イラクにしてもシリアにしても、またはリビアにしても、その他の多くのアフリカの国々にしてもほぼみな仲間割れを誘導された結果、そこを付け込まれ、国力そのものが衰退し、貧困に苦しむことになっているのです。

 今の時期は戦後日本の体制の総決算をすることがせまられているのだと思います。それだけ、いろいろな形でコントロールする力が働いているのです。今回の菅直人元首相の提訴によって、福島第一原発事故の真実がより明らかになるのであればそれはよいことだと思いますが、単なる泥仕合に終始するようであれば、日本全体にとってもいいことではないはずです。  

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コメント
 
01. 2013年7月16日 22:47:56 : RDZ7yczFgQ
菅と安倍の対立など,参院選の真の争点をぼかすための,アメリカの手のひらの上での児戯に等しい.そんな菅を応援する湯浅や東といった偽インテリを許すな.

02. appleypad78 2013年7月16日 23:27:11 : vcd1gbFiLxWjw : QqZvr4wFBw
( 菅直人元首相にしても安倍晋三現首相にしても、なんとか対米追従の現状をどうにかしたいとかなり熱心に動かれているのだと思います。 )

この部分、椅子からズッコケましたがな(@@)

貴君は何たる認識の持ち主なのか?

人はその行動によってのみ評価されるものだ。 菅と安部のどのような行動に貴君は「対米従属からの脱却」の意志を看取せられるのか?

両人の振る舞いのことごとくが対米従順そのものであるのは普通の政治ウォッチャーならア・プリオリなものとして共通認識となっているものを。

菅は小泉同様に根っからの「根無し草」であって、とてもじゃないが国家国民の命運を背負ってマツリゴトを執り行う資質も器量も、それよりなにより「気概」というものが欠落していた人物だ。こんな奴の歴史的評価など後世の歴史家に委ねるまでもないわ! みなさんが感じておられることがすべて。

安部は知的レベルにおいて平均よりだいぶ下方に位置しているせいか、自分の発言していることの意味を十分に理解していないと判断される。ものごとをそのトータリティの中で捉える力の弱さが日本政治をあっちゃこっちゃ振り回している因となっているようだ。 それをはっきりと指摘すらしないメディアは情けない。
安部は「憲法」のことなどなんもわかっちゃいない。 恐らく自党の「改正草案」すらマトモに読んでいないに違いない。 にもかかわらず「憲法改正」を声高に叫ぶのは、小沢の言うように「おじいちゃん(信介)から子供の頃によく聞かされたんでしょう(笑)」というせいだろう。聞かされた言葉が謂わば「ニカワ」のように頭にこびりついているのだろう。
安部は様々な政治的重要イシューについてのideaを様々な局面において熟考を重ねながら練り上げるというプロセスを踏んだ経験がないのではないか? その発言内容の薄っぺらさと定型さ加減からそうとしか思えんのだ。 こんな御仁だからして安部に「対米従属」かどうか問うても詮無いことのように思われる。 本人自身がわかっちゃいないんだから。
安部も菅とは別の意味で「根無し草」というのが筆者の結論だ。


03. 2013年7月17日 00:30:11 : Lj3nIZ5rks
菅元首相が名誉毀損による損害賠償請求訴訟を起こした方がよい理由は,
以下のとおり,法廷で海水注入の経緯をめぐる証拠が争われるからです。

菅元首相は,誰であれ,事実と異なる指摘をし,自分の名誉を毀損した人物を
訴える権利があります。

さて,名誉毀損だと訴えられた安倍首相が,裁判官に請求を棄却させるためには,
どうしなければいけないか。

日本の民事訴訟では,被告が何も主張しなければ,基本的に,原告の主張を
被告がすべて認めたものとみなされます。すると,安倍首相は,菅元首相に
請求されている謝罪と損害賠償をしなければならない。

そんなことは,安倍首相のプライドが許さないでしょうから,名誉毀損が
成立しないことを,安倍首相は法廷で主張する必要があります。

名誉毀損が成立しなくなる要件(阻却する要件)として、
1. 公共の利益に関することである
2. もっぱら公益目的である
3. 摘示した事実が真実と証明できたか,
 または真実と信じるに足る相当の理由がある
ことが,判例で成立しています。(結果的に真実と異なってもよいのですが,
信じた理由が必要です。)

この要件のうち,原発事故の政府対応の経緯については,公共の利益に関することが明白で,
それを政治家が論評するのが,公益目的であるというところも,明らかでしょう。
この点では,安倍首相の論評も無問題な気もします。

