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2013/07/09 12:57 pm .2013/07/09 12:57 pm
福島第1原発事故発生後2年以上経過したが、同原発を管理する東京電力によると、トリチウム(三重水素)という放射性物質の水準が急上昇している。
問題の地点は、同原発の中でも大破した2号機の海側で、東電が定期的に地下水を検査して放射性物質のレベルを調べている場所の一つだ。放射性物質は、原子炉内で部分的に溶融した燃料棒から外部に流出した可能性がある。東電は5月、地下水中のトリチウムの濃度が急上昇し昨年12月の17倍に達していることが判明したと発表した。それ以降、東電は監視用の穴を掘り測定態勢を強化した。同社によれば、トリチウムの濃度は上昇し続けており、7月5日に測定した直近の濃度は5月の水準を約20%上回っていた。
パニックに陥る前に、一歩下がって考えてみよう。
トリチウムは水素の同位体で半減期は12年。自然界で生成されるとともに、核分裂の過程でも生成される。水に取り込まれて流れやすく、それは例えば人体の内部でも外部でも同様だ。したがって、原発と関係のある放射性セシウムなど他の放射性元素ほどに有害ではないと考えられている。米環境保護局(EPA)は、トリチウムを「最も危険の小さい放射性核種(放射性同位体)の一つ」と呼んでいる。
とはいえ、東電が7月5日に福島第1原発2号機付近の沿岸監視井戸から検出したトリチウムの濃度は日本の安全基準である1リットル当たり6万ベクレルの10倍で、しかも上昇している(ベクレルは放射性エネルギーが1秒間でどれほど放出されているかを示す単位)。これは原発事故後、同社が観測した最高濃度だ。
「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の2000年報告によると、人が安全基準の限度である6万ベクレルの水を1年間にわたって毎日2リットル飲み続けると、1回の胃のX線照射によって浴びる放射性物質量をわずかに上回るという。
東電の広報担当、永井義一氏は、トリチウム濃度が急上昇したのは、2011年3月の原発事故に伴い地下水がゆっくりと浸出したことが一因だと考えていると述べた。事故直後、東電は汚染水が海に流れ込む主要ルートを遮断した。このルートは主としてケーブルを収めているダクトや溝で、東電はは凝固剤を流し込みコンクリートで補強して流出を防いだ。しかし、それ以降も、地下に漏れた放射性汚染水は海に向かって広がり続け、5月になってようやく2号機の監視井戸で検出された、と東電は考えているという。
一方、放射性セシウムは水に取り込まれるよりも泥に結合しやすい。東電によれば、これらの監視井戸での放射性セシウムの検出濃度はそれほど上昇していないという。
現在、東電は、汚染水が海に流れ込まないように懸命の作業を行っていると述べている。原子炉の海沿いに一連の穴を掘り、それを凝固剤で塞いで周囲の土を固め、一種の障壁を築くというものだ。
これまでのところ、東電の海水サンプルから検出されるトリチウムの濃度は、わずかに上昇しているが、依然として安全基準を大幅に下回っている。7月3日時点で1リットル当たり2300ベクレルだという。
記者:Phred Dvorak
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