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中国、核燃料工場の建設撤回 住民デモで異例決定[日経新聞]
2013/7/13 23:38
中国の広東省江門市政府は13日、核燃料工場の建設計画を撤回すると発表した。12日に建設を取りやめるよう求める住民らの大規模デモが発生し、建設の中止に追い込まれた。中国の国家プロジェクトが住民の反対で頓挫するのは極めて異例なことだ。中国では環境汚染や格差への不満が高まっており、中止決定は各地で頻発する抗議活動にも影響しそうだ。
「江門は我々の家だ。核汚染反対!」。江門市政府の庁舎前には12日、1千人近い住民らが集まり抗議の声を上げた。デモ隊は横断幕を掲げて市中心部を行進し、市政府庁舎前で数時間にわたり警官隊とにらみ合った。
江門市鶴山の地元政府は4月、原子力企業の中国核工業集団と同市内の「龍湾工業団地」に370億元(約6千億円)を投じ、大型の核燃料工場を建設することで合意した。2020年に稼働し、広東省などの原子力発電所に年間1千トンの金属ウランを供給する予定だった。
市政府は7月4日に施設の安全報告書を公開。電話や電子メールを通じて市民の意見を募ったが、その期限はわずか一週間余り。「民意を反映するにはあまりに短く、形だけの意見聴取だ」「バカにしている」と住民の不満が爆発した。
中国は1994年、初めて原発を稼働した。建設中も含めて45基の原発を抱えるが、さらに20年までに日本の原発総数に相当する50基以上を各地に新設する計画だ。深刻な大気汚染の慢性化や電力需給の逼迫もあり、原発建設を加速してきた。
中国では政府側の情報開示が少なく、建設予定地の住民の同意を得ないで推進するケースがほとんど。今まで「国家プロジェクト」を名目に各地で建設を強行してきた。
だが、豊かになった住民は生活を脅かす環境問題へ敏感になり、インターネットの普及でデモなどの情報も瞬時に拡散する。現地では12日に続いて14日にも再びデモが計画されるなど抗議活動が拡大。住民の不満が高まっていた。
さらに広東省は「ポスト習近平」の筆頭格の胡春華氏のお膝元で、デモの多発地帯でもある。治安維持を重視する当局は「民意」を無視できず、異例のスピード解決となったとみられる。
最近は、中国各地で環境汚染などへの抗議活動が続発している。11年8月には遼寧省大連市でパラキシレン(PX)工場の移転を求めるデモが起き、市政府は工場の移転を約束した。今回は国策の核施設にも住民の抗議活動が及んだ格好。中国政府が今後どんな姿勢で臨むか、ネット上では様々な臆測が飛び交っている。(北京=阿部哲也)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1301O_T10C13A7FF8000/?dg=1
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