しかし,難しい問題は,菅元首相が,
・「俺は聞いていない!」と激怒したために,
・海水注入の中止を命令した
という経緯が真実か,真実と信じに足る相当の理由があるかを,
安倍首相が証明できるかです。

その証明が法廷でできなければ,名誉毀損は成立し,安倍首相の敗訴なのです。

真実かどうかは,その場にいた人間しかわかりません。
安倍自民党の支持者は真実と思いたいのでしょう。
大事なのは,安倍首相が勝訴したいのなら,その根拠を法廷に提出する必要が
あることです。安倍首相が誰からそう聞いたのか,何をもってそう信じたのか,
明らかにできなければ,日本の裁判所は,原告である菅元首相の勝訴とします。
それが,名誉毀損をめぐる損害賠償請求訴訟の多くの結末です。

裁判の過程で,安倍首相のニュースソースが何か,単なるうわさ話なのかが明らかに
される。
これが菅元首相の本当の目的でしょうし,この経緯を明らかにさせる
公益にもかなった法的措置なのです。

根拠のない噂話が吹聴されているのか,そうでないのかが,法廷の場で明らかになる。
これは,原発事故対応の真相の究明にとって,もっとも重要なことです。

なお,この手の訴訟の常として,裁判官は自分の知らないことに関する事実認定を
できる限り避けたいし,政治闘争にも巻き込まれたくないので,和解を勧告します。
たとえば,被告が文書を削除して,これ以上の批判をしないことを確約するかわりに,原告が謝罪要求と損害賠償請求を取り下げるという「手打ち」です。
文書の誤りは認めなくても,文書を削除させればそれ以上の要求はないよね,という妥協案です。

しかし,菅元首相は,この和解条件は飲まないでしょう。目的は噂話の根絶ですから。
すると,安倍首相は,根拠を提示できない限り,敗訴してしまいますから,
自発的にこの文書を削除して,何らかの弁明をして,事実上の訂正をすることで,
名誉毀損の損害がないことで請求を棄却させようとしてくるでしょう。

こうなれば,菅元首相の敗訴ですが,メルマガの文書が消えていれば,
実質それは根拠のない誤りであったということを,安倍首相が認めている
ことになります。このあたりが今後の展開で注意すべき決着です。


04. 2013年7月17日 02:37:36 : 7OpGsifAXA
安倍は選挙後まで沈黙するだろう。
どうやって引きずり出すかだが、マスコミを味方につけているためむずかしい。

05. 2013年7月17日 04:46:48 : 2K4YP7hYbc
どんどん真相yや事実をあきらかにしてやって欲しいものだ。

06. 2013年7月17日 07:37:33 : GQrN4nKkaL
朝日新聞特別報道班による連載記事をまとめた『プロメテウスの罠』は、海水注入問題の事実関係について、P251-254で後述のように記しています。
(要約すると、「東電から官邸に派遣された、東電の武黒フェローが、菅さんのあずかり知らぬところで、独断で吉田所長に電話して海水注入を指示した」ということです。)

また、アエラの記者大鹿靖明による『ドキュメント福島第一原発事故メルトダウン』は、P97-101及びP102で後述のように記しています。
(要約すると、「東電の武黒フェローが独断で吉田所長に海水注入を指示。空気を読んだ武黒の『おもんぱかり』を受けて、東電本店の清水正孝社長も午後7時25分、現地の吉田所長に対して、海水注入を止めるよう指示。それらを受けた吉田所長は、そうでもしないと海水注入を続けられないと判断して、一芝居打って、現場に海水中断を指示したように見せかけて東電本社の目をごまかしながら海水注入を続けさせた。だから、実際には海水注入の中断はなかった。しかし、東電本社の人間たちは、55分間、菅首相の命令によって海水注入が止められた、と思い込み、『非常に厳しい状況下における【55分間の空白】は炉の健全性を損ねた』という“被害者”意識を共有していった」ということです。
そしてその共有された“被害者”意識を耳にした安部氏が例のメルマガを書き、「プロメテウスの罠」や「メルトダウン」や、同様に「海水注入指示は武黒フェローの独断」と記している政府事故調の報告書が公刊されたあとも、今に至るまでずっと、そのメルマガを削除することなくサイトで公開しつづけてきたわけです。)

*『プロメテウスの罠』P251-254

「炉へ海水注入せよ」

首相の菅直人や経済産業相の海江田万里らが海水注入の実施について話し合ったのは12日午後6時。だがそれまでにも官邸では早期の海水注入の実施が話題になっていた。

その日の午後早く、官邸地下の危機管理センターで内閣危機管理監の伊藤哲郎と原子力安全・保安院の幹部職員が海水注入を巡ってやりとりをしているのを何人かが聞いている。

伊藤「冷却水注入といっても、普通の水じゃ足りないだろう。海水を注入できないのか」

保安院「炉に海水を入れたらいけません。炉が使えなくなります」

伊藤「その真水はどこからどれくらいを運べばいいんだ」

保安院「・・・・・・・・・・」

1号機にはこの日早朝から消防車を使って、1000リットル単位の真水を注入していた。真水は量に限界がある。原発は海の近くだ。大量の海水を入れて、とにかく原子炉を浸してしまおうというのが海水注入だ。

東京電力社長の清水正孝は午後2時50分、海水注入の実施を了解した。その4分後、福島第一原発所長の吉田昌郎は、所長権限で海水注入を実施するよう指示を出した。

そのころ、官邸の海江田は「海水の注入をいつまでもやらないのなら命令を出す」と発言した。

午後3時半になって、やっと海水注入の準備が整う。

その直後、1号機が爆発した。海水注入の作業が止まった。

海江田は、原子炉等規正法に基づき1号機の原子炉を海水で満たす応急の措置を撮るように命じた。同時に保安院に海水注入をを命令する文書を準備するように指示した。

そして、午後6時。総理執務室がある5階に、菅や海江田、官房副長官の福山哲郎、首相補佐官の細野豪志が集まった。

それに、原子力安全、保安院次長の平岡英治、原子力安全委員長の斑目春樹、東電はフェローの武黒一郎、原子力品質・安全部長の川俣晋。

武黒は「爆発で機材が損傷を受けた。海水注入に1時間半から2時間かかります」と言った。

その場では、海水に含まれる塩分によって炉が腐食する可能性や燃料棒が溶けて再臨界状態になる危険性などについて議論になった。

「準備に2時間ほどかかるなら、その間に再臨界があるかどうかも検討しておいてくれない」

菅はその場にいた人間にそういい渡し、20分ほどで散会とした。武黒が電話をかけた。

次の手、提案がない。

12日夕、海水注入を巡る官邸での会議が終わった。その後、東京電力フェローの武黒一郎は、福島第一原発所長の吉田に電話した。

海水注入について、総理は再臨界を含めて懸念している。総理の理解を得ることが重要だ・・・・・・・・・・・

吉田は「もう海水の注入を開始している」と報告した。それに対し、武黒は「官邸で検討中なので、海水注入は待ってほしい」と伝える。吉田から相談を受けた本店側も中断はやむを得ないという意見だった。

だが吉田は中断せず、そのまま注入を続けた。

政府の事故調査・検証委員会の中間報告はその線で書かれている。

官邸では、東電内部でのそんなやりとりを知らなかった。

午後7時35分、首相補佐官の細野豪志が総理執務室に入り、海水注入が可能になったことを報告した。

官房副長官の福山哲郎のノートにはこうある。

<ポンプ動く><管(ハイプ)生きている>

官邸側はこのときに初めて海水注入ができるようになったと認識した。

以上が、後に『首相が海水注入を止めた』と野党から批判されることになる事件のいきさつだ。

菅は振り返る。

「注水を真水から海水に変えることと再臨界とは関係がない。武黒さんも技術者だから、そのことは分かっているはずだ」

「それなのに、どうして海水注入と再臨界が結びつけられて、注水を止めた止めないの話になったんだ」

細野は、海水注入の話しのほか、1号機の爆発が格納容器の爆発ではなかったと報告した。

「爆発直後は線量が上がりましたが、午後4時15分からは急速に落ちています。爆発は建屋で、格納容器ではありません」

ほっとした空気が流れた。

中枢メンバーの会議が再開された。菅は午後7時55分、経済産業相の海江田万里に海水注入をするよう指示した。その後、海水注入開始が菅に報告されることになった。

以上、『プロメテウスの罠』 P251-254


*ドキュメント福島第一原発事故メルトダウン』P97-101

柳瀬(経産省官房総務課長)が総理執務室や秘書官室のある官邸5階に着いたのは、3月12日午後5時ごろだった。

広めの応接室に、東電、保安院、原子力安全委員会、原子炉メーカーの東芝などからやってきた人間が30人前後いた。すでに参集しているほとんどの者がパニック状態に陥っているように柳瀬には見えた。官邸地下の危機管理センターでは携帯電話がつながらず、かえって情報過疎に陥る。しかも、地下には、三陸の津波被害に対応するため、各省庁から集められた緊急参集チームが陣取っており、騒がしく話がしにくい。そこで菅の執務室がある5階の応接室が代わって指揮所に使われている。そこに総理が出入りする。

午後6時ごろ菅が姿を現した。斑目が「とにかく水を入れる。真水が入らないのならば海水注入を」と言っていた。官房長官の枝野も加わって激論を戦わせている。

このときに菅が「海水を入れて再臨界をしないのか」と斑目たちに問いただした。再臨界とは、いったん止まっていた核分裂反応が何らかの理由で再び始まることを意味する。いちど核分裂反応が連鎖的に始まると、もはや制御することも難しく、大規模なエネルギーが発生して原子炉は爆発しかねない。そうなれば放射性物質は広範に撒き散らされ、東日本の広範囲が汚染にさらされる。このとき菅の「海水を入れて再臨界しないのか」という質問に対し、斑目は「再臨界の可能性はゼロとはいえない」と答え、この場にいた者たちを驚かせた。そばにいた福山は「ゼロとはいえない」という斑目発言は、「可能性がある」ということと同義と受け止め、再臨界が起きかねない危機感を感じている。斑目は「可能性としてはゼロではないでしょう、再臨界の危険性がないのかと言われれば、絶対にない、と言うはずもない。それはゼロではない」と思っていた。

菅が「海水を注入することで問題はないのか」と聞くと、誰かが「海水を入れたら塩ができて流路がふさがる可能性があります」「塩分で腐食する可能性があります」などと問題点を列挙する。菅はさらに「ホウ酸を活用してはどうか」などと畳み掛ける。

このとき東京電力の武黒フェローから、「1号機の爆発の影響で、現地で海水注入の準備が完了するには1時間ほど時間がかかる」と伝えられたため、そのあいだの時間を利用して海水注入に課題がないかどうか調べることとなった。協議は1時間半後に再開という仕切りになって、いったん官邸での話し合いはお開きとなっている。

ちょうど、官邸での協議が中断しているころだった。福島第一原発の現場では、1号機の爆発によって損傷した消防車のホースに代わって、消火栓のホースをかき集めて消防車につないで、海水注入の準備が完了した。午後7時4分、現地の吉田所長の判断で注入にゴーサインが下され、やっと海水注入を始めることができた。

武黒は官邸での会議が再開されるまでに、海水注入のためのポンプはあるのか、注入用の配管に破断はないのか、海水をいれて原子炉の制御が可能なのか−の3点について調べるよう求められた。このときことを福山は、武黒が水が入るかどうかわからないと危惧してたい、と記憶している。武黒は吉田に問い合わせてようと電話を入れた。すると吉田は「もう海水注入を始めていますよ」と言った。それを聞いて武黒は驚いた。海水注入が現場の判断ですでに始まっているとは知らなかったからだ。

武黒は「判断される方(菅)の了解を得られていない段階で海水注入を続けることはできない」と「場の空気」を読んだ。吉田がやっと始めることのできた海水注入を。「いったん停止したほうがいい」そう吉田に命じた。「いま官邸で検討中だから待ってほしい」。強い命令口調だった。すでにちゅうにゅうしてしまった海水については、原子炉内に入れることができるかどうかを試すための「試験注水」という位置づけにしよう。そういった。後に官邸のホームページに「試験注水」と記載されるようになったのは、だからだった。

このときの武黒には、菅直人から明示的に海水注入をやめろという命令があったわけではない。むしろ官邸の「空気」を察してのことだった。

「まったく、そういうおもんぱかりをするわけだ。あの連中は。官邸にいる人と本店にいる人と現場の人と全部コミュニケーションがずれている。何かを隠しているか、あるいは判断ができないんだ」

菅はこのときのことをそう振り返った。武黒の余計な「おもんぱかり」である、と。

空気を読んだ武黒の「おもんぱかり」を受けて、東電本店の清水正孝社長は午後7時25分、現地の吉田所長に対して、海水注入を止めるよう指示した。

それを聞いた吉田は、だが、従わなかった。やっとスタートできた海水注入をいまさら中断する気になれない。冷やし続けなければ、危機が深刻化するのは自明の理だったからである。そのためには海水を注入し続けなければならない。

そこで吉田は一芝居打つことにした。海水注入の担当者を呼んで、テレビ電話会議システムのマイクで音を拾われたり、周囲に聞こえたりしないような小声で、「これから海水注入の中断を指示するが、絶対にやめないでくれ」と、因果を含めた。

その後、免震重要棟の緊急時対策室全体に響き渡るような大声で、「海水注入を中断」と叫んだ。清水ら東電本店の対策本部にいた面々を始め、オフサイトセンターにいた武藤栄副社長も、さらに福島第一原発にいたものの多くも、吉田が海水注入を中断した、と信じ込まされた。だが、吉田はそ知らぬ振りをして海水を入れ続けた。

以上、『メルトダウン』P97-101

*ドキュメント福島第一原発事故メルトダウン』P102

東電本店の対策本部にいた者たちの中には、午後7時25分に清水が注水停止を命じ、同8時20分に「再開」するまでの、55分間、菅首相の命令によって海水注入が止められた、と受け止めたものがいた。実際にはそうではなかったのだが、東電の中には、「海水注入を東電が開始したあとに、官邸から一旦ストップがかかった」と、被害者意識が醸成されていく。自衛隊機にいったん搭乗して帰京しようとした清水を再び名古屋に引き戻した失策と同様、民主党政権の大失策と彼らには映った。

実際には海水注入は中止されなかったし、すでに燃料は熔融し、メルトダウンが起きてしまった後なので、東電が問題にする「55分間の空白」が、ただちに原子炉に大きな影響を与えたとは考えにくい。それなのに菅への嫌悪感や反発から、東電の中には「非常に厳しい状況下における「55分間の空白」は炉の健全性を損ねた」という意識が共有されていく。後の「菅降ろし」につながっていく政権への敵愾心の深層に芽生えている。

以上、『メルトダウン』P102より。


07. taked4700 2013年7月17日 15:18:11 : 9XFNe/BiX575U : GUFoFa2tvY
>>06

長文の投稿ありがとうございます。貴重な資料として読まさせていただきました。

色々な立場の人間がいるとき、コミュニケーションは難しいですね。


08. 2013年7月17日 21:34:27 : H5KNbNiwco
>02さん
に賛成!

>投稿者
見方がオカシイより技といってませんか?

安倍が日本独立のため???大笑いだ外国人の犬ッコロやってるやつが?!
湯浅誠や中島岳志が鈴木寛支持して東電や官僚の紐付きであったのが
今バレた

それだけじゃないみたいだよ
やっぱりハンドラー外国人が原発推進候補の裏には着いていたらしいよ
http://www.asyura2.com/13/senkyo150/msg/881.html


9. てんさい(い) 2015年12月05日 10:14:07 : KqrEdYmDwf7cM[381] : 0kUGInjLpY : VLecBnM2280
2年前の記事
菅直人元首相が安倍現首相を名誉棄損で提訴されたことに関しての懸念
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/540.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 7 月 16 日 22:21:31

現在の関連記事

安倍首相がデマ拡散、菅直人に訴えられた名誉毀損裁判で不当判決! 抗議の意味を込め安倍の捏造歴を暴露する!(リテラ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/500.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 03 日 17:30:30

福島第一原発事故海水注入中断の指示をめぐる騒動について
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/547.html
投稿者 taked4700 日時 2015 年 12 月 04 日 13:14:34:

菅元首相が安倍首相に敗訴したメルマガ名誉毀損訴訟の判決に対する、素朴で重大な疑問。
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/523.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 04 日 07:00:3

安倍首相メルマガ訴訟 菅元首相全面敗訴
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/548.html
投稿者 ドンゲン 日時 2015 年 12 月 04 日 13:27:33

菅直人元首相、安倍首相に全面敗訴 原発事故のメルマガは「真実だった」
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/537.html
投稿者 ドンゲン 日時 2015 年 12 月 04 日 09:30:0

「これは凄い。「公益性のあるデマ」という概念が日本に誕生。:外教氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/565.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 04 日 23:30:06

「>デマにも公益性があるとは笑止。この国の司法も地に堕ちた、政権が裏で手回した可能性も。:本間 龍氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/515.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 03 日 23:30:05:

<赤っ恥 安倍首相に全面敗訴> 菅直人が総理大臣だったという1000年に1度の災害
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/519.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2015 年 12 月 04 日 06:03:02


